「年金は払い損」と考えるのは間違い: NightWalker's Investment Blog
日経の元記事を読んでみたらなんとも言えない違和感が…。
■年金は働けないとき所得を補う社会保障であり金融商品ではない年金って本来は社会保障とは関係なく、長生きリスクをヘッジするための「保険」という立派な金融商品だと思いますよ。国は加入を強制したり、保険料だけでは運用できずに巨額の税金を突っ込んだりして、保険を社会保障制度として運用しているにすぎません。
■年金はもともと、掛け捨てになる人もいれば得をする人もいる仕組み一人ひとりの損得に着目すれば、得をする場合もあるし、損をする場合もあるのは保険なのだから当然です。
金融商品が投資に値するかどうか判断するときに着目すべきなのはそういう個別の事例ではなく、期待リターン、つまり一人ひとりのリターンの「平均」がどの程度なのか、これに尽きると思います。
賦課方式の公的年金の場合、人口動態によっては期待リターンが大幅なプラスになる世代や、大幅なマイナスになる世代が生まれるという大きな欠陥がありますが、ずっと以前から指摘されているにもかかわらず、欠陥は放置されてきました。急激な少子高齢化が現実のものとなった今、まさにその両世代の世代間格差が極大化しつつあります。
後者の世代にとって現行の公的年金は、期待リターンがひどく少ない劣悪な金融商品であることは紛れも無い事実です。したがって、彼らが「年金は(平均的には)払い損」と考えることは決して間違いではありません。
そう思われたくないのであれば、
私は損得にこだわる人には「人より10年長生きしなさい。そうすれば得になるよ」と言いますこんな屁理屈でごまかすのではなく、一刻も早く積立て方式へ移行して世代間格差を解消するしかないと思います。
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