昨日の記事の続きです。
第6章 あこがれの早期リタイアをリアルに思い描くこれが本書における早期リタイア可能な状態の定義のようですが、無駄にハードルが高いと感じます。
1 経済的自由を手に入れる
(中略)
残りの人生、お金の心配が一切ない状態で暮らせる体制が整ったという意味です。より専門的に言えば、仕事をしなくても保有資産からの収入が支出を継続的に上回り、資産が膨張していく状態のことです。
資産の膨張が必要なのは人生の前半だけで、後半は資産が減少に転じるように計画するのが合理的です。関連記事:
前回の記事 とよく似たことが書かれている記事がありました。 誠 Biz.ID:結果を出して定時に帰る時短仕事術:人生の前半では時間を売り、後半では時間を買う : 年を重ねてアルバイトをやったり、就職して会社に入ると、少しずつ自分が管理できるお金が増えていきます。結婚や家を買う、子...
仕事を辞めても資産が膨張し続けるのなら資産の貯めすぎです。
仮にまだ資産を増やす段階にいるとしても、「継続的に」資産が増える必要はありません。リスク資産の価値は増えたり減ったりを繰り返すものです。人はこのような価格変動を必要以上に避けようとしてインカムゲイン偏重の罠にハマる習性があります。
著者も資産からの「収入」と表現している時点で、インカムゲイン偏重の罠にハマっているような印象を受けましたが、次のような事例を肯定的に紹介しているのを見て、それが確信に変わりました。
「ちょっと前に、グローバル・ソブリンというファンドを300万円分買ったのよ。銀行の女の子から電話がかかってきて、普通預金に置いていても利息もつかないので、分配金が毎月40円出る投資信託を買いませんかって言うもんだから。」よりによってグロソブとは…。
他の3人は投資にはまったく詳しくないものの、分配金という言葉に興味津々です。
「じゃあ300万円だけと思って買ってみたら、それから毎月1万5000円が分配金として振り込まれてくるのよ。平日のゴルフ2回分は賄えるし、本当に助かるわ」
この事例の人は完璧な反面教師です。このような投資行動の問題点をきちんと解説してくれるのが本物のFPだと思うのですが。
参考記事: なかなか聞けないお金への思い:やりくり上手な賢い夫婦、お金が残らない残念な夫婦 ~なぜ、夫婦で年収800万でもお金が足りなくなるのか?:本読みの記録:So-netブログ