Kotaroさんのブログより。
インフレになって、「預金金利<物価上昇率」となると預金の元本が目減りする。だから「貯蓄から投資へ」といのは早計だ。
soutai40.com
インフレ対策として「1年ものの定期預金」はアリだと思う。
私も7年前に書いた記事では、それに近い考えでした。(関連記事:
預金のインフレ抵抗力)
しかし最近は、定期預金を含む銀行預金を持つことが「インフレ対策」になるとは思っていません。
2015年5月現在は、アベノミクスの金融緩和で金利が低く抑えられているが、
ここ、預金がインフレ対策になるかどうか考える上では見逃せないポイントです。
銀行預金がインフレ対策として機能するためには、インフレ率が上がるとそれに追従して預金の金利も上昇しなければなりません。インフレ率が上昇しているのに預金金利が一向に上がらない現在のような状況だと、定期預金の実質金利はマイナスになります。
参考記事:
預金と物価の関係です。 何度も書いているので、飽きちゃった方がいたらゴメンナサイ。 ここ数年分の預金利息と消費者物価をグラフにしました。 出典は、 ●日本銀行の統計データ検索より、 預金金利、 1年定期(1000万円以上と300万円未満) 10年定期( 〃 〃 ) 普通預金、 それぞれの平均利息 ●総務省 統計局の 消費者物価指数より ====== 利息は、6年前の10年定期であっても1%もありませんね。最近はもう限りな...
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現在の実質マイナス金利は一時的な状況で、まもなく名目金利がインフレ率に追い付いてくるのでしょうか?
もしアベノミクスに「金融抑圧」という意図があるのだとすれば、そうとも言えないと思います。
参考記事:
「資産運用では株価だけではなく為替も考慮しよう」において、金融抑圧について言及しました。詳細について質問がありました。個人の資産運用においても重要な問題です。金
matsunosuke.jp
この記事にあるように、金融抑圧を伴うインフレはスローモーションの国債デフォルトを可能にします。天文学的な借金を抱える日本政府が歳出削減にも増税にも行き詰まったとき、表面的には波風が立たない金融抑圧政策でじわじわ借金を減らしていこうと目論むのは、ごく自然なシナリオだと思います。年金給付もマクロ経済スライドで削減できるし、まさに一石二鳥。
そうすると、定期預金で長期運用した結果、30年かけて購買力が半分になっちゃいました~、なんてことも普通にあり得る話ではないかと。30年でマイナス50%のリターンというのは、年率わずかマイナス2.3%で達成(と言うのも変ですが)可能な数字です。ゆでガエル作成のようなゆったりとした目減りなので、預金保有者が「大打撃」と認識するまでには長い時間がかかるはずです。
私はこのような思考経路を辿った結果、定期預金はインフレ対策としては「ナシ」という結論に至りました。
ただし、定期預金が毎月分配型投信のように何の役にも立たない金融商品だと言っているわけではありませんので念の為。わずかばかりのインフレリスクを負う覚悟さえできているなら、悪くはない選択だと思います。