2009年12月8日

早期リタイアの判断基準

読者の方から次のような質問のメールをいただきました。
遊民さんは、何歳で、幾らの資産を持って早期リタイアを成し遂げたのですか?また月々の生活費の内訳や一日のタイムスケジュール等、可能でしたら今後の参考にしたいと思いますので、ご教授の程よろしくお願いします。
おそらく他の読者の方も知りたいと思われる事をズバリ聞かれてしまいました。
ご存知の通り、当ブログでは具体的な資産額や生活費の公開はしていませんので、いつかは聞かれるだろうと思っていました。リタイアした年齢についてもはっきり書いたことはありません。その理由は、これらの情報を正確に公開すると、個人を特定されるリスクが高まるからです。万一特定された場合、資産額を公開しているとちょっと怖いからです。
ここは大雑把に、40歳でリタイアしたと考えてもらえれば十分でしょう。他には家族構成なども気になるでしょうが、同様の理由で非公開です。ただ一つ、扶養家族は一人もいないことだけはお伝えしておきます。

さて、早期リタイア志向の人の最大の関心事と思われる「一体いくらあればいいのか?」について。

たとえばこちらの記事では、
素敵なセミリタイア:セミリタイアに必要な貯金はいくら? - livedoor Blog(ブログ)
この年間平均的支出480万円を支出してセミリタイアするにはアラフォー世代では貯蓄いくら必要か?
実は思ったほどお金は必要ではないんですよね。
年間平均利回り5%で6500万円
       4%で6800万円
       3%で7400万円
利回り3%以下はセミリタイア出来ない情報弱者だと斬って捨てますので計算はしませんでした。
つまり、40歳で7000万もあれば普通の生活のセミリタイア出来るのです。
と書かれています。

また、ぬこさんのように33歳5000万円でリタイアを決断した人がいる一方で、乙川さんのブログでは、
乙川乙彦の投資日記: 無職生活を選択する?
5000 万円では、無職生活を選択するには少額すぎると思います。
という意見を書かれています。

一つ言いたいのは、人生観やライフスタイルの異なるであろう他人様が計算した7000万円や5000万円という絶対額が、自分にそのまま当てはまるケースはほとんどないのではないか、ということです。絶対額を基準にする限り、「それで十分」「いや足りない」という意見の応酬になるだけだと思います。

もっと一般化して論じるとすれば、重要なのは資産の絶対額ではなく、資産額と生活コストとの比だと思います。年間生活コストの何倍の資産を持っているかです。PERに倣って、これをACR(Asset Cost Ratio)とでも呼ぶことにしましょうか。

たとえばぬこさんの場合がわかりやすく、資産が5000万円で生活費が100万円なので、ACRは50倍です。
これは何を意味するかというと、資産からのリターンがインフレ率と同じなら、今後50年間の生活費を賄えるということです。
30代という若さを差し引いても、これは十分に高い数字だと私は思います。(それでも低いというのが乙川さんの意見であることは理解しているつもりです)

あくまで私の基準ですが、
(年齢+ACR)>平均寿命
が、リタイア可能かどうか判断する際の目安になると考えます。

私のリタイア当時のACRは41倍で何とか基準は満たしていましたが、昨年の大幅なマイナスリターンで現在はちょっと不安になるレベルまで下がってきています。それでもリターン4%、インフレ率2%でグラフを描くと、95歳までは持つ計算です。

早期リタイアの決断はかなり大変 - 30歳代からの資産運用~よちよち投資家のブログ - 楽天ブログ(Blog)
特に重要で設定の難しいのは「インフレ率」ですね。
一応2%くらいって思うけど、じゃあそれでいいの?って考えるとやっぱ???

つくづくインフレって重いよなって思うのは、インフレ率2%で平均寿命位をみると生活費が設定額の2倍になります。
今の価値で300万円だと、600万円です。

インフレ率を3%にすると、グラフが地下にもぐっちゃう……ので2%にもどす。
あれこれいじってグラフが動くわけだだけど、何度やってもこれってものがない。

いや、これって思うのは実際あります。だけど、やっぱ不安。
この気持ちわかりますねー。
インフレ率3%にすると確かに破綻します。(笑)
で、思うのは。。。早期リタイアした人って結局「決断」なんだろうなって思う。
そんなの甘いんじゃとか、そんなんだったらリタイアしたくないとか。。。いろいろ突っ込みどころがある。。。でも、それはあたりまえなんだよね。

みんなが満足するような金額って膨大な金額になりそうだよね。
だから、どこかで自分が線を引く。。。ちょっと怖いけどリタイアみたいな決断なんだろうか。。。よくわかんないです。
その通りです。自分なりの「決断」がなければ早期リタイアはできません。
恐怖がないと言えば嘘になります。リスク資産で運用する場合は特に。決断力と同時に、不安への耐性がなければやってられないと思います。

3 件のコメント:

  1. 株やFXなどのトレードのブログではみなさん取引画像貼りつけたり正確な資産額書いてますよね。それだけで個人を特定されることは無いと思いますが。むしろ個人を特定されかねないのは700万でリタイアされた世捨て人さんのようにブログで自分の家の周辺の写真載せたり、どこでなにしてきたかなどをよく載せてる場合ではないかと思います。
    やはりリタイアブログを謳うのであれば、資産額や日々どういう収支で生活してるのかが載っていないといまいち信憑性、説得性に欠けるような気がいたします。読者としてはそのあたりが一番知りたいところだと思うのです。

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  2. こんばんは。取り上げて頂いてありがとうざいます(*^_^*)
    やはり満を持してより「決断」なんですね。
    それと、うさみみの立場では「何」とは言えないんですが、それ以外の何かってのがその「決断」を早めるのではと推測しています。
    例えば、サラリーマンは合わないとか。
    夢があるとか。。。そういう何らかの強い思いがないのにそれなりにお金だけあっても、「決断」には至らないような気がしています。
    早期リタイアについて何かを語れる立場ではないけど、いろんな人の考え方にふれるとそんな感じがします。

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  3. 私も42歳、独身で早期リタイヤしました。遊民さんのような緻密な計算はしていませんが、因みにリターン0%、インフレ率0%、年金は0円(実際は貰えると思うけど?)で計算してACR47歳で、92歳までは持つ計算です。
    (早期リタイアした人って結局「決断」・・・
    ずばり、私も同意。あと”家族”がいるかも大きなファクターだと思います。家にいて、妻子の”目”は気になると思いますよ。家族がいないんで判らないけど(笑)。
    計算でやれることはいっぱいある。保険の掛け過ぎ見直しとか、住宅ローンの繰上げ返済とか、自動車を使わないとか。これはまあまあ確実。でも”投資”で増やす部分は運次第の面も。なかなか、希望額に達しないのが現実でしょうね。早期リタイヤを目指して、1人/100人以下の確率とかでしょう。
    計算以外に”精神”の部分も大きいと思います。日本人の”性(サガ)”、和を以って尊しとなす⇒横並び、群衆、集団。他と違うと”不安”になる。個を大切にする西洋人だと早期リタイヤする人の率が多そうな気がします。
    まあ、今の社会、会社、どこも人間関係が殺伐、グチャドロで鬱病にでもなってズタズタになり、自動的、強制的にリタイヤする人は増えそうな気がしますが(汗)。
    精神の部分ですが、動物、生物でいう”個体差”も。例えば、マラソン選手(個人種目タイプ)。42Kmを一人で自力で頑張らないと、倒れたらその時点でゲーム・オバー。サッカー、野球、バスケ・・・(団体競技タイプ)。一人倒れても、交代選手が認められる。その他、自営業者に向く人と、会社員タイプ。集団じゃないと何となく不安。一人で決断を下すのが怖い。日本人は圧倒的に後者が多い。よって早期リタイヤは”カネ”の問題以外に、精神の面でも向いていないんだろうなと思います。
    長々と書き失礼しました。ではでは。

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