2018年8月30日

資産運用は儲からない?

ツイッターより。

資産運用が労働収入の代替になるのではないか、という期待があったからこそ出てきた発言かなとお察ししますが、両者はそもそも投入するリソースが別物なので、「どちらの方が儲かるか?」という視点で比較できるものではないと思います。

投入した人的資本(人生の時間)あたりのリターンで比較するとほったらかしタイプの資産運用の圧勝になりますし、投入した金融資本あたりのリターンで比較すると労働の圧勝になるでしょう。

労働と資産運用は二者択一ではありません。両方同時にやってもよいし、どちらもやらずに生きてゆくことも人や状況次第では可能です。

資産形成の観点からは、まず人的資本の労働市場への投入(「自分で稼ぎます」)で金融資本を稼ぎ、それと同時に金融資本を資産運用に回すのが最強であることは言うまでもありません。

最終的に大事なのは運用益がいくらかではなくて、資産総額をいくらまで大きくできるかです。積立金額を増やしたり、積立を早く始めることによって、お金に余裕が生まれる時期を「ヨボヨボのお爺さん」になる頃よりも早めることは十分に可能だと思います。

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2018年8月25日

とある子連れクレーマー案件は何がいけなかったのか

ツイッターより。

ぶら下がっている自己リプを順に読んでいくと、この御夫婦はファミレスで自分達のお子様がギャン泣きしているのを放置していたら店長に声がけされ、納得いかずに店長を詰問したらしいですね。

典型的なクレーマーにしか見えないのですが、小さい子供が絡むとなぜか同情的な声が増える法則により、この一連のツイートも万単位の「いいね」を獲得しているという…。

不思議なことに賛否両論喧々諤々の物議を醸しているようです。

批判コメントの殺到を受けた後、彼女は次のように主張を要約しました。若干トーンダウンしたようにも見えます。

「そして」の続きが見当たりませんが、
店の方針として泣いてる子どもは外へ出ろと言われるならそれは仕方ないでしょ。もう行かないし、それでいい。
ということをやっと学習されたようで良かったです。そう、店の方針が気に入らなければ行かなければいいだけですよ。最初からそれがわかっていたなら、子供が泣き止んだあとにわざわざ店長を呼びつけて詰問することもなかったでしょうに…。

「子どもの声は騒音じゃない。子どもの声を騒音と思って泣いてる子の保護者に声をかけるのはやめて」
え? やっぱり何もわかってないようですね。今度は無理やり騒音の定義の問題ということにして、店の方針に口出ししてるじゃないですか。「もう行かない」店の方針に、どうしてそこまで干渉しますかね。

この店長も、営業の自由を理解しない相手にも丁寧に説明すればわかってもらえると思ったのが失敗の元でしたね。下手に「他のお客様にとっては騒音」とか余計な説明を加えてしまったばっかりに、そこを突破口にして「他の客とは?」「騒音の定義は?」みたいに無限に説明を求めてくるクレーマーの術中にハマった感があります。最後には「不勉強でした」という謎の(皮肉にも取れる)セリフで何とか収拾をつけたあたり、大変な心労だっただろうとお察しします。

セールスの勧誘を断るときに、つい余計な理由をしゃべってしまって、そこに付け込まれてしまうパターンと同じです。「断るには正当な理由が要る」なんて思い込みは禁物です。

「大声で泣くお子様の親御さんには声がけします。ウチの方針が気に入らなければお帰りください。」だけでよかったのに…。

因みに、批判コメントの中に「ファミレスは公共の場なんだから云々」というものがそこそこ見られますが、根本的な間違いです。ファミレスの店内が公共なら、ルールは皆で話し合って(つまり政治で)決めることになってしまい、政治的弱者である少数派は自由を奪われます。

政治ではなく市場に委ねている限り、少数派の需要を満たす供給者がいなくなることはありません。今回のケースで言えば、うるさい子供がいても放置する店はほかにいくらでもあるでしょう。消費者はどちらか好きな方を選べばいいわけです。

参考ツイート:

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ツイッターより。 東京五輪をあと2年後に控え、安倍政権が訪日外国人客を2030年に6000万人とか途方もない目標をブチ上げているのに、こういう飲食店が日本にあること自体信じられない。そこまで書けるなら英文メニューも作れるだろうに。 https://t.co/82fHkE7qFO...
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tak-tak-worldより。 いつまでもアメリカに「完全に一致」で良いのか? - tak-tak-world 「暑ちーなぁ、雨降らないかなぁ」と思っていたらホントに雨が降ってきた。 でも余計に蒸し暑くなったし。(;_;) 「エアコンいれようか、でも電気代も気になるしなぁ、...
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2018年8月20日

ガイアの夜明け 「巨大“規制”に挑む!」〜バターの闇 新たな戦い〜


グーグルで動画検索すると出てきたので見てみました。

農協系団体を通じた生乳流通システムのおかしさを暴き、公権力を利用して競争相手を排除し既得権益を守ろうとする連中の存在を知らしめたのは良かったと思います。

ただ、「巨大“規制”に挑む!」という楽しみなタイトルが付いている割には、黒幕である農水省がどんな巨大規制で既得権益保護を主導しているかについては全く暴いていないので、がっかりしました。

番組では農水大臣が冒頭に一瞬(「バター不足は発生していない」みたいな寝言を言うシーンで)登場するだけです。あとは主に農協系団体(ホクレンなど)を悪玉扱いしているのですが、彼らはあくまでも生乳流通を独占する権利を合法的に行使しているだけなんですよね。

そもそも政府が認可した「指定団体」以外が流通に参入できないような制度(規制)自体がおかしいのに、そういう視点からの指摘は皆無。逆に「国のお墨付きがあるならMMJに卸したい」みたいなことを言い出した生産者を登場させて、政府の介入を肯定している様子でした。

バター不足の原因は高関税によるバター輸入の実質禁止であって、まずはその障壁を取り除くことが何よりの優先事項のはずです。旧ソ連みたいな国家独占貿易システムを温存したままでは、仮に国内の生乳流通問題が解決したところで、バター問題にとっては焼け石に水ではないかと。

副題にある「バターの闇」に切り込んでいくのであれば、取材すべきは国内の流通問題じゃないでしょうね。本当の闇である国家独占貿易の仕組みと、そのために存在する利権団体「農畜産業振興機構」の方を取材すべきだったと思います。

関連記事:
こんなニュースを見かけました。 農水省 クリスマス前に家庭用バター供給要請 NHKニュース : スーパーの店頭などで家庭用のバターが品薄になっていることから、農林水産省は、28日、乳業メーカーに対して、クリスマスの需要期に向けバターを最大限供給するよう文書で要請しました。 ...
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2018年8月15日

幸福のピークは過ぎたけど…

ツイッターより。

アラサーでそれを確信してしまいましたか…。早いですね。

私がそれを確信したのはアラフィフでした。ツイート主さんと違うのは、この先の人生に下り坂しか無いと悟った今でも特に苦しくはない事です。「淡々と受け流している」方の人になるかと思います。

社畜だった20代30代の自分に比べれば、早期リタイア済みの50代の自分の方が、老化したことを差し引いても遥かに幸福だと感じているからかもしれません。私の人生の幸福度をグラフにすると、大学生の頃と40代の2回ピークがあり、その間の社畜時代が大きな谷を形成する形になりそうです。

人生における幸福のピークがどのへんにあるのかは、仕事をどれだけ嫌っているか、若さの価値をどれだけ重視しているか、などの価値観の違いによって、かなりばらつきがあるように思います。

マイ幸福度グラフがどんな曲線を描くにせよ、人生の最後にはそれがゼロになる「死」が必ず待っています。未来に希望を持ちすぎず、かといって絶望して苦しむこともなく、淡々と今の幸福を噛みしめようと思います。

関連記事:
当ブログ満8歳の誕生日を迎えました。 1年前の記事はこちら。 ブロク開設7周年 当ブログ満7歳の誕生日を迎えました。 総PVは7年かかってやっと100万を超えたところです。感謝。 人生の時間があと何年残っているかわかりませんが、ここまでは思い描いた通りの自由なリタイア生活を...
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参考ツイート:

2018年8月10日

早期リタイアに明確な目的は必要?

Taoさんのブログより。
「人生100年時代!アーリーリタイアしたい人が陥りがちな失敗」という記事を読んだ。女性中小企業診断士が書いたもので、おおむね賛同できる内容だった。ある一点を除いては…。
worldsend.blog.jp
セミリタブログを書いている人で、その筋の専門家に相談した人ってどれぐらいいるんだろうか?

ほとんどいないんじゃない?

お金なんていう超重要な根本問題を、自分で考えずに他人に任せようとしている時点で、「本気でリタイアしたいの?」と問い詰めたくなってしまう。

だから、「こんなんでリタイアできますか?」なんていう相談記事ばかり載せてるAll Aboutも、ここ数年まったく読まなくなってしまった。

私に訊いてくれれば、全員同じ答えで即答するわ。

「チミにはムリ!」とね。
同感です。
どうしても他人の意見を聞きたいとしても、その相手がよりによってなぜ「資産運用の専門家」なんだろうと思いました。

そもそも早期リタイアに資産運用は必須ではないから、という理由は置いといて、資産運用のことを知りたい場合でも、「専門家」の多くは投資家から儲けることを生業にしている人たちですから、避けるのが鉄則です。

元記事はこちら。
「人生100年時代」の到来に向けて、いつまで働くかを自分で決める時代が来ています。この「人生100年時代」はリンダ・グラットン、アンドリュー・スコット両氏が著作『LIFE SHIFT』(日本版:東洋経済新報社)で主張したことで広く知られるようになった考え方です。
dfolio.jp
d-folioなんてサイトは初見ですが、なんか胡散臭いですね。ツイッターのフォロワーが異常に少ないのも気になります。

具体的にやりたいことは人それぞれでしょう。「世界各地を旅行したい」「海外に移住して趣味のゴルフをやりたい」「大学に戻って研究をしたい」など、アーリーリタイアを成功させる人には、明確な目的があります。
私は何ら明確な目的もなく早期リタイアした人ですが、10年以上経過した今でも後悔はなく、「アーリーリタイアを成功させた」と思ってますけど…。なんか無意味にハードル上げすぎてません?

逆に聞きたいのですが、毎朝仕事に出かけている人たちは、何か「明確な目的」をお持ちなのでしょうか? 明確な目的もなく何らかの意思決定をすることが失敗の原因だと言うなら、リタイアせずに仕事を続けている人たちの中にも、ダメ出しされるべき人はいくらでもいると思います。因みに現状維持も立派な意思決定ですよ。

アーリーリタイアするのであれば、その目的を考えることは欠かせないことです。それを実現するためにはリタイアしなければいけないのか?と自問することが必要です。
なぜ「アーリーリタイアする」という意思決定の場合だけ、こんな高いハードルを設けるのでしょうか。そんなに目的を考えておくことが大事だと言うなら、人生におけるその他の意思決定(進学、就職、結婚、出産など)をする場合にも、その目的を明確にしておかないと失敗するのでは? 皆さんは、進学や就職のときに明確な目的がありましたか? 私は無かったですけど、その意思決定が失敗だったとは思っていません。

「明確な目的が無いうちは意思決定をしない」みたいな考え方にも、それなりの(機会損失などの)リスクはあります。「現状維持だから安全確実」なんて法則は無いことに注意が必要だと思います。

関連記事:
オールドマンさんのブログにこんな記事がありました。 リタイアする理由をもう一度考える - 毎日が日曜(^^)   セミリタイアメント : いろいろ、理由つけたが、リタイアしたいのは、「仕事がいやなだけだ」、それだけで十分理由になる。 確かに、それで十分ですよね。 ・理由などないの...
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2018年8月5日

リタイア後には「投資は貯金感覚で」使えばいい

カン・チュンドさんのブログより。
こんにちは。インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。投資信託のしくみで分かりづらいのが、「お金の受け取り方」でしょう。分配金という名目でお金を受け取っても、部分解約してお金を受け取っても、どちらも、 【ファンド本体から、お金が出ていることに】変わりはありません。...
tohshi.blog61.fc2.com
『分配金』のほうは、

出すか出さないか、
いくらぐらい出すのか、
すべての決定権は「運用会社」が握っています。

あなたは何ひとつ決められません。

ちょっとリタイアした後の、
【ふつうの生活】を思い浮かべてみましょう。

お金を出すか出さないか、
(出すとしたら)いくらぐらい出すのか、

自分が主導権を握って、
【部分解約】を継続的に行っていったほうが、
セカンドライフの生活費の管理がしやすいと思いませんか?
(中略)
別に『分配金』がなくても、
計画的にお金を出して使っていくことは出来るのです。
カンさんの意見に共感します。

投資信託の分配金にせよ、株式の配当金にせよ、現金として戻ってくるのはファンドマネージャーや株主総会の都合で決まる金額でしかなく、よほどの大株主でもない限り自分の意思ではコントロールできません。毎年変動もするでしょうし、自分が必要とする支出額だって毎年一定ではないわけで、必要な支出額とインカムゲインが一致するケースは極めて稀ではないでしょうか。ほぼ毎年何らかの過不足が生じるはずです。

そんなものをベースに生活しなくても、必要な金額だけ売却していく方がシンプルで無駄が少ないと思います。要は貯金を下ろしながら生活するのと全く同じでいいのです。

カンさんが紹介している定期売却サービスを使う手もありますが、もっと単純に、その都度手動で売却しても全く問題ありません。手動と言っても今はクリックひとつで済むわけですし、売買手数料が気になるなら1回の金額を多めにして頻度を下げるなど、調整も自由自在にできます。

リタイア後のセカンドライフだからといって、インカムゲイン重視の特別な資産運用のやり方が必要である、みたいなありがちな考え方はしない方がいいと思います。

インデックス投資を貯金感覚で行うことの是非が話題になっていますが、資産形成期はともかくとして、リタイア後の資産の使い方にこそ「貯金感覚」が必要なのではないかと、ふと思った次第です。

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世の中には「不労所得でリタイアしよう!」みたいな怪しい話がそこら中に転がっていて、リタイアするためには労働所得の代わりに「不労所得」というものを手に入れることが必須であるかのように思われているかもしれません。 しかし、リタイア後の生活費をすべて不労所得で賄う必要はありません。 資...
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cubさんのツイートより。 今、株式の配当こそ資産運用の王道な気がしてきた。わけわからん国の不動産だのビットコインだののニュービジネス投資なんかより配当こそ投資の中心・・いやぁ間違いないだろこれ。誰も気づいてないの? — cub(台湾で外こもり中) (@cub_nomad) 20...
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