2017年12月30日

2017年末の資産残高推移

年末恒例の資産残高集計を済ませました。

資産残高推移2017.png

JPYベース(青線)でプラス11.1%、USDベース(赤線)でプラス15.3%となりました。ドルベースのほうがリターンが高いということは、つまり今年も円高でした。(2年連続)

年間支出の方は38%も増えていました。思い切って財布の紐を緩めた成果が出ています。これだけ支出を増やしても資産が減るどころか11%も増えるなんて、どうなってるんでしょうね。順風満帆とは、今年の株式市場のためにあるような言葉だと思います。

リタイアした年である2007年からのデータを並べてみましょう。
2007年: +6.8%
2008年: -37.4%
2009年: +17.3%
2010年: -4.7% 年齢+ACR=77
2011年: -13.7% 年齢+ACR=76
2012年: +19.2% 年齢+ACR=89
2013年: +31.5% 年齢+ACR=106
2014年: +15.4% 年齢+ACR=120
2015年: -1.0% 年齢+ACR=126
2016年: -1.7% 年齢+ACR=118
2017年: +11.1% 年齢+ACR=105

一年前のコピペになりますが、私の余命をやや多めに40年と見積もった場合でも、人生の時間残高はこの1年でマイナス2.5%のリターンでした。この数字は常にマイナスであることと、10年後には3.3%、20年後には5%と、減少ペースが次第に加速していくのが特徴です。資産が減るより速いペースで人生の残り時間が減少していることを実感せずにはいられません。

一年前の記事。
年に一度の資産残高集計を済ませました。 2016年の資産残高の変動は、JPYベース(青線)でマイナス1.7%、USDベース(赤線)でプラス1.1%となりました。株価も為替もそこそこ変動があったようですが、終わってみれば私の名目資産残高はほとんど変わらず。至って平穏な1年だったと言...
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2017年12月25日

巨大な政府を養うために貧しくなる人々

ユキノシバリさんのブログより。
コンビニでパンを買うときに、いったいどれだけの税金がかかっているだろうか? 小麦を仕入れれば関税で3.5倍にな … 続きを読む 人はパンのみにて生くるにあらず
shibari.wpblog.jp
所得税や住民税を課税されない低所得の人だって沢山の税金を間接的に払うのである。図のように単純化したモデルでさえ、食費の7~8割が税金になっているという話になる。

人が生きていくのに最低限必要な食料品の末端価格には、負担を明確に自覚できる消費税だけでなく、間接的に多額の税金が上乗せされているという話です。それを知らない日本人が多いのは、政府が巧みに迷彩を施しているからですね。

関連記事:
最近ブログ更新をサボリ気味なのと対照的に、ほぼ毎日何かしらリンクを貼っているツイッターで、やや多めの反応があったのがこちら。 賛成 "お米も、価格は 2160円 (消費税 160円、米農家への利益転嫁額 1200円)って書いてあるとか。こうしたら皆、TPP に反対か賛成か判断しや...
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食費の7~8割が税金なら、商品そのものの価値は額面の1/5~1/3程度ということになります。この事実を知るだけでも、やはり日本は決して「コスパの良い不思議の国」などではないことを確信します。本来の価値が30円の商品を手に入れるのに100円払わなきゃいけないなんて、コスパ悪すぎと言うしかないでしょう。

本来なら、はるかに少ない労働時間で楽に生きられるはずなのに、沢山の負担をさせられることで生活が割高になっているのである。

同意。
上乗せされた税コストを払うために、本来なら余暇であったはずの時間まで労働に割り当てて金を余分に稼がないといけない、これが現実だと思います。私の場合、税コストの上乗せがなければ40歳どころか30歳でもリタイアできていたかもしれません。現役最後の10年は税負担のためだけに働いていたとなると、なんとも言えない空虚な気持ちになります。

参考ツイート:

政府の介入のない自由な市場であれば、自給自足するより市場を介して分業したほうが何桁も割安にモノやサービスを手に入れて生きることができるはずなのである。

だが実際のところ、分業したほうが割高になりそうな水準まで税金を上乗せされている。他人と分業するだけで、とたんに政府に多くをピンはねされてしまうのである。

巨大な政府を養うという前提がなければ、外食のほうが自炊よりうんと安くて当たり前なのだと言ったら、現状がどれくらい異常なのか分かるだろうか?

巨大な政府の存在が当たり前だと思っている先進国の人々にとっては、あまりピンとこない話かもしれませんね。

たとえば日本では、ワンルームマンションでさえ専用のキッチンがあって、食費を抑えるために自炊しているなんて、とても不思議な光景です。本来なら一人で一人分の食事を専用キッチンで調理するよりも、誰かがどこか別の場所でまとめて調理したほうが遥かに生産性が高い(=安くつく)はずなのに。

東南アジアのような物価の安い国に行ってみるとわかりますが、自炊なんてしているのは金持ちだけで、庶民の住居にキッチンがないのは当たり前です。そんな生産性の低いことをしていたら高くつくからです。いたるところにコスパの良い店があります。政府が巨大化していない新興国では、「自給自足するより市場を介して分業したほうが何桁も割安にモノやサービスを手に入れて生きることができる」を実践する人々の姿を見ることができます。

分業と市場のメリットを最大限に享受する彼らと比べると、本来よりも遥かに高い値段がついている外食費を削るために、わざわざ生産性の低い自炊を選ばざるを得ない日本人の方がよっぽど貧しい暮らしをしているように見えてしまいます。

参考ツイート:



2017年12月20日

「枠組みのない自由」は地獄?

ツイッターに流れてきた面白いツイート。

TRPGとはテーブルトーク形式のロールプレイングゲームのことだそうです。プレイしたことはないのですが、PCゲームだとオープンワールド系のものをイメージすれば近いのかな。

この気持ち、ゲームの中の話なら私にもわかります。何の攻略目標も与えられず、何でも自由にやってみてよと言われても、かえって何もする気が起きなくなり、遅かれ早かれ飽きてプレイをやめてしまうだろうなと。

リアルの世界でも同じような意見をちらほら見かけます。自由すぎるよりも、ある程度の制約がある方がいいみたいな。

この一コマを
「リタイア生活には無限の自由があると信じた無職が、自由を満喫して何していいか分からなくなって叫んだ内容がこちらになります。」
と紹介しても、違和感ない人もいるかもしれません。

でも、「枠組みのない自由」を「地獄のような荒野」とみなすのは、ちょっと違うのではないかと思います。本当に枠組みがないのなら、何もしない自由もあるはずです。何していいか分からない状態を地獄だと感じるのは、何かしなければならないという義務感のようなものに駆り立てられているからでは? 自由にそのような条件が付いているのなら、最早それは「枠組みのない自由」ではありません。

それは自主的に決めた枠組みにすぎないので、取り外すのもまた本人の自由なんですが、自由が地獄だと言う人はなぜかそれに気付かない傾向があるような気がします。

俺は「自由」より「犬の首輪」がほしいと言うのなら、それを与えてくれる誰か(何か)を探すのもまた自由です。忠犬契約でも何でも、当事者同士で好きに合意すればよいだけです。自由なんだから誰にも依存せずに自立しなければならない、とは一言も言ってないわけです。これが本当の「枠組みのない自由」という概念だと思います。

関連記事:
p.198  ある程度の貯金があってこそ、隠居も屈託なく楽しめるってもんです。  基本的には明日死んでもいいように生きるけど、死ななかったときのためにもしっかり蓄えておきたいところ。 「ある程度の貯金」とは、半年分の生活費のようです。(p.197より) 私の場合のそれは半世紀分の...
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2017年12月15日

ソニー銀行に口座開設してみて気付いたこと。Sony Bank WALLET は意外と使えるかも

今までメインバンクとして使ってきた住信SBIネット銀行の劣化が激しく、乗り換え候補としてソニー銀行に口座を開設してみました。口座維持手数料の類はありませんので、円口座だけでなく利用可能なすべての外貨口座を開設してあります。

キャッシュカードがSony Bank WALLET(以下SBWと略します)という名前のデビットカードを兼ねているのですが、これが意外に使えそうです。

まず国内ショッピングですが、平ステータスだと還元率は0.5%なのでP-oneカードには負けます(100円未満の小額決済に限ってSBWのほうが有利)。シルバー(総残高300万円以上)のステータスを維持すれば還元率は1%となり、P-oneカードよりやや有利になります。(P-oneカードは決済ごとに1%割引を計算して端数を切り捨てるため、月間総額から1%キャッシュバックするSBWが有利)

次に海外ショッピングですが、為替手数料はドルやユーロだと0.13%~0.14%程度(来年の3月末まではこれが無料になるキャンペーン中)で済み、クレジットカードの為替手数料よりも遥かに有利です。クレジットカードでキャッシングして現金払いする場合と比較しても、数日分の利息と繰り上げ返済の手間がかかることを考えるといい勝負になっていると思いますし、為替手数料無料キャンペーン中ならSBWの圧勝です。ただしソニー銀行が扱っていない通貨で決済すると1.76%もの事務処理経費が上乗せされる罠があるので、マイナー通貨で使う場合は注意が必要です。

最後に海外ATMでのキャッシングですが、これは上記の事務処理経費に加えて海外ATM利用料と現地ATM設置機関利用手数料が上乗せされるので、論外です。現金が必要なときは素直にクレジットカードでキャッシングして繰り上げ返済しましょう。

関連記事:
NewSphereの記事より。 経済学者式の考え方で、次の海外旅行はお得にいこう 2016年、海外旅行や出張者の数は過去最高記録を更新し、今年はすでにそれを上回るペースで進んでいる。海外を旅するのに、パスポート以外で絶対に必要なもの、といえば、ヨーロッパならユーロ、日本なら円、ロ...
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2017年12月10日

千葉市長の「大した権力ですね」という自己紹介

千葉市長熊谷俊人氏のツイートより。
詳しくは追っていませんが、コンビニにエロ本を裸のまま陳列するなという千葉市の「提案」についての発言のようです。

???

履き違えているのは一体どっちなんでしょう。市長や議会が公権力を行使して、私企業の営業の自由を侵害しようとしている構図にしかみえないのですが…。

「大した権力ですね」というセリフは、多数派の支持さえ取りつければ私人の自由を侵害できるなどと考えている千葉市長自身に向けられるべきものです。

行政の介入を批判している人たちは、そのような権力に対抗しているだけで、自らは何の権力も行使していません。

そもそも権力とは何でしょうか。
ja.wikipedia.org
権力(けんりょく)とは一般にある主体が相手に望まない行動を強制する能力である[1]。
「強制」する能力、というのが重要なポイントです。

その能力を持っているのは政府や自治体であり、私人や私企業にそんな能力はありません。つまり権力とはすべて「公権力」のことです。「私権力」というものはありません。大企業や金持ちを権力者とみなして公権力と混同する人もいますが間違いです。

市長のような権力を行使する側にいる人間が、権力について無知なのは恐ろしいことだと思います。

2017年12月5日

早期リタイア後も資産のほとんどを株式ETFで保有する理由

プリウス51系さんのブログより。
最初にお断りしておきますが、私は他人の人生設計にイチャモンつける気は毛頭ありませんし、その方の人生がどうなろうが知ったことではありません。私より若くしてすでにセミリタイアをしている方々に対しては資産の大小問わず尊敬・敬愛しております。なぜこ
freedom3.asia
●ケースその1

年齢:40代(独身)
資産:2億円
年間生活費:100万~120万(超ドケチ)
(中略)
万が一、リーマンショック並みの大暴落が来れば、2億円の資産が3分の1になる可能性もゼロではありません。逆にアベノミクス並みの大相場になれば4億も可能ですが・・・
でもねぇ、2億でさえもはや意味の無い金額なのに4億になったところで何が変わるのか?
●ケースその2

年齢:40代(独身)
資産:2億円
年間生活費:300万~400万(推定)
(中略)
こんな恵まれている人ですが、やはりほとんどの資産を株式に投資しております。
ケース1の方ほど極端ではありませんが、2億円あればもう増やさなくても一生お金に困ることは無いのにです。

早期リタイアした人にもそれぞれ考えがあってのことなので、個別のケースについてのコメントは控えます。

彼らとは資産総額こそ違いますが、私もほとんどの資産を株式(ETF)で保有しているのは同じなので、このネタに便乗してその理由を整理しておきます。

「資産の時価がA円、年間生活費がC円とすると、あとA/C年分の生活費が賄えるはずだ」というルールは非常に簡便で、私も早期リタイアの判断基準としてこれを採用しました。

ただし、このルールには大事な前提があります。それは資産から得られるリターンが今後のインフレ率以上であること、言い換えれば資産の実質リターンが0%以上であることです。早期リタイア後の長い無職生活に備えるのに、インフレリスクを無視するわけにはいかないからです。

「現在の時価でA円の資産があれば一生お金に困ることは無い」とは言っても、もしその資産がインフレリスクを厚めに取る構成になっていれば、そうとも言えなくなってくると思うのですよ。もちろん、残りの人生の長さにもよりますが。たとえば全額を円定期預金で保有している場合など、インフレが進めばその購買力がいつのまにか半分になってしまうようなことも、歴史を振り返ればあり得ないことではありません。

つまり私がリタイア後も株式の保有を続けているのは、もっと資産を増やしたいという意図ではなく、インフレリスクをできるだけヘッジして資産の購買力を長期的に維持したい、という資産防衛の意図があってのことです。インフレヘッジのためのローコストな選択肢が今のところは株式インデックス以外に無いという消極的な理由なので、たとえば暗号通貨がもっと普及してその購買力が今よりずっと安定するような時代が来たら、そちらに乗り換えてもいいと思っています。

資産防衛するにしてもフルインベストメントする必要はなくて、7割程度でもよいのでは? という疑問は確かにその通りかもしれません。私の場合は、インフレ税の支払いが特別に許せないものであるという政府への私怨(笑)が、無リスク資産の必要以上の保有を全力で避ける動機になっています。

関連記事:
橘玲さんのツイートより。 インフレ税で財政赤字を処理するのは、経済学的には最適解なのでしょうが、外貨(Bitcoin)の保有などで富裕層はかんたんに回避できるので、経済格差をさらに広げることなると個人的には思います。 — 橘 玲 (@ak_tch) 2017年7月10日 天文学的...
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NightWalkerさんのブログより。 リスク資産比率はどの程度取るべきなの? - NightWalker's Investment Blog 前回のエントリーで、基本事項として、ローコスト投資、分散投資、 キャッシュポジシ... nightwalker.cocolog-nif...
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