2011年10月2日

『新・片づけ術「断捨離」』 やました ひでこ (著)



なかなかモノが捨てられない性格を何とかしなければと思って読んでみた本です。

そしてもっと突き詰めていくと、断捨離で「所有」という発想自体をことごとく打ち破っていきたいな、とさえ思うのです。これはちょっと過激な話に聞こえるかもしれませんが、何かのために備える必要はないんじゃないか、と。いつかそのうちというのは、それが訪れたそのときでいいわけだしと思うと、取っておこうという概念はなくなるんですよね。
いつか使うんじゃないかと思ってとりあえず取っておく、という考え方で暮らしていると、いつの間にか家中がそういうモノだらけになってたりします。(反省)

確かに、これだけモノが溢れかえっている豊かな時代なら、そういうモノは必要なときに必要な分だけ買うか借りるかすれば済む話で、何かのために備えるとすれば、所有すべきなのはお金(金融資産)だけで十分でしょう。金融資産は所有するための場所やコストがほとんどかからない例外的な存在ですから。

いかに私たちは、不安のためにお金を使って、不安のためにモノを取っておくか。これはいいとか悪いとかという問題ではなくて、人間というのはそういうものなんだなあ、と理解しておくと「では自分がどうしたいか」がクリアになってくると思います。生き方の問題ですね。
人間とはそういうもの、とは言え、やはり不安に駆り立てられただけの行動は慎むべきですね。今まで合理的なお金との付き合い方については色々学んできましたが、同じような考え方がモノとの付き合い方にも応用できそうだなと、今さらながら気付きました。

私は、究極的には、すべてのモノは神様と地球からの借り物だと思っています。
(中略)
所有とは結局、思い込みです。
この考え方は、小飼弾氏の『弾言』にも書いてありました。寿命が来たらすべて終わりですからね。
このように考えると、モノへの執着が空虚で無意味なことのように思えてきます。