2018年5月30日

インフレで格差を縮小して何か良いことある?

ツイッターより。

具体的な数字を挙げると、こういうことでしょうか?

1億円の現金を持っている金持ちと10万円の現金を持っている貧乏人がいるとします。マイルドなインフレが進行して、うん十年後に購買力が半分になりました。現在価値に換算して金持ちは5千万円、貧乏人は5万円を持っていることになり、9990万円あった格差は4995万円に縮小しました。めでたしめでたし。

言い換えると、インフレは金持ちの購買力を5千万円奪うのに、貧乏人の購買力は5万円しか奪わないので、格差縮小の手段として有効である。なるほど。

でもなんかおかしいと思いませんか? 貧乏人もインフレでさらに貧乏になるのですよ。自分が貧乏になろうが格差さえ縮めばそれでいい、みたいな感情はルサンチマンの典型であり、ずいぶん倒錯しているなあと、いつも思います。重要なのは格差の大小じゃないでしょう。他人との比較ではなく、自分が豊かになるかどうかです。

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ツイッターを眺めていたらこんなツイートが流れてきました。 死ぬほど嫌いな奴が億万長者になったら自分が100万円もらえる案件と、死ぬほど嫌いな奴が破産することによって自分も1000円程度損する案件の2択で、平気で前者を選べるのはある種のコミュ障だけだと思う。 — コ口吉 (@0i...
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それに、金持ちが1億円をすべて現金のままもっていることは稀でしょう。インフレ抵抗力のある資産に分散しているはずです。

それに対し、資産が10万円しかなく、毎日の支払いに追われる貧乏人には、インフレリスクを回避する事は難しいでしょう。

インフレで名目賃金が倍になるからいいというのも幻想で、実質賃金が上がらなければ税負担などが増えてより貧しくなっていきます。

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ツイッターを眺めていると、あるツイートが目に入ってきました。 「最低賃金800円でビッグマック370円な社会」よりも「最低賃金1500円でビッグマック700円な社会」のほうが相対的にかなりマシなのだ、というのをみんなが理解しない限り良くならないラジね。 — PsycheRadio...
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持っている資産が少なければ少ないほど、法定通貨の価値が目減りしていくインフレという現象が生活に与える打撃は大きくなることでしょう。貧乏人ほどインフレを恐れるというのは極めて合理的で正常な反応だと思います。

参考ツイート:

2018年5月25日

「迷惑」を基準に自由の範囲を決めることはできない

ツイッターより。

自由について述べる文脈で、「誰にも迷惑をかけなければいい」と言う人を確かによく見かけます。「原則自由だが例外的に特定の行為が制限される」という方向性は消極的自由の定義と同じで正しいのですが、一つ残念なのは、「迷惑」という概念が主観で決まる曖昧なものであるために、誰かの気分次第で自由の範囲がいくらでも変わってしまうことです。

デジタル大辞泉 - 迷惑の用語解説 - [名・形動](スル)1 ある行為がもとで、他の人が不利益を受けたり、不快を感じたりすること。また、そのさま。「人に迷惑をかける」「迷惑な話」「一人のために全員が迷惑する」2 どうしてよいか迷うこと。とまどうこと。「一生の間煩悩の...
kotobank.jp
① 人のしたことで不快になったり困ったりする・こと(さま)。 「 -をかける」 「他人の-になる」 「 -な話」 「君のために-する」
この定義に従えば、人のしたことで誰か一人でも不快になれば迷惑行為が出来上がります。プロ奢さんの例に当てはめると、他人の金で生きる奴の存在自体が俺は不快だ!と言う人が現れたら、プロ奢さんはその人に迷惑をかけたことになります。そういう意味では、彼のツイートにある「意図があろうが、なかろうが、人間は迷惑をかけて生きているのだよ。」は本当にその通りです。

しかしここで注意が必要なのは、「迷惑」をかけることは仕方がないとは言っても、数ある「迷惑」行為の中には、自由主義で禁じられている他者侵害(物理的強制)行為も含まれていることです。迷惑という言葉が侵害行為と非侵害行為の境界線を曖昧にしているのです。

どさくさ紛れに「迷惑をかけないで生きることは不可能なのだから、他者侵害したってかまわないだろう」みたいな主張をする人が出てきても、迷惑と侵害の違いを知らなければまんまと騙されてしまいます。

自由の範囲を規定するのはあくまでも侵害/非侵害の境界線であって、そこに「迷惑」という曖昧な概念を持ち込めば混乱するだけだと思います。

参考記事:

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寝太郎さんのブログで偶然見つけたので読んでみた本です。 アフィリエイト 2011年9月分|10万円で家を建てて生活する寝太郎のブログ アマゾンのレビューを見ると★5つがやたらと多いようですが、過大評価だと思います。 ウィキペディアにも書いてありますが、著者が非常にユニークな人物で...
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2018年5月20日

50歳は意外と若い?

NightWalkerさんのブログより。
50歳でアーリーリタイアというのは遅いと考えている若い人も多いですが、50歳くら...
nightwalker.cocolog-nifty.com

50歳リタイアがリーズナブルかどうか、というテーマについてはライフスタイルや生活コスト、貯蓄率などの諸条件によっていくらでも結論が変わってくると思うのでコメントするのは難しいですね。結局人それぞれではありますが、私の場合に限れば40歳での早期リタイアは、早すぎず遅すぎない絶妙のタイミングだったなあと、今のところは自画自賛しています。

一つ気になったのがここです。
その5 50歳は意外と若い
若いときには、これがわからないんだなあ。少なくとも、私はわかりませんでした。
50歳になって間もない私の感想を述べますと、50歳はもう若くはないですね。

中でも視力の衰えは堪えますね。40歳のときは裸眼で何でもできることが当たり前でしたが、今となっては老眼鏡なしではできないことが山ほどあります。老眼鏡をかけてやっと見えたとしても、昔裸眼で見たものより劣化しているのが悲しいです。

若いときの私がこのような老化現象を正確に予測できていたかというと、全くできていませんでした。ほんの10年ほど前まで、近くが見えなくなるってホンマかいな?みたいなノリで、まるで他人事でした。私の場合はむしろ、50歳でここまで老化するんだということを「意外」に思いました。

私が若いときにわからなかったのは、「現在当たり前のようにできていることがX歳になるとできなく(難しく)なる」ということですね。つまり、若いときの私は若さの価値を過小評価していたことになります。

若さを過小評価する傾向が未だに修正されていないとすれば、60歳になった私が過去を振り返って「50歳のときはまだあんなことができていたのか! 価値に気付いていなかったけどまだ若かったんだなあ」という感想を述べることはあるかもしれません。ブログを続けていれば、いずれわかるでしょう。

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当ブログ満8歳の誕生日を迎えました。 1年前の記事はこちら。 ブロク開設7周年 当ブログ満7歳の誕生日を迎えました。 総PVは7年かかってやっと100万を超えたところです。感謝。 人生の時間があと何年残っているかわかりませんが、ここまでは思い描いた通りの自由なリタイア生活を...
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namake_taio (@NamakeTaio) さんのツイートより。 無職クエストは預金残高をHPに見立てた自由度満載のゲーム。HP減りすぎると労働クエストというストレスまみれのクソゲーをHP回復まで強制されるので注意が必要だ。 — namake_taio (@Namake...
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2018年5月15日

『海外暮らし最強ナビ アジア編』 室橋 裕和 (編), 海外移住情報研究会 (編)



自己防衛おじさんが言い放った「日本脱出だよね~」に触発されて、最近はツイッターやフィードリーダーから海外生活情報を収集するアンテナの感度を上げています。

たまには本でも読んでみるかと思って借りてみたものの、本書はどちらかというと海外就職することを前提に書かれているようで、コレジャナイ感がありました。リタイア組としては労働許可とか就職事情とか全く興味がないもので…。おそらく、外こもりやノマドワークを目的に海外を目指す人たちも、同様の感想を持つのではないかと思います。

これだけで終わるのもなんですから、一箇所だけおかしなところを指摘しておきます。

p.026
必ずつくりたい国際キャッシュカード
(前略)
そこで、こうした国際キャッシュカードを駆使していく。使用料はいちいちかかるが、安心感は大きいといえる。
国際カードはいまや都市銀行やネット銀行のほか、さまざまな会社が発行している。競争が激しくサービス合戦になっているので、どれが自分に合っているのか調べてみよう。

クレジットカードも必須
クレカは、いざというときにキャッシングに使えるし、(中略)ショッピングに使える。
国際キャッシュカードをメインに使い、クレカのキャッシングは「いざというとき」に使うもの、という優先順位で説明していますが、逆です。両者のコストには大きな差があり(ざっと10倍~20倍)、国際キャッシュカードを使えば使うほど損をすることになります。国際キャッシュカードが「競争が激しくサービス合戦になっている」というのも事実とは異なり、手数料は高止まりしているのが現実です。

クレジットカードの海外キャッシング枠が十分にあるなら、国際キャッシュカードを持つ必要さえないと思われます。クレジットカードを2枚持っておけば十分でしょう。

アフィリエイト目的のブログなど、いまだに国際キャッシュカードを熱心に推奨するものがグーグル検索で上位に出てきたりしますが、うっかり信じてしまうとカモにされるので気をつけましょう。

参考記事:
海外ATMの外貨引出しで一番お得なカードはどれ?海外在住経験7年の管理人のむてつが、両替手数料や手間などを徹底比較。
www.card-user.net

2018年5月10日

物価が安いことをdisる人たち

ツイッターより。

ある国の物価が高いと感じるか安いと感じるかは人によって違うとは言え、アメリカみたいなインフレの国が普通でデフレの日本は異常だとか、物価が安い国は貧乏だとかいう評価には強烈な違和感があります。

同じ品質の物をアメリカで買うより日本で買う方が安いんだったら、日本で買う方がいいに決まってませんか? たとえばアメリカのワンルームアパートの家賃が30万円だと知っても、彼らの方が豊かで羨ましいと思うのでしょうか。私は全く逆に、貧しくて悲惨だなあと思いますけど…。貧しさの象徴であるホームレスがアメリカで大量発生するのも当然でしょうし、そこまで最底辺ではないアメリカ庶民の家計もインフレ税に蝕まれて火の車になっていることでしょう。

参考記事:
市場原理に照らしても、その商品が豊富に供給されているからこそ価格が下がっているわけで。日本語では物が欠乏しがちであることを「貧乏」と言い、物が潤沢にあることを「豊か」と言うのではなかったでしたっけ?

日本の物価安い安い言う人の「海外」とか「世界水準」って、ほぼ先進国しか含まれないみたいで、ずいぶん偏っている印象です。実際はその他多くの国々も含めて海外であり世界なのに…。まるで、先進国の株式しか保有しない偏ったポートフォリオで国際分散投資を語っているようなものです。

先進国以外にも観測範囲を広げれば、世界の中で日本の物価は決して安くはないことがはっきりわかりますよ。

参考ツイート:
関連記事:
Midori Fujisawaさんのツイートより。 1年に1度しか帰国しない半端な日本人から見ると、帰国のたびに不思議の国日本度が増している。とても美味しい食事や行き届いたサービスが、なぜこんなに安いのか。この価格破壊は短期滞在者以外の誰も幸福にしない。価値に見合う金銭的評価を得...
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2018年5月5日

Abema TV でプロ奢ラレヤーさんを見た

私もツイッターでフォローしているプロ奢ラレヤー(@taichinakaj)さんが出演していると聞いて、5月3日放送のアベマプライムという番組を見てみました。本編動画は埋め込みできないようなので、とりあえず公式ツイッターに出ていた予告編を貼っておきます。


本編もユーチューブにアップされてたので貼ります。



あらためて、彼の生き方はユニークで面白いと感じました。

自分が21歳に戻ったとして奢られる生き方を真似するか?と聞かれれば、たぶんしないと思いますけどね。多くの「常識人」たちが思いつきもしないようなアイデアを実行している人がいると知って目から鱗が落ちる感覚が好きなんです。初めてBライフを知ったときの感覚もこれでした。色んな人の生き方を知るのは視野が広がっていいものだなと思います。

関連記事:
Bライフ研究所 が書籍化されたものらしいのですが、このサイトはあまり読んでいなかった私にとっては、非常に新鮮な内容でした。 著者の毎月の生活費は2万円程度。 Bライフ研究所 ≫ お財布 に内訳が書かれています。 年に25万円も稼げば、最低限生きていける。 生活コストを下げるといっ...
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この番組への反響としては、元アイドルでフリーアナウンサーの柴田阿弥さんが泣いている場面のキャプチャーがツイッターを賑わせています。まるでプロ奢氏が泣かせたみたいな絵面になってますが、この場面のやり取りはこんな感じでした。

ふかわ「今は21歳だからキラキラしている印象だけど、55歳で今の感じだとちょっと見え方が違うかも…?」

プロ「将来のことですか? 会社と同じですよね。会社だってずっと同じことしてたらお金稼げないので、どっかでイノベーティブなことしないといけないじゃないですか。僕まだ21なんでぜんぜん初期段階ですよね」

柴田「将来はどうしようかなって思ってます?」

プロ「将来とか考えてないですね、どうでもいいんで。たぶん死ぬでしょうどっかで。」

柴田「…」(下向いて笑いながら泣き始める)

ふかわ「ちょっと、阿弥ちゃん用にサンドバッグ用意してもらっていいですか~?」
このあと、柴田さんが奢り奢られについての自分の(芸能界の?)価値観を語り始めて、そういうのがきっとウザいんだろうな~、みたいな被害妄想を開陳してました。べつにウザくないですよと即否定されてましたけど。誰かに泣かされたわけじゃないのに涙が自然に溢れてくるなんて、ある意味彼女もユニークな人なのかもしれません。

最後に番組全体の感想ですが、コメンテイターの人数多すぎでは? 4人も要らんでしょう。常に誰かしら何か言っているのですが、内容的にも被ってたりどうでもいいことだったりで、肝心のプロ奢氏が話している時間が短すぎて残念でした。番組中にこういうツイートが出てくるのも無理はないでしょう。
あと、途中でベーシックインカムハウスの話を挟んでいましたが、あれはあれで面白いので別枠で詳しく取り上げてほしかったですね。

参考記事:
こんにちは。 奢りたがりのきたしょー(@KitamuraShohei)です。 プロ奢ラレヤーという方を知ってますか? 他人のお金で生活をするという耳を疑うような人物がこの世に存在するんです。 ぼくはずっと気になっていました。
kitashooo.com
プロ奢ラレヤー。他人に奢ってもらって飯を食う。宿も用意してもらう。特にリターンはありません。あなたはこの生き方を許容できますかな?
hr-diary.com