2011年11月10日

『貧乏人の逆襲!―タダで生きる方法』 松本 哉 (著)



寝太郎さんのブログで偶然見つけたので読んでみた本です。
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アマゾンのレビューを見ると★5つがやたらと多いようですが、過大評価だと思います。

ウィキペディアにも書いてありますが、著者が非常にユニークな人物であることは本書の冒頭を読むだけでわかります。
松本哉 - Wikipedia
松本 哉(まつもと はじめ、1974年10月17日- )は日本の「左翼」活動家[1]、古物商である。東京都杉並区高円寺でリサイクルショップ「素人の乱」を経営[2]しながら、任意団体「貧乏人大反乱集団」の主宰者[3]として活動を行っている。


実際に「タダで生きる」のは無理だとしても、いかに安く生きるかを追求していくと、こんな方法もあるのかという気付きをもたらす点では面白い本でした。

勝てない競争に参加するよりも、もっと自由に、好き勝手に生きればいいじゃないかという方向性についても同意します。

しかしながら、本書で紹介されているノウハウの中には、明らかに一線を超えてしまっているものがあり、すべてを台無しにしている印象です。

たとえば、食い逃げをする、他人の服を窃取する、キセルをするのは、相手の意思に反して金品を収奪する行為です。相手がどんなに金持ちであっても、このような行為は正当化できません。

そのような行為を正当化してしまうのは、金持ちや大企業を敵視する貧乏人特有の歪んだ感情(ルサンチマン)が原因と思われます。
ルサンチマン - Wikipedia
ルサンチマン(仏: ressentiment)とは、主に強者に対しての、弱い者の憤りや怨恨、憎悪、非難の感情をいう。


端的に表現すれば、「貧乏人は弱者だから、強者である金持ちからは金を毟り取ってもかまわない」という思想が根底にあり、本書に出てくる彼の行動のすべてがそれに基づいているように見えてしまいます。

自由に生きることを願う人が、自分が敵とみなした相手の自由は認めないなんて、これほど矛盾した考え方はないと思います。

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