2011年11月29日

『やりくり上手な賢い夫婦、お金が残らない残念な夫婦 ~なぜ、夫婦で年収800万でもお金が足りなくなるのか?』 中桐 啓貴 (著)  その2



昨日の記事の続きです。

2 不動産投資で一番大切なこと
(中略)
インカムゲインを重視し、極端なキャピタルゲインは望まないことが賢い不動産投資の秘訣です。
まあこれは当たり前というか、土地はともかく建物は時間の経過と共に減価していきますから、キャピタルゲインよりもむしろキャピタルロスが発生するものとして利回りを計算すべきですね。

投資対象が何であれ、
リターン=インカムゲイン+キャピタルゲイン-コスト
という式は共通であり、右辺の3つの要素すべてがリターンを左右します。
どれか1つを重視するのではなく、トータルで考えるという視点が重要だと思います。

3 不動産投資の2つのリスク
(中略)
不動産投資のリスクは主に「空室リスク」、「金利上昇リスク」の2つです。
何の前置きもなしに「金利上昇リスク」が出てきましたが、「ローンで」不動産投資をするという前提になっているようです。しかも変動金利で!
リスク分散の観点から、非常に問題のある投資行動だと思います。

不動産投資には他にも、流動性リスク、災害リスク、家賃滞納リスクなどの重要なリスクがありますが、本書では見事に抜け落ちています。

先ほどの事例のように、物件からの収入がローン支払いを上回っている状態は、投資をするにはいい環境だと思います。
???
いい環境もなにも、その状態が当たり前なんであって、収入がすべてローン支払いに消えてしまう状態ならリターンはマイナスになるじゃないですか…。

こんなことを書くのは一体どんなFPなんだ?と思って調べてみたら、この著者の本を読んだのは二冊目だと気付きました。2年前に読んだのがこの本。
「隠れたお金持ちの法則」と呼ぶのはどうも大げさな気がするので、(長期)投資家としての心構えとでも理解しましょうか。次の10か条を挙げています。 「100万円落ちていますよ」と人から言われても決して拾おうとしない 分散投資によってリスクを想定内にしておくことで、夜はゆっくり眠る ど...
yumin4.blogspot.com
こちらはかなりまともな本だったと思うのですが、今回のはまるで別人のようにツッコミどころの多い内容になっているのが残念です。

(つづく?)

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