2019年6月30日

中央集権型金融のリスク

ツイッターより。

私は「金利生活」それ自体がナンセンスだと思っている人(早期リタイア界隈では少数派)なので、高金利通貨で資産運用しようと考えたこともありませんが、インカムゲインが大好物な人たちにとってベトナムの定期預金は魅力的だったことでしょう。

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それにしても、比較的規制が緩く、外国人の銀行口座開設のハードルも低かったベトナムの金融当局が、こんな形で規制強化してくるとは意外でした。何らかの外圧がかかった結果かもしれません。

多くの外国人顧客を抱えている銀行にとっても今回の規制強化は迷惑な話でしょう。定期預金を組もうとする外国人にいちいちビザを提出させて有効期限を確認する事務コストが増えてしまいますから。今までは人の手を介さずにネット上で完結していたからこそ実現できていた低コスト運用であり、それが高金利の源泉だったはずで、こんなのいったい誰得な規制なんだろうという感想しか出てこないですね。

どんなに規制の緩い国であっても、銀行を筆頭とする既存の金融機関が中央集権型(Centralized)の仕組みであることに変わりはなく、今回のように規制当局の鶴の一声であっさりと改悪されるリスクは避けられません。

このようなリスクに敏感な人たちは、分散型金融(Decentralized Finance)へのシフトを進めているようです。たとえば、既にブロックチェーン上で暗号通貨の貸し借りができる直接金融システムが普通に稼働しています。初めてこれを知ったときは驚きました。こういうのが本格的に普及し始めたとき、銀行に残された仕事ってなに?状態になるのではないかと。

分散型金融の利点は政府による規制が難しいことです。絶対に不可能とまでは言い切れませんが、ブロックチェーン自体がサイバー空間上に分散しているものなので、規制するにはインターネットそのものを禁止するぐらいの勢いでやる必要があります。

従来の海外取引所であれば中央集権型で運営主体も明確だったため、金融庁お得意の「警告」を送りつけて脅して日本人顧客を排除させることもできましたが、分散型金融ではそもそも警告の送り先が不明なことも多く、口先介入も難しいでしょう。素晴らしいことです。

参考動画:


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2019年6月25日

バグだらけの社会制度の中で安心して暮らせる?

ツイッターより。

確かに今まではそうでした。

たとえば年金制度のバグは強烈で、今の60代以上の人たちは、ただ制度に乗っかっているだけで労せずして自分が負担した以上の給付を受けることができます。持続可能性を考えたらそんなに大盤振る舞いできるわけがないのに、もともと人口が増え続ける前提で設計された制度がほぼそのまま残っているからです。

確かに今までの年金受給者たちは「幸運」かもしれません。しかしその幸運は、後続世代の「不運」の上に成り立っている、政府による人為的な差別によるもので、社会の豊かさとは関係ありません。


概ね同意。

多くの人がバグを利用できないのは善人すぎるからではなく、単に無知であるのと、知ってたとしてもバグを利用するには多大なトレードオフを伴い、自分のライフプランに適合しないからじゃないですかね。

以前の橘氏なら、まだ多くの人が知らないバグを広く知らしめることによってそのバグが修正される方向へ追い込めると考え、実行していたと記憶していますが、最近はどうも、(知らない人を養分にして)知っている人だけが得をすればいいじゃん的なスタンスに変節してしまった感がありますね。

それならそれでべつに構いませんが、ほんと奪い合いのゼロサム・ゲームを推奨しているだけなので、特に若者にとっては夢も希望も無い話に聞こえるんじゃないですか。日本というバグだらけのシステムの中に留まる限り今後も奪われ続けるだけの人生が待っている、と言ってるようなものですから。

奪い合いによって豊かになろうと考える人が溢れる社会では、いつなんどき自分の資産が奪われるかわかりませんから、「安心して暮らす」ことなど不可能だと思います。それよりも、何かを生産して交換しあうことによって豊かになろうと考える人が溢れる社会のほうが、遥かに希望に満ちていて安心して暮らせるのではないでしょうか。

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2019年6月20日

日本の金融機関窓口では事実上の預金封鎖が行われている

読売新聞オンラインより。
 特殊詐欺の対策で出動した際の情報を悪用し、高齢男性から1180万円をだまし取ったとして、京都府警は15日、山科署地域課巡査長の高橋龍嗣容疑者(38)(京都市中京区)を詐欺容疑で逮捕した。高橋容疑者は、「男性が多額の出金
www.yomiuri.co.jp

このニュースでは一人の警察官が働いた悪事にばかり注目が集まっていますが、私が驚いたのはこっちです。
昨年11月8日、京都市内の金融機関から「男性が680万円を引き出そうとしている」と伏見署に通報があり、高橋容疑者は上司の巡査部長と2人で出動し、男性から現金を必要とする理由などを聞き取った。男性はだまされていたわけではなかったが、出金を思いとどまらせ、上司と自宅まで送り届けた。
金融機関と警察の見事な連携プレー()により、何の罪もない市民が公権力の介入を受けて自分の金を引き出すのを阻止された、という事実が淡々と書かれています。明白な財産権やプライバシーの侵害であるにもかかわらずマスメディアは完全スルーしているし、ネット上でも私の観測範囲にはこの点を取り上げるコメントは皆無でした。

金融機関に預けてある自分のお金を引き出そうとしただけで、公権力が介入してきて根掘り葉掘り理由を聞き取られた挙げ句、思いとどまらされるようなシステムが動いているなんて、恐ろしいことです。それって事実上の預金封鎖システムでは?

ほかにも、日本の銀行では預金者本人の同意無く出金限度額や送金限度額を定めることが平然と行われています。たとえばゆうちょ銀行の場合、ATMで出金できるのは1日50万円までになっていて(一体いつから?)、この上限を変えるには窓口での手続きが必要です。

窓口を使うから余計な詮索を受けるのであって、ATMを使えばよかろう、と思っても、そのATMにもいつの間にかこのような制限がかかっているので、今回の被害者のようなケースでは窓口へ行かざるを得ないように仕組まれているのです。

このように利用者保護という大義名分のもとで、国民(特に老人)の預金をがっちりと囲い込んで簡単には逃がさないようにする仕組みが巧妙に作り込まれています。さすがは天下の金融庁様が手取り足取り「指導」されているだけのことはありますね。

多くの国民がこの現実に問題意識を持たないままハイパーインフレになったとしたら、大惨事になりそうな気がします。気付いた人から順番に対策を講じておくに越したことはありません。私が老親のゆうちょ銀行のお金をソニー銀行に移させたのも、対策の一つです。

参考ツイート:

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いまだにゆうちょ銀行をメインバンクに使っている母親のために、新しくネット銀行に口座開設するのを手伝ったときの話です。 普通預金でも条件を満たすと定期預金並みの金利になるイオン銀行が第一候補でした。ところが、本人確認書類の要件がやたら厳格で、写真付きのIDを持っていない母は健康...
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2019年6月15日

イケハヤ氏の【仮想通貨・ブロックチェーン学部】動画が分かりやすい

イケダハヤト氏と言えばネットでは相当な有名人で信者も多いようですが、かなり以前に彼のブログを見ても特に響くところはなく、彼の発する情報は今まで完全にスルーしていました。

ところが、最近ブロックチェーンや暗号通貨の技術動向を調べ出したタイミングで初めて彼の動画を見たところ、これが意外に良いものでした。



最新の技術分野なので日本語の情報がまだ非常に少ない中で、主に英語の情報ソースを元に日本語で噛み砕いた解説をしてくれるので、たいへん分かりやすいと思いました。やや早口ですが、喋り方も上手ですね。

このイケハヤ大学【仮想通貨・ブロックチェーン学部】チャンネルの動画はほとんど全部見ましたが、その多くが私にとって有益でした。まだ知らなかった多くの知識が得られたし、既知の情報についても間違いではないことが確認できましたので。

特におすすめなのはステーブルコイン、DeFi、Web3.0あたりかな。既存の銀行や証券会社がオワコンになると言われたり、GAFAのような巨大企業でさえ安泰とは言えない理由が見えてくるはずです。

有名人の割にはまだチャンネル登録者数がたったの1000余り、各動画の再生回数も少ないのが意外すぎます。大元の「イケハヤ大学」チャンネルの方は登録者数が4.6万人もいるのに…。たとえば「若くして自力で富裕層になった人の共通点」とかいう動画が11万回以上再生されていますけど、そんなどこにでもある自己啓発セミナーみたいな情報よりも、【仮想通貨・ブロックチェーン学部】の動画の方がよっぽど有益だと思いますよ。
知識を武器に、稼ぐ力を身に付けろ! 音声だけで理解できるビジネスパーソン向けの講座を提供しています。
www.youtube.com


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ツイッターより。 自動運転が普及すると、鉄道会社の売上も下がるはず。 世の中には大量の車がありますが、その大半は使われていません。そして、駐車場というスペースだけを無駄遣いしてます。自動運転なら、全自動車の稼働率を上げれるので、言わずもがな、満員電車よりも、みなさん自動運転での...
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2019年6月10日

パターナリズムの危険性

よよよさんのブログより。
こんにちは、社会派ブロガーです 【年金返せデモ 告知】日時: 6月16日(日)場所: 日比谷公園 14時出発(集合・コース詳細は近日)5月22日に金融庁審議会で出された、少子高齢化や非正規雇用の増加で政治の年金支給が困難となり、将来的に国民に自助を求める報告書案に反対したいと思います。#0616年金返せデモ #0616年金払えデモ pic.twitter.com/aU7UTiuNPl— payitup2019 (@payitupdemo) May 30, 2019 最近は「年金に頼らず自助努力して欲しい」と国が言ったとかで、デモが起きるほど年金への不満が高まっているらしい…
jinseiyoyoyo.hatenablog.com
「自助努力して欲しいなら年金の強制徴収をやめろ!年金や税金の支払いがキツくて貯金できないんだよ!」
というものがあったが、年金払うと自助努力が無理というぐらいの身分ならなおさら年金は払ったほうが良くないか?
私は前者の方が至極真っ当な意見だと思いますが、後者が正しいと思う人もいるでしょう。人それぞれです。

ここで大事なのは、それを判断するのは本人であって他人ではないということです。どういう「身分」の人間であろうと関係ありません。

年金返せ!と言うほど切羽詰まってるなら年金返ってきても手元にあったら使っちゃう人だろ

そんな人達が年金もなく老後を迎えるほうが問題だよ なおさら強制徴収で正解
このような、本人のためになるのだから本人の意思に反していても強制すべき、という思想を「パターナリズム」と言います。

参考記事:

政府のパターナリズムに従順な生き方をしている人の口からではなく、よよよさんのようにセミリタイアという自由な生き方を選んだ人の口から、こうもナチュラルに「強制徴収で正解」なんて言葉が出てくるとは思いませんでした。非常に不思議かつ残念なことだと思います。自分の自由を侵害されたくなかったら他人の自由も侵害してはいけない、という考え方は、誰もが納得できる大原則だと思っていたのですがね…。

「自分の自由を侵害することは許さないが、他人の自由は侵害してもよい」というのは筋が通りません。もちろんこの文脈での自由とは消極的自由のことなので、自分の自由と他人の自由は衝突せずに両立します。

「他人の自由を侵害してもよい」は「自分の自由が侵害されてもよい」と等価であることに、なぜ気付かないのでしょうか。

今回はたまたま、公的年金への加入が自分の意思と一致していたから強制されても害が無かっただけのことで、そういう自分本位な基準で政府による強制を支持するようなマネをしていると、マイノリティーの自由は奪われ、じわじわと自分の首も締まっていくことになりますよ。セミリタイアとかいう生き方なんて禁止してもマジョリティーには関係無いので特に危険ですね。自分の自由が奪われる段階になってからやっと気付いても、もう遅いのです。

参考ツイート:

関連記事:
寝太郎さんのブログで偶然見つけたので読んでみた本です。 アフィリエイト 2011年9月分|10万円で家を建てて生活する寝太郎のブログ アマゾンのレビューを見ると★5つがやたらと多いようですが、過大評価だと思います。 ウィキペディアにも書いてありますが、著者が非常にユニークな人物で...
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2019年6月3日

ブログ開設11周年

旧ブログ開設から丸11年になりました。

特に近況報告的なネタも無いので過去のX周年記事を読み直してみたのですが、なぜか4周年記事だけ無いことに気付きました。意識的に書かないことを選んだのではなく、おそらく書くのを忘れていたのだと思います。

その2012年は年間でもわずか13記事しか投稿していないという、当ブログ史上モチベーションが最低の年だったようです。しかも2010年~2012年は3年連続で年末の資産残高集計記事も書いていません。リーマン・ショックで激減した資産総額がなかなか回復せず、精神的に落ち込んでいたのかもしれませんが、今となっては記憶がありません。備忘録ならそういう時期こそ正直な心境を書き残しておくべきだったと、今更ながら後悔しています。

そして、2年ぶりに書いた5周年記事がこれ。
当ブログ5歳の誕生日を迎えました。 5年間の総PVは65万。 2年前 は36.5万PVだったので、2年間で28.5万PV増えました。3年目よりはややペースが落ちていますが、2年間で41本しか記事を書いていないのでこんなものでしょう。 2年前のコピペになりますが、たくさんの訪問と、...
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今後も次々と新しいブログが誕生してくるかと思いますが、当ブログは知る人ぞ知る古株のリタイアブログとして、さらに5年、10年、20年と、細く長く続けていければと思っています。
うんうん、それでいいのですよ。良いこと書いてます。(自画自賛)

この記事に書いた通り「さらに5年」は既に達成しました。今後もできるだけ長く、自由にブログを書き続けたいと思います。

1年前の記事:
旧ブログを開設してから丸10年になりました。我ながらよくこんなに続いたものだと思います。 ここまでの記事総数は、この記事を含めて603。年平均60。月平均5。 このくらいのペースが私には限界かなと思います。 ほぼ毎日更新されているリタイアブロガーの方もいますが、何もしな...
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