「TPPコメ輸入拡大どこまで?意外な「国民負担」も」 News i - TBSの動画ニュースサイト:
今回の協議で、アメリカはこれにさらに17万5000トン分の新たな枠を設けろと要求しています。しかし、日本は5万トンが限界だと主張しています。この手のニュースを見る度に気になるのは、「アメリカは~、日本は~」と国家対国家の利害対立という偏狭な視点で報道していること。
アメリカvs日本、それぞれの「国益」を賭けた闘い。頑張れ甘利さん!
TPPがこんなプロレス会場のように見えてしまっている人、見事に問題の核心から目を逸らされてます。
案の定、ツイッターを覗いてみると、このニュースに頓珍漢な反応を示す人が散見されます。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2473796.html - Twitter検索
元記事に戻ります。
この、せめぎ合いがある中で、新たな枠を10万トン未満で収めようとするのが日本政府の考えです。しかし、コメの輸入を増やす際、実は国民に大きな負担がのしかかってくるのです。このように、輸入拡大が国民の不利益の原因になるかのような書き方も、ひどくミスリーディングだと思います。
アメリカ産のコメの輸入が仮に5万トン増えると、政府は、同じ5万トン分を市場から「備蓄米」として買い入れることで価格の下落を防ごうと検討しています。ただ、古くなった「備蓄米」は、豚のエサなどに回されるため、政府が買い入れた時よりも価格が下がります。その差額による損失は、年間で100億円を超えるとも言われ、税金を使って国民の負担となる可能性があるのです。こう書かれている通り、勝手に市場に介入してきて価格を吊り上げておきながら、そのコストをすべて国民に負担させようとしている張本人は、日本国政府以外の何者でもありません。
政府がこんな余計なことさえしなければ、年間100億円のコストを誰も払う必要がないばかりか、輸入拡大によってコメの価格が下がり、消費者たる国民にはむしろ多大な利益をもたらすはずなのに…。
TPPの対立軸は、国家対国家ではなく生産者対消費者です。TPPでアメリカという国家が突きつけている要求は、日本の生産者の不利益になる反面、日本の消費者の利益になるということを、マスメディアが正しく伝えようとしないのは非常に残念なことだと思います。
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