2018年8月20日

ガイアの夜明け 「巨大“規制”に挑む!」〜バターの闇 新たな戦い〜


グーグルで動画検索すると出てきたので見てみました。

農協系団体を通じた生乳流通システムのおかしさを暴き、公権力を利用して競争相手を排除し既得権益を守ろうとする連中の存在を知らしめたのは良かったと思います。

ただ、「巨大“規制”に挑む!」という楽しみなタイトルが付いている割には、黒幕である農水省がどんな巨大規制で既得権益保護を主導しているかについては全く暴いていないので、がっかりしました。

番組では農水大臣が冒頭に一瞬(「バター不足は発生していない」みたいな寝言を言うシーンで)登場するだけです。あとは主に農協系団体(ホクレンなど)を悪玉扱いしているのですが、彼らはあくまでも生乳流通を独占する権利を合法的に行使しているだけなんですよね。

そもそも政府が認可した「指定団体」以外が流通に参入できないような制度(規制)自体がおかしいのに、そういう視点からの指摘は皆無。逆に「国のお墨付きがあるならMMJに卸したい」みたいなことを言い出した生産者を登場させて、政府の介入を肯定している様子でした。

バター不足の原因は高関税によるバター輸入の実質禁止であって、まずはその障壁を取り除くことが何よりの優先事項のはずです。旧ソ連みたいな国家独占貿易システムを温存したままでは、仮に国内の生乳流通問題が解決したところで、バター問題にとっては焼け石に水ではないかと。

副題にある「バターの闇」に切り込んでいくのであれば、取材すべきは国内の流通問題じゃないでしょうね。本当の闇である国家独占貿易の仕組みと、そのために存在する利権団体「農畜産業振興機構」の方を取材すべきだったと思います。

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