2019年1月10日

「破局的な少子化」という煽り文句の先にあるもの

シロクマさんのブログより。
今の20歳が40歳の半分しかいないって本当にいい話だと思う。戦争でもあったのかな?— 🦀カニカニカーニバル🦀 (@yu1096) 2018年11月7日 たぶん、このツイートはブラックジョークのつもりで書かれたものだろうが、私には冗談にみえなかった。 …
p-shirokuma.hatenadiary.com
「たくさん死ぬ」も破局だが「ぜんぜん生まれてこない」も破局
破局」とは、ウィキペディアによると「事態が健常な状態を維持することが不可能になり滅するという形で終焉を迎えるということ」です。

たとえば戦争で人が「たくさん死ぬ」と、その国は終焉を迎えましたか? 敗戦国の政府が終焉を迎えても、社会を構成する人たちの日々の暮らしは脈々と続いてきたのではありませんか? 例によって、社会と国家(政府)という別の概念を同一視しているのではないでしょうか。

あと「ぜんぜん生まれてこない」なんて現象は人類史上一度も無くてですね、現在各国で進行中の少子化とは「大人の数が多い割には生まれてくる子供の数が少ない」だけのことです。あくまでも相対的な比率の減少であって、日本の場合は明治時代あたりと同じぐらいに子供の数が戻っただけでしょう。

このように、表現が大袈裟で正確さに欠ける点が非常に引っかかりました。

今日の医療や社会福祉、そのほかのインフラは、生産人口の急激な減少を前提につくられてはいない。
その通りです。
つまり、少子化の進行によって「破局」するのは、負担者の数が減ると持続できないような「制度」の部分に限った話です。そもそもそんな制度など無ければ、あるいは制度自体は有ったとしても賦課方式のような最悪の設計の代わりに人口変動に中立な設計を採用していたら、少子化や人口減少に右往左往する必要はどこにも無かったことになります。 

つまり、よほど革命的な改革ができない限りは、日本も含めた東アジアの国々は社会的再生産ができない=社会としては終わっていく。
いえ、たとえ制度や国家が終わることがあっても、社会は終わりませんよ。そこを混同すると、破局を避けるための「革命的な改革」を大義名分に国家主義、全体主義へと突き進むことになりかねません。現にそうなっていて、個人の領域への政治の介入が止まらなくなったのが日本だと思います。

参考ツイート:

関連記事:
AKIさんのブログより。 やっぱり「子供は負債」だろ : 成長株で億万長者 先日書いたお金持ちになりたいなら子供は作るな!がツイッター上を賑わせてしまったようです。どうも皆さんが「子供は負債」という言葉に激しく反応したようです。確かに、子供は負債とは書きましたが、そこは重要なとこ...
yumin4.blogspot.com
先日ツイッターでコメントしたこの記事について。 病名は「超少子化」ではなく「社会保障依存症」が正しい。誤診に基づく処方箋は逆効果。制度の破綻は社会の破綻ではない。 “日本は、死に至る病にかかっている。超少子化だ。” 【参院選】日本はじんわりと滅ぶのか 「超少子化」という死に...
yumin4.blogspot.com
マネーボイスの記事より。 衰退国家の日本で最後に生き残るのは「一握りの投資家」だけと知れ=鈴木傾城 | マネーボイス 日本は手遅れだ。どんな名政治家が出てきても、どんな提言が為されても、どんな少子化対策が実行されても「遅すぎる」ということに気付かなければならない。 www.mag...
yumin4.blogspot.com
以前からハイパーインフレのリスクに警鐘を鳴らし続けている藤巻健史氏のツイートより。 中央銀行は不可欠なインフラですから新しい中央銀行が創設されます。ただ日銀の負債(円)は無効になります。新銀行設立は戦後のドイツもそうですが、貨幣と中央銀行の信用の再建のためで日本再生の方法です。...
yumin4.blogspot.com

0 件のコメント:

コメントを投稿