週刊現代8月11日号の連載「それがどうした」で、伊集院静氏はこう綴っている。 〈小 - Yahoo!ニュース(現代ビジネス)
予約しても1~2時間待たされることはザラにある。そう、世間一般のビジネスが資本主義の常識で動いているのに対して、病院を支配しているのは社会主義の常識ですからね。それはもう異次元空間に迷い込んだように感じるのが当たり前ではないかと。
やっと診察室に辿り着いたと思ったら、わずか2~3分で診察は終了。会計でまた長時間待たされる……。そんな状況に多くの患者はイライラしている。
だが、少しでも文句を言おうものなら「モンスター患者」扱いを受け、まともな診療すら受けられない。およそ世間一般の常識とはかけ離れた価値観が支配する空間――それが病院なのだ。
そういう当然の因果関係を正しく理解していないから、個々の病院や医師、看護師らを責めるような記事を書いてしまうのでしょう。病院側も患者と同じく、国民皆保険制度に巻き込まれてしまった被害者だとは考えられないんですかね。サービスの質を高めてもっと高い代金を得ようと思っても、政府の規制によってそれができないのですから。
ツイッターの反応を見ると99%は伊集院氏への批判コメントですが、批判の内容を見ると上記のような視点のものは非常に少なく、的外れなものがほとんどです。特に「気軽に医者にかかれるのは国民皆保険制度のお陰なのにお前という奴は~」的な論調のものも多くてうんざりします。いやいや、その制度こそが問題の原因そのものですから。
ファミレスの子連れクレーマーは賛否両論だったのに対し、おっさんクレーマーだと全く賛同が得られないというのも興味深い現象です。しかもこの人の場合は院長を呼びつけて詰問したわけでもなく、病院での嫌な体験をあとから記事にしただけなので、そもそもクレーマーですらないんですけどね…。
参考記事:
パンの料金は様々だ。同じメロンパンでも、材料が違う、製法が違う、作ってから売るまでの時間が違う、場所代が違う、買いに来る客層が違う…といった背景を反映して、50円のメロンパンがある一方で500円のメロンパンもある。当たり前だが店ごとに値段が違う。ところが、社会保障制度では、「何のサービスを提供したか」という形式的な観点で料金が決まる。...
関連記事:
netgeekさんの記事より。 【炎上】堀江貴文が保育士資格廃止・自由競争化を提案して賛否両論が巻き荒れる結果に 保育士の数が圧倒的に足りておらず、需要に対して供給が追いついていない問題について、ホリエモンこと堀江貴文氏が斬… netgeek.biz 保育士の数が圧倒的に足りて...
「保育園落ちた日本死ね!!!」に思うこと の続きです。今回は経済学の切り口から。 こういう「弱者が困窮している」系のストーリーを見たときに出てくる典型的な反応として、「政府が何とかしろ」というのがあります。しかし、保育園問題に関して言えば、自由主義経済下で市場原理に委ねていれ...
p.188 介護事業所に支払われる介護報酬が約3%引き下げになるそうで、ただでさえ介護者たちは労働に見合わない薄給で働いているのに、さらに給料が減らされる可能性がある、という内容でした。 あのー、介護って実際はほんとに重労働なんですけど、介護に対する社会の評価ってそんな...
0 件のコメント:
コメントを投稿