一方で、アーリーリタイアを目指しているような人にとってはインデックス投資は適さないでしょう。結論から言うと、インデックス投資自体は資産形成の王道であり、早期リタイアを目指す人が資産形成する手段としても最適です。
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アーリーリタイアを考えるうえで最も重要になるのは、毎月の安定したキャッシュフローです。これもよくある誤解で、「毎月の安定したキャッシュフロー」なるものは早期リタイアの必須条件ではありません。
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仮に手元に5,000万円のキャッシュがあったとしても、それが毎月安定したキャッシュフローを生み出さなければ、安心して生活ができません。「インデックス投資では厳しい」という論旨のはずが、5,000万円を「キャッシュ」で持っている前提で比較されている理由がわかりませんので、「5,000万円のインデックスファンド」と読み替えさせていただきます。
毎月のキャッシュフローがなくては「安心」できないというのはあくまでも個人のメンタルの問題であって、5,000万円のインデックスファンドを売却しながら一生分の生活費を賄えるのであればフィジカルの問題ではありません。
この切り分けは重要です。心理的な「安心」と物理的な「安全」を混同してしまうと、合理的な意思決定ができなくなります。
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次に、なぜインデックス投資だけでアーリーリタイアというのが非現実的かという点についてです。「生活費を配当金だけで賄う」という縛りを設けると、こういう計算方法になってしまいますね。しかし本当にそんな縛りが必要なのかどうかよく考えたほうがいいでしょう。
(中略)
つまり、インデックス投資で狙える配当利回りというのは2.0%前後です。
2.0%ですと、1億円を積み上げて年間200万円のキャッシュフローを得ることになります。
自分の中の直感(感情)はしきりに不安を訴えてキャッシュフローを獲得せよと要求してくるのですが、これはヒトの原始脳に宿る奇妙な癖の一つであることが知られています。時間をかけてじっくり「考える」と実はその直感は誤りで、そんな縛りは不要であることがわかります。これに気付いた人なら、同じ生活費を賄うのに必要な資産はもっと少なくて済むでしょう。
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ただ、160万円/年でもギリギリの数字です。たしかに扶養家族を抱えていたり生活コストが高い人にとっては、当然ながら早期リタイアのハードルは上がりますね。早期リタイアによって労働収入を失えば経済的リスクが増加することにも同意します。
まず、サラリーマンと異なり、株価の変動によって収入が大幅に減りうるのが大きなリスクですね。
配当収入は株価の変動よりは安定的ですが、それでもリーマンショック級の大暴落が訪れればそれなりのダメージを受けることになります。
また、160万円ですと一人暮らしならば不可能ではありませんが、配偶者・子持ちであれば生活が成り立ちませんね。
こうしてみると、株式投資だけでアーリーリタイアというのが思いのほか難しいことがわかります。
しかし、それとこれ(インデックス投資は早期リタイアに不適合であるという仮説)とは関係なさそうです。インデックス投資という万人に最適な資産形成手段をもってしても、ライフスタイルや生活コスト、前述のメンタルの問題などによって、早期リタイアに踏み切れるだけの十分な資産形成ができない人もいる、というだけの話ではないでしょうか。
もともと早期リタイアに不向きなライフスタイルの人が、わざわざインデックス投資を避けて高配当株への集中投資や不動産投資に手を出したところで、その選択のおかげで急に風向きが変わって早期リタイアできてしまう、なーんてことが起こるとは思えません。
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返信削除これからも更新を楽しみにしておきます。