貧乏人にとってマイルドなインフレって、金を持ってるやつが強いという非対称性を、通貨の価値を下げて緩和するっていう大事な役割があると思うんだけど、貧乏人のほうが多いはずの世の中で皆がインフレを恐れてるように見えるのはなんで
— kazutomi (@kazutomi) April 15, 2018
具体的な数字を挙げると、こういうことでしょうか?
1億円の現金を持っている金持ちと10万円の現金を持っている貧乏人がいるとします。マイルドなインフレが進行して、うん十年後に購買力が半分になりました。現在価値に換算して金持ちは5千万円、貧乏人は5万円を持っていることになり、9990万円あった格差は4995万円に縮小しました。めでたしめでたし。
言い換えると、インフレは金持ちの購買力を5千万円奪うのに、貧乏人の購買力は5万円しか奪わないので、格差縮小の手段として有効である。なるほど。
でもなんかおかしいと思いませんか? 貧乏人もインフレでさらに貧乏になるのですよ。自分が貧乏になろうが格差さえ縮めばそれでいい、みたいな感情はルサンチマンの典型であり、ずいぶん倒錯しているなあと、いつも思います。重要なのは格差の大小じゃないでしょう。他人との比較ではなく、自分が豊かになるかどうかです。
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それに、金持ちが1億円をすべて現金のままもっていることは稀でしょう。インフレ抵抗力のある資産に分散しているはずです。
それに対し、資産が10万円しかなく、毎日の支払いに追われる貧乏人には、インフレリスクを回避する事は難しいでしょう。
インフレで名目賃金が倍になるからいいというのも幻想で、実質賃金が上がらなければ税負担などが増えてより貧しくなっていきます。
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持っている資産が少なければ少ないほど、法定通貨の価値が目減りしていくインフレという現象が生活に与える打撃は大きくなることでしょう。貧乏人ほどインフレを恐れるというのは極めて合理的で正常な反応だと思います。
参考ツイート:
インフレになれば、庶民が苦しむことになるのは、アタリマエの話。
— muu@小米5 (@Meo011) March 25, 2018
インフレのことを「デフレ脱却」と言い換えたって、同じに決まっている。
最初からわかりきっていたこと。 https://t.co/o7yxWE5M96