高金利と一部で話題のベトナムの定期預金。今までは非居住者でも割と簡単にできたのが、来月5日施行の法改正で外国人は6ヵ月以上のビザ所持者のみ、かつ定期預金の満期日はビザの有効期限を超えてはならないことに。ベトナムでの金利生活を夢見ていた人は、これで方針転換を迫られることになりそう…。
— Tagosaku@ベトナム (@Heo_quay) June 25, 2019
私は「金利生活」それ自体がナンセンスだと思っている人(早期リタイア界隈では少数派)なので、高金利通貨で資産運用しようと考えたこともありませんが、インカムゲインが大好物な人たちにとってベトナムの定期預金は魅力的だったことでしょう。
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それにしても、比較的規制が緩く、外国人の銀行口座開設のハードルも低かったベトナムの金融当局が、こんな形で規制強化してくるとは意外でした。何らかの外圧がかかった結果かもしれません。
多くの外国人顧客を抱えている銀行にとっても今回の規制強化は迷惑な話でしょう。定期預金を組もうとする外国人にいちいちビザを提出させて有効期限を確認する事務コストが増えてしまいますから。今までは人の手を介さずにネット上で完結していたからこそ実現できていた低コスト運用であり、それが高金利の源泉だったはずで、こんなのいったい誰得な規制なんだろうという感想しか出てこないですね。
どんなに規制の緩い国であっても、銀行を筆頭とする既存の金融機関が中央集権型(Centralized)の仕組みであることに変わりはなく、今回のように規制当局の鶴の一声であっさりと改悪されるリスクは避けられません。
このようなリスクに敏感な人たちは、分散型金融(Decentralized Finance)へのシフトを進めているようです。たとえば、既にブロックチェーン上で暗号通貨の貸し借りができる直接金融システムが普通に稼働しています。初めてこれを知ったときは驚きました。こういうのが本格的に普及し始めたとき、銀行に残された仕事ってなに?状態になるのではないかと。
分散型金融の利点は政府による規制が難しいことです。絶対に不可能とまでは言い切れませんが、ブロックチェーン自体がサイバー空間上に分散しているものなので、規制するにはインターネットそのものを禁止するぐらいの勢いでやる必要があります。
従来の海外取引所であれば中央集権型で運営主体も明確だったため、金融庁お得意の「警告」を送りつけて脅して日本人顧客を排除させることもできましたが、分散型金融ではそもそも警告の送り先が不明なことも多く、口先介入も難しいでしょう。素晴らしいことです。
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