さいもんさんのブログより。
超早期リタイアなら全力リスク運用が基本│ひとり配当金生活:
30歳代での超早期リタイアを目指すなら資産運用は全力でリスクを取るのが基本です。
30代と言っても30歳と39歳ではだいぶ違いますね。
私のイメージでは30歳ならまだ超を付けてもいいけど、35歳を超えてくると怪しくなってきて、39歳だったら普通の早期リタイアだと思います。
ついでに、50代に入ってからだともう「早期」ですらないような気が。それぐらい人生は短く若い時間は貴重なんです。おっと話が逸れました。
最初に記事のタイトルを拝見したときは、
全力リスク運用=リスク資産100%のポートフォリオを持つ
という意味かなと思いました。
それならわかります。本人のリスク許容度次第では無謀な選択にもなり得るものの、39歳で早期リタイアを狙うなら呑気に無リスク資産なんか組み入れている場合ではないだろうと。
因みに現代ポートフォリオ理論では、リターンとリスクの調整はリスク資産(市場ポートフォリオ)と無リスク資産の比率を変えることで行います。期待リターンを最大化するには、それを100:0にすればいいだけです。
ところが、さいもんさんの記事の中身を読んでいくと、どうも全然違ってました(汗
その結果資産を失ったらどうするか?どうするも何も、また金を貯めて最初からやり直すしか無いのですが、
株式投資で成功した人の多くは一回は全財産を失うような経験をしています。
こんな物騒な話が次々と出てくるではありませんか…。
さいもんさんが言うところの「全力リスク運用」とは、全財産を失うリスクを取るという意味のようです。これには驚きを隠せません。
ただしわずかでも成功の確率を高めたのは、資産10倍増を最初から狙っていたのが大きいと思います。
資産10倍増とかサラリと書かれてますが、プラス900%です。これを何年間で? 10年かけていいのだとしても年平均25%です。正直、狙って取れるようなリターンじゃないと思います。
おそらく、さいもんさんのイメージする「超早期リタイア」達成や「株式投資で成功」の基準が、私に比べて遥かに高いレベルなんでしょう。目標とする資産額もリタイア後の支出レベルも。
なぜ全財産を失うリスクを冒してまで超ハイリターンを狙う動機があるのでしょうか。隠れた前提として、収入と支出の差額によって自動的に積み上がっていく資産よりも遥かに速いスピードで資産を増やしていかないと目標に到達しない、という事情があるのではないかと推察します。目標が身の丈に合っていないという意味でもあり、逆に言えば、目標の割に収入が少なすぎるand/or支出が多すぎるという意味でもあります。
因みに
私の独自基準では、現在何歳であってもACRが平均余命を上回っていればリタイア可能です。極端な話、まだ30歳でも支出が
寝太郎さんレベルなら1300万円で足りる計算になります。超早期リタイアだからと言って必ずしも莫大な資産が必要とは限らず、すべては本人の支出レベル次第なのです。30代でのリタイアを狙うなら、投資で一山当てるという発想よりも、支出レベルを下げる方がより確実な効果が期待できると思います。
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yumin4.blogspot.jp
なんか既視感があると思ったら、こんなのもありましたね。
貧乏人はリスクを取らなければ金持ちになれない | 日刊SPA!:
分散投資を考えるのは、1000万を超えてからの話。玉砕覚悟で資産10倍、20倍増を狙う姿勢が大切です。元手が無くなったらまた貯めて出直せばいいんです
いやいや、そんな無茶な。
この理屈だと、玉砕覚悟で全財産で宝くじを買うことだって正当化されません? 10倍20倍どころか、1本当たれば即3億円ですよ。
金持ちになる可能性が有るか無いかという二分法で単純思考してしまうと、このようにリスクや期待値を度外視したおかしな結論になることが多いと思います。