2015年9月12日

長生きリスクと早死にリスク

cubさんのブログより。
無職への道 40代で一区切り
健康寿命はあなたが思っているよりずっと短いですよ
大体、男性で70代前半
簡易生命表から自分の寿命を考えよう
最近は老後破綻やら下流老人などぶっそうな話がゴロゴロ出てきていますが
そんなに老後が不安ですかね
だって、誰でも必ず死ぬんですよ
老後破綻が心配・・3000万円あっても破綻する、年金を沢山貰えるためには、出来るだけ長く働こう
自分だけは100歳まで生きると思っているのですかね?
心配しなくてもあなたは100歳まで生きません
同感です。
メディアが煽っているせいだと思いますが、最近は長生きリスクを過剰に恐れる傾向に拍車がかかっているような気がします。

メディアの煽りで不安を感じたら、cubさんの別記事でも取り上げられている簡易生命表を冷静に眺めてみましょう。

平成25年簡易生命表(男)

年齢40歳の行の生存数を見てみましょう。
まさか、40歳のあなたが今生きていることが当たり前と思ってませんよね?
40歳まで生き残っているのは10万人中98,115人。つまり不運な1.89%の同級生は既にこの世に存在しません。大体クラスに一人弱の割合。おっと話が逸れました。

次に100歳の行。
生き残っているのは10万人中わずかに1,493人。
40歳男性が100歳まで生きる確率は、
1,493/98,115=1.52%

では40歳男性が50歳になる前に死ぬ確率は?
50歳の生存数が96,385人なので、
(98,115-96,385)/98,115=1.76%

100歳まで生きる確率より少し高いものの、ほぼ同レベル。

なので、100歳まで生きてしまったらどうするのかと老後の備えを万全にしようとする人ならば、それと同時に、50歳までに死ぬ場合に備えた行動は取らなくてよいのだろうか、という疑問が出てきます。
発生確率が同程度の二つのリスクがある場合に、どちらか一方には備えるけど他方は無視して何もしない、というのはバランスを欠いた行動に見えます。

このバランス感覚の欠如、どこかで見たような気が。
そう、宝くじの高額当選確率と、交通事故で死ぬ確率です。
後者が前者の40倍程度なのに、認知の歪みによって正しい評価ができないという話がありました。
関連記事:『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』橘 玲 (著) その2の真ん中あたり。

二つのリスクに対する私の考えは、どちらにも万全の備えをするのは無理があるし相互矛盾を生ずるのだから、両者のバランスをとりつつ程々に備えればよいと思っています。

長生きリスクによる老後不安への向き合い方については、既にこちらに書いた通りです。
前回の記事、 リタイアに型というものがあるならば に次のようなコメントがありました: 人間には寿命があるのですが、その寿命がいつ尽きるのかは誰にも分からないのが問題なのでしょう。 自分はいつ死ぬか分からない。 しかし、資産は確実に減っていく。 寿命が尽きる前に資産が尽きてしまった...
yumin4.blogspot.jp


早死にリスクへの備えは、早期リタイアそのものが私の答です。
平均寿命まで生きたとしても短い人生。もし早死にしても後悔しないためには、やりたくもない仕事で時間をお金に換えている場合ではありません。やりたいことだけをやる人生にできるだけ早く移行すべきだと思います。

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