ここ数年、食の安全に関するメディアの報道と、それを鵜呑みにする消費者たちには漠然とした違和感をもっていましたが、本書を読んでその違和感の原因がはっきりしました。日本に蔓延するフードファディズムです。
フードファディズム(Food Faddism)という言葉をご存知でしょうか。
ある特定の食品さえ食べていれば健康になるとか、逆に、特定の食品を食べると健康被害が起こるといった、科学的な根拠に基づかない極端な思考を指す言葉です。
(中略)
どうでしょう。まさに現在の日本人の多くがフードファディズムに陥っているといえるのではないでしょうか。
特にテレビからの偏狭な情報によって多くの消費者に刷り込まれているイメージの多くは、科学的根拠のない 「迷信」 であると説きます。
本当の常識は次のようなものです。
・アメリカに輸入される食品の違反率は、中国産よりも日本産の方が高い
・中国産ウナギの安全基準は世界トップクラス
・国産表示ウナギの8割は外国産
・食品衛生法の残留基準値は、実際に健康被害が生じる値よりはるかに低く設定されているので、基準値の2倍、3倍はおろか、100倍の数値が出てもなんら人体に影響はないケースも珍しくない
・賞味期限の設定も厳格すぎるため、たとえば90日もつ食品を30日で捨てているケースもある
・天然ものよりも養殖もののほうが安全
・無農薬栽培でも使用してよい農薬が30種類もある
・残留農薬や食品添加物に含まれるよりもはるかに多量の発がん性物質が、日常的に摂取する天然食品にも含まれている
意外に感じることがいくつもあるのではないでしょうか。私も含めて、そういう人は多かれ少なかれテレビの悪影響を受けています。あらためて、テレビというメディアの恐ろしさを実感しました。