p.145
私の場合は資産が1400万になってからようやく重い腰を上げ、預金の一部を株や投資信託に振り分けることにし、分散投資を開始しました。そんな人間もいます。他人がどうであるとか、平均投資額がいくらだとかは関係ありません。
まさに。すべては自分次第ですね。
いくら他人に「円預金に全力投資をすることにもリスクはある」と言われようとも、毎日どんどん価格が変動していくリスク資産なんて怖くて持てないと本人が思っているなら、やはり何もしないことが正解になるでしょう。そういう人が無理をしてリスク資産に手を出すと、ちょっとした○○ショックが来ただけで心が折れてしまい、途中退場して大損するという最悪のパターンが待っています。
p.156
投資を行うかは世間の風潮や流行り廃りではなく、自身の人生から見出すものです。
(中略)
長期で投資に臨む場合には、上がる時も下がる時も、自分自身が他者の意見にぶれずに続けられる投資を選びたいと思っています。
同意。
周りに流されやすい優柔不断なタイプの人は、投資に向いていないと思います。
ちなみに私は、リタイアする前もした後も「上がろうが下がろうが現金が必要になるまでは売らない」というシンプルなルールだけはブレずに続けていますが、それ以外の部分はわりと大雑把で結構ブレてることもあります。
p.162
確定拠出年金のサイトにログインして見直したところ、年率1.8%の報酬が差し引かれる超・高コストのファンドにも投資していたことがわかりました。
(中略)
断末魔のごとき悲鳴を上げながら、積立を中止しました。
恐ろしや~。
p.163
現に、知識のなかった新入社員の私には区別がつかず運用商品に取り入れてしまったのです。
「無知は損なのだな」と思った次第です。
私らの時代だと新入社員を嵌め込む金融商品といえば生命保険でしたが、今は確定拠出年金にも注意が必要なのですね。
p.178 (FXでGBP/JPYを損切りした話)
私のポンドちゃんは約3万5000円の損失を出してお亡くなりになりました。
FXでJPY売りポジションを持ち続けて為替差損でやられるのはよく見るパターンですが、これだけ少額の授業料で最初に損失を経験できた事は逆に良かったと思います。もしビギナーズラックで円安方向に動いて利益が出ていたとしたら、
p.180
為替の期待リターンは金利を織り込んでゼロであり、長期的に高金利通貨がマイナスの方に動いていくとしたら、長期で保有する意味はなく、手数料や税金分リターンはマイナスと考えるのが相当ではないかと思いました。
(中略)
長期的に投資するのであれば、将来的な成長が期待できる資産をメインにしよう、と思いました。
この重要な気付きを得ることもないまま、FXにお金を注ぎ込み続けていたかもしれませんからね。
p.180-181
この他にわかったのは、「含み損の状態でもサックリ忘れて日々を過ごせる」という自分の性格です。許容内であれば、口座の状況を気にせずのほほんと日々を過ごせるのです。
これは私も同じです。この性格が幸いして、2008年のリーマンショックで資産が40%近く減っても狼狽せずに、嵐が過ぎ去るのを待つことができました。長期投資におあつらえ向きの性格だと思います。
p.198-199
コツコツ積立投資においては私の投資成果を反映する「勝ち負け」は今後数十年以上にわたり、決定しません。あるいは、天に召されるまで決着しないかもしれません。
これ、長期投資に欠かせない大事な視点です。短期的な結果を見て一喜一憂することは慎まなければなりません。
私の場合は長期投資を継続していく中で、そもそも一般に言われている「勝ち負け」なんて実はどうでもいい事なんじゃないのと思えてきました。名目リターンがプラスなら勝ちでマイナスなら負け、というほど単純なものでもなく、自分の人生とは何の関わりもない他人とリターンの優劣を競っているわけでもなく。要は、自分の人生の総コストを賄えるだけの購買力さえ維持できればそれでよく、この結果が私にとって唯一の「勝ち」なのかもと思うようになりました。
本書の読書録は以上になります。ITTINさん、いろいろなネタの提供ありがとうございました。