2018年11月30日

Revolut が日本にやってくるけど…

Fintech startup Revolut has been teasing Asian market expansions for more than a year, but it sounds like it might finally happen. The company has secured licenses to operate in Singapore and Japan. It now expects to launch its service in Q1 2019. In Singapore, the company was granted a Remittance …
techcrunch.com
2019年第1四半期に日本でもサービス開始予定とのことです。

ただし、
But not all features will make their way to Singapore and Japan. Regulation varies from one country to another, so the company might not be able to provide the same limits and feature set everywhere.
ヨーロッパ諸国で提供されているサービスと同じかどうかはわかりません。金融庁のさじ加減次第ということになります。

今までの事例を振り返ると、たとえばInteractive Brokersが日本進出したときは、日本法人の口座と海外法人の口座という区別(相互に資産の移管は不可)が生まれてしまい、日本居住者が海外口座から日本国内の金融商品を取引することはできなくなりました。そんな意味不明な禁止事項が増えるくらいなら「日本進出」なんてしないほうが遥かに良かったのに… と思ったものです。

Revolutがヨーロッパ諸国で提供しているサービスが非常に素晴らしいだけに、金融庁には「今度こそ余計なことはしてくれるなよ」という思いしかありません。

特にデビットカードを為替手数料無料(インターバンクレート)で使えるのは、従来のクレジットカードなどとは全く比較にならない革命的なものだと思います。法定通貨だけでなく既に一部の暗号通貨もサポートしているというのですから、その先進性には頭が下がります。が、あの金融庁のことですから暗号通貨のサポートはおそらく禁止されるでしょうね。トホホ…。

参考記事:
今ヨーロッパではスマートバンクが熱い!Revolutはロンドン発のスマートバンクのスタートアップ。ヨーロッパの44カ国で開設可、無料クレカでは旅先の通貨での引き出しや支払いができるスグレモノ。
jinenbo.me

関連ツイート:
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yumin4.blogspot.com

2018年11月25日

消費者って特権階級?

金村さんのブログより。
僕が最も感じる身分制度は、労働者と消費者です。

労働者はお金を貰って仕事をしているんだから当たり前、と言われればそれまですが。
諸々差し引いても、消費者強すぎじゃないですか?
確かに、日本では金を払っている方が偉いとか、金持ち=権力者などと勘違いしている人が少なくない印象はありますね。

でもそれが「身分制度」だと言われると違和感があります。実際に「消費者>労働者」のような身分を定める法律があるわけではないからです。ごく一部に、医師の応召義務や賃借人の特権のような例外があるだけです。

参考:
ja.wikipedia.org
法治国家に於ける制度は法によって定められている。

消費者ではなく雇用主との関係においては、「被雇用者>>雇用者」と定める法律が山のようにあります。つまり、被雇用者に特権を与える身分制度は存在すると言えます。消費者に比べれば、被雇用者たる労働者の方が遥かに特権的地位にあるように見えます。

人々がどんな幻想を抱いていようと、市場経済における取引は任意であり、売り手の同意もなしにモノやサービスの「押し買い」なんてできないんですよ。売り手に断る自由がある限り、消費者は「特権階級」たり得ません。

週5労働者から週1労働者に変わって、消費者である割合が高まったからです。
申し訳ありませんが、身分が一気に上がって、特権階級になったというのが正直な感覚。
私の場合は、労働者時代も誰かの特権のせいで虐げられていたとは思わなかった(むしろ正社員の特権ってすごいなと思っていた)し、消費者には取引の相手を選ぶ自由がある(それさえも政府の規制によって妨げられていることも多い)に過ぎず、何らかの「特権」があるとは全く思わないですね。規制の多い日本では、消費者側ではなく供給者側に特権が与えられているケースは多々あるとは思いますが。(例:NHK、携帯電話、タクシー、郵便、電力など)

そういう意味ではリタイア前と後に感覚の変化はありませんでした。ただ単に、雇用主との関係において権利義務が消滅したことによって人生の自由度が飛躍的に上がっただけです。これは特権云々とは関係ないことです。

参考ツイート:

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ツイッターを眺めていたらこんな記事が紹介されていました。 【サラリーマン最強?】会社を搾取し続けて1.5億円を作った男の話 - こびと株.com こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マンです。 以前、Mr.ボンドという人物を紹介しました。 簡単に特徴をまとめると この記...
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2018年11月20日

株式と現金の長期リターンは両極端

ツイッターより。

現金の価値は1/20の間違いだと思われますが、このグラフ、ジェレミー・シーゲル氏の著書に載っている有名なやつなので、見たことがある人も多いでしょう。

ひときわ目を引くのは株式の長期リターンが群を抜いていること。他の資産クラスを全く寄せ付けません。

もちろんリターンの裏には必ずリスクがあり、株価が激しく変動を繰り返してきたことが、グラフのギザギザとしてはっきり現れています。しかし株式史上最大のネガティブイベント「大恐慌」(1930年付近)でさえ、200年というスケールで遠くから眺めると、無数にあるギザギザの一つにしか見えないのが凄いですね。

このグラフの右端に登場する2008年のリーマンショックのような百年に一度と言われる大暴落も含めて、一時的に暴落することがあっても必ず暴落前の株価を回復する「V字回復の法則」は200年以上健在で、今まで一つの例外も無いと言えそうです。

次に目を引くのが、株式と対照的に極めてローリスクな(グラフにキザギザがほとんど無い)USD現金の長期リターンが群を抜いて低いこと。

200年持ち続けた場合の実質リターンはマイナス95%。額面は1ドルのままでもその購買力は1/20になってしまったことを意味します。

200年間で1/20なら年平均1.5%の減価なので意外に大したことないようにも思えますが、グラフをよく見ると1940年付近までの140年間は全く減価してないんですね。金本位制がきちんと機能していた時代だからだと思います。

1971年のニクソンショックで金本位制が廃止されると、堰を切ったようにUSDの減価ペースが上がっている様子がはっきりと見て取れます。それまでは現物資産の裏付けがあったUSD紙幣が、その裏付けを完全に失って「仮想通貨」に成り下がった瞬間です。

藤巻氏が避難通貨として推奨するUSDでさえこの有様なのですから、異次元緩和で輪転機フル回転中のJPYの価値が長期的に安泰だとは全く思えないですね。今はまだ日常の決済に必要だから仕方なくJPY持ってますけど、将来それさえ不要になる時代が早く来ればいいなと思っています。

参考ツイート:

関連記事:
債券と株式の実質リターンのデータを検索していたら、こんな記事を見つけました。 投資の達人-超長期投資実践・目指せ金融資産1億円:1. 株式は、最も長期投資に適した金融商品 - livedoor Blog(ブログ) (追記:なぜかリンク先が消えてしまったようなので、Googl...
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ツイッターを眺めているとこんなツイートが目に入ってきました。 それと、もう一度言いますが、あなたの言ってる「お金」はいったい誰が作り、誰がその信用を担保しますか? https://t.co/Dlb1OmUzDo — 住友陽文 (@akisumitomo) 2017年7月22日 ...
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2018年11月15日

Q:物価が上がったらどうするの? A:べつにどうもしません。

cubさんのツイートより。
概ね同意。

インフレの心配するなら新興国より日本に住み続ける方が危うい気もしますし、死ぬまでその国に住み続けないといけないというルールがあるわけでもないので、ある国がインフレになりすぎて旨味が無くなったら住む国を変えればいいだけでしょう。

補足すると、もし新興国でインフレが進んで現在の先進国並みの物価になる日が来るとしたら、そのときは新興国株式もそれなりのリターンを叩き出しているんじゃないでしょうか。高度成長期の日本がそうであったように。そうすると、相対的に高いリスクを恐れずに新興国株にもきちんと資産を分散していた投資家は、さぞかし報われているに違いありません。

「昔と比較してこんなに物価が上がってしまった。これでは最早ローコスト生活とは言えない!」
このような見方は、あくまでも不換法定通貨というモノサシを基準にする限り、先進国でも新興国でも永遠に繰り返されるものだと思いますよ。なぜなら、価値を測るモノサシそのものがインフレによって少しずつ縮んでゆくからです。

額面通りに「月5万円生活」を続けることが重要なわけではありません。たとえばX年後にそれが「月10万円生活」になっていたとしても、保有している資産の額面も2倍になっていれば実質的な購買力は変わらないので全く問題ないことになります。額面ではなく常に実質で価値を見ることが重要です。

関連記事:
前回 、 前々回 取り上げた記事も海外生活へのネガティブ成分多めでうんざりしましたが、さらに露骨なのがありました。 「タイで優雅な年金生活」の夢が破綻、大惨事も 物価高騰のバンコクからチェンマイ、チェンライへ、しかし・・・ | JBpress(日本ビジネスプレス) 「世界一の屋台...
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cubさんのツイートより。 労働教と長生き教もウザいけど、大病したらどうするの?っていちいち聞いてくる病気教もうざいね。 — cub (@cub_nomad) 2017年4月9日 早期リタイアのような経済的リスクを多めに取る生き方を選択する人に対して、「大病したらどうするの?」...
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よよよさんのブログより。 働けば老いるのを止められるとでも? - 29歳からの貧乏セミリタイア 人生よよよのブログ どうもよよよです こういった質問を頂きました これから40歳50歳になったらどうするんすか? 頭は禿げ上がり、体力や気力はなくなり、あらゆる欲望がなくなります。 ...
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2018年11月10日

「国家の財政危機=リタイア生活の危機」にしないために

愚か者さんのブログより。
マネーワールド・資本主義の未来、第3弾 国の借金の問題 これも、興味深く見ていた 国の信用バロメーターでもある法定通貨 日本もその他の国でもそうだが、解決するには多大な困難が伴う…
retirementfailure.seesaa.net
日本も人のことは言えない
既に国債は日銀が引き受けてる状態
確かに、世界でも同じようなことをしているが、
どこまで行けるのかは、誰にもわからない
まるでチキンレースだ
概ね同意。
他国のケースと決定的に異なるのは、日本政府は権力で市場に介入して問題を先送りにするテクニックに長けているので、他国の比ではない莫大な負債を抱えていてもなかなか問題が顕在化しない点です。

こうして問題解決に着手せずに先送りにすればするほど、市場原理に逆らうことで生じた歪にマグマが溜まっていくので、ついに支えきれなくなって噴火したときの被害は甚大となることが予想されます。

参考ツイート:
物価が倍になっただけでも、年金生活者やリタイアしてる人たちの生活には多大なダメージとなるだろう
まあ倍程度なら、何とか耐えられそうだが、物価のコントロールはできない
確かに、日本円しか持っていない人は被害甚大でしょうね。
つまり、たとえコントロール不能なインフレがやってきても全滅しないように、インフレ抵抗力のある資産に分散しておくことが重要なのだと思います。
参考ツイート:
その時が来ないのを祈るしかできない
いえ、一般論としては「祈る」以外にもできることは沢山ありますよ。既にコメントされているように。
よし

その時が来ないのを祈るしかできない
って、いやいやできることあるでしょ。
国は兎も角個人レベルなら。
外貨建て資産に投資してリスクを分散させるとか。
めっちゃメジャーですやん。
2018年10月15日 19:43
確かに、最近の投資ブロガー界隈では国際分散投資もすっかりメジャーになったものですね。もちろん私のポートフォリオも、10年以上前から外貨建て資産の割合の方が高くなっております。

でも高齢者も含めた日本人の金融資産のうち、そのようなリスクヘッジができているのはまだほんの一部ではないかと想像します。むしろ何の対策もしていない人が圧倒的多数という状況だからこそ、インフレ税による国債償還、財政再建効果が絶大になると計算できるわけで。

もし今後、日本人が保有する莫大な日本円資産の多くが外貨建て資産へ向かうようなことになれば、インフレ税の効果は減ってしまいます。そうなると、外貨建て資産へのキャピタルゲイン増税などが行われる可能性も出てきます。

たとえば物価が10倍になり、外貨建て資産の円建て価格が10倍になっても、それを日本円に戻した時点で差益の50%を課税されることになれば、資産の購買力は45%減ることになります。インフレになると、キャピタルゲイン課税が事実上の資産税としての効力を持つことになるわけです。ちなみに、銀行の外貨預金の場合は現在の税制のままでもこういうことになります:
こうなると、どんなに外貨建て資産に分散していても無傷で済むはずはなく、資産に余裕のないリタイア生活は危機に瀕する可能性があります。

仮に日本政府がなりふり構わず資産税を奪いに来るような事態になったとき、それは本気で海外移住を実行に移す時かもしれません。

関連記事:
以前からハイパーインフレのリスクに警鐘を鳴らし続けている藤巻健史氏のツイートより。 中央銀行は不可欠なインフラですから新しい中央銀行が創設されます。ただ日銀の負債(円)は無効になります。新銀行設立は戦後のドイツもそうですが、貨幣と中央銀行の信用の再建のためで日本再生の方法です。...
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内山さんのブログより。 アーリーリタイア後の投資での失敗は、生活の破たんを招く! 「ほったらかし投資」にやや懐疑的である理由 - 早期リタイアへの実用書 “幸せの確率” 公式ブログ earlyretire47.blog.fc2.com この記事で引用されている榊原英資氏の本の...
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橘玲さんのツイートより。 インフレ税で財政赤字を処理するのは、経済学的には最適解なのでしょうが、外貨(Bitcoin)の保有などで富裕層はかんたんに回避できるので、経済格差をさらに広げることなると個人的には思います。 — 橘 玲 (@ak_tch) 2017年7月10日 天文学...
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2018年11月5日

低賃金を「押し付けて」いる消費者とは?

ツイッターより。

ええっ? 
消費者は何も「押し付けて」いませんよ。

消費者がどんなに低価格の商品を求めようと、その価格での取引に応じる相手方が現れなければ取引は成立しません。嫌がる相手に取引を強いる権力なんて、消費者には無いのです。

消費者が買いたい価格での取引が成立しているのなら、自発的に取引に応じる売り手が現れたということ。取引価格がいくらだろうが「押し付け」では無いですね。

何かを押し付ける権力を持っているのは政府です。このツイートにも使われている「政権」という言葉は政治権力のことなのだから自明ですね。たとえば、嫌がる消費者にNHKとの契約を強いる放送法という権力が日常的に振るわれています。

参考ツイート:
関連記事:
千葉市長熊谷俊人氏のツイートより。 詳しくは追っていませんが、コンビニにエロ本を裸のまま陳列するなという千葉市の「提案」についての発言のようです。 民意の代表たる議員が議会質問をもって提案し、関連予算が議会で承認され、並行して市民意見も聴取して改善を求める意見が多数と確認しても、...
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ダイヤモンド・オンラインの記事より。 「結婚宣言」で大炎上!アイドルに禁欲を押し付ける日本の男の異常性 結婚宣言をしたことで、ファンから壮絶なバッシングを受けているNMB48の須藤凜々花さん。日本のアイドルは伝統的に恋愛を謳歌することが認められないが、これは世界的に見て特異な文化...
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ツアーバス事故の件でこんなニュースが目に入りました。 平均で下回らなければ…ツアー発注額下限を誤認 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) : バス運行会社「イーエスピー」が国の定める最低基準額を下回る運賃で受注していた問題で、(中略) 道路運送法は1回の運行でも...
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Kindle版 2009年4月、私は不況のまっただ中に、社内の政治闘争に疲れ果ててアップルを退職することになりました。アップルを辞めて気が付いたこと、それはアップルのような企業の中枢に勤めるごく一部の人々が消費や生産の仕組みを創り、そうした仕組みの中で、選択の余地もなく...
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