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2025年8月13日

暗号通貨へのよくある誤解 その3

暗号通貨をチャージして消費するタイプのデビットカードは過渡期の決済手段であり、本来は不要なものです。

現状の法定通貨経済圏では買い主が暗号通貨を暗号通貨のまま渡したいと思っても、それを受け取ってくれる売り主は滅多にいません。法定通貨しか受け取らない売り主から買い物をする場合、暗号通貨を法定通貨へオフランプする何らかの手段が必要です。クリプトデビットカードはその手段の一つに過ぎません。持っていれば確かに便利ですが無くても何とかなります。別のオフランプ手段もどんどん生まれているので。

本来の暗号通貨決済とは、以前の記事に登場したお弁当屋さんのように、暗号通貨を暗号通貨のままPeer to Peerで送金するだけで完結するものです。デビットカードなんて要らないどころか、そんな決済コストが高いもの差し出されても売り主は迷惑するでしょう。関連記事:

暗号通貨でお弁当売ってます 11:30〜14:00ぐらいでやってます ◆住所 水曜日・東京都渋谷区神泉町9-8 木曜日・東京都渋谷区宇田川町41 ◆お値段 モナコインは3.9mona ビットゼニーは390zny ビットコインは3900satoshi(LNだよ) (円を基準にしてま...
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自国の法定通貨への信用が崩壊したボリビアでは逆に、「法定通貨しか受け取らない売り主」の方が珍しいのではないかと思われます。ステーブルコインのデファクトスタンダードUSDTなら喜んで受け取ってくれるに違いありません。数年前はネックだった送金コストの問題もEthereumのL2によって解決済みです。しばらく触らないうちに$0.01が当たり前の世界になっていて驚きました。L1しかなかった時代は$10以上払っていた記憶が…。

日本もJPYの信用崩壊まで秒読み段階なので、他国の先人たちから学べることはたくさんありそうです。ボリビアへ行ってみたくなりました。

関連記事:

ツイッターより。 旅行者にとっては凄い体験をしてしまいました。 首都スコピエに暗号通貨換金所がオープンしており 「ホントかよ!?」と 半信半疑で利用してみました。 指定のアドレスに暗号通貨を送金すると本当に現金化できてしまいました😱 暗号通貨を売って旅行とか、もう訳わからない時...
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参考記事:

2025年7月26日

暗号通貨へのよくある誤解 その2

この方は無意識に、通貨の選択は政府と民間企業のどちらを信用するかの二択問題だと思い込んでいるフシがあり、クリプト業界は信用できないから消去法で政府を信用する方がましなんだ、と言っているように聞こえます。

暗号通貨の発明によって、政府と企業のどちらも信用しないという第3の選択肢が生まれたことを知らないのかも、という疑念が。

岡部さんの模範解答。

クリプト「業界」とは暗号通貨を扱う民間企業群で、集権型の暗号通貨取引所(CEX)がその代表格です。証券会社等と同様に、CEXは必ずどこかの国に法人として登記されています。言い換えれば、必ずどこかの国の政府の支配下にあります。支配の強度はその国の規制次第ですが、特に規制でガチガチに縛られた日本のクリプト業界なんて、全く信用できません。実際に利用者からの被害報告も多数あがっています。

関連記事:

GMOコイン、、、 メタマスクだけじゃなくBybitにも送金できなくなった…😱😱 海外取引所やったらどこもあかんかな😭😭 こんにゃろめ😭 pic.twitter.com/eHLSLbf64H — apico (@Apico303) March 31, 2022 悪名高い...
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平時でもこの有り様ですから、通貨危機という有事の際には日本のCEXは暗号通貨を出金させないでしょうね。(暴落した)円に戻せば出せるから資産凍結ではないとか言い訳する某取引所CEOの姿が目に浮かびます。

CEXは法定通貨から暗号通貨へのオンランプ、暗号通貨から法定通貨へのオフランプにおいては依然として重要な役割を担っています。しかし、手に入れた暗号通貨を保管、運用する手段としてCEXを使うことは、全く合理的な選択ではありません。無用な信用リスクを取ることなくそれができる別の手段があるからです。

保管するならnon-custodial ウォレット。例:Rabby wallet

他の暗号通貨に替えるならDEX(分散型取引所)。例:Uniswap

貸す・借りるなどの運用ならDeFi(分散型金融)。例:Compound

これらを利用する限り、誰かを信用して資産を預ける必要はありません。強いてリスクを挙げるなら、DEXやDeFiを動かしているスマートコントラクトのコードにバグがある可能性ですね。スマコンはオープンソースなので透明性が高く、既に5年以上無事故無停止で動き続けているUniswapやCompoundなどの古株はかなり安全だとは思いますが。仮にDeFiが事故ったとしてもすべて自己責任なのでそのつもりで。

因みに、CEXを経由しないでオンランプする方法もあるにはありますが、よほど普段からアンテナ張ってないと発見するのは困難な上に、まだ無名で道が細いので流動性が低いという問題があります。かといって抜け道の存在が有名になると金融庁の奴らが邪魔しに来るというジレンマがあるので、逃げ遅れた人は塞がれる前に頑張って見つけてください、としか言えないです。

関連記事:

もう来年はビットコイン利確した上で、ガチで一切の労働をやめて隠居ようかな…働けば働くほど税金で全部いかれる感じになるだろこれ…🥹 — ペイの実 (@paynomi) November 21, 2024 日本政府の重税から逃れるためには、一刻も早く賃労働辞めるのは基本ですね。頑張...
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「私がビットコインを買わない理由」 - スパコンSEが効率的投資で一家セミリタイアするブログ The Motley Foolに『私が(まだ)ビットコインを買わない理由(Why I'm (Still) Not Buying Bitcoin in 2024)』なる記事があったのでご紹...
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今後、海外に庶民を逃さないようにするために、銀行口座とかからの海外送金は更に規制されると思うのね。本当に逃げる時には、日本の銀行口座に入れてるお金を捨てて来なければいけなくなると思う。そういう時に、ビットコインなら持って逃げれるよ。 #ビットコイン — Peppermint🇺...
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ツイッターより。 ビットコインは取引所で買った後、自分のウォレットに現物を送れば安心安全😇👌ビットコインも自分のウォレットも倒産しないし事業者リスクもないですよ😉👍Buy Bitcoin😇 https://t.co/B6QigT2m8w pic.twitter.co...
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2024年11月23日

暗号通貨を「利確」する必要は無い

日本政府の重税から逃れるためには、一刻も早く賃労働辞めるのは基本ですね。頑張ってください。

でも、必ずしも「ビットコイン利確」する必要は無いはずなんですがね…。一例として、

こういう方法もあります。JPYCはわざわざ借りなくてもUSDCからスワップすれば十分だとは思いますが。売却益が無いので税コストはかかりません。その代わりステーブルコイン借りるのに利息がかかります。

何らかの資産を担保に法定通貨を借りるのは革命的でも何でもなくて、割と古典的な節税手法です。既存金融の世界でも富裕層の人たちは有効に使っていたのでしょう。利息や手数料、中間マージンなどのコストが高すぎて、小金持ちの場合はそれを上回る節税効果が無かっただけで。

暗号通貨と分散型金融(DeFi)の出現によってそのハードルは劇的に下がりました。暗号通貨を担保にDeFiでステーブルコインを借りるのは、たとえば不動産を担保に銀行から融資を受けることに比べれば、非常に簡単かつ低コストです。この手法は、今の日本のように暗号通貨の税制が狂っていて懲罰的に重い国では特に効果があります。

「良貨を手放さずに利確もせずに決済する」

私も現在のポートフォリオの多くを占める暗号通貨ETHを使う際に「利確」=法定通貨にスワップしたことは無いですし、今後も可能な限りしない予定です。

「どうせFiatは減価止まらない訳なので一生返す必要なくなるのかなと」

私もそんな気がしています。ジャイアンの有名なセリフ「いつ返さなかった!? 永久に借りておくだけだぞ」が実現する可能性は十分ありそうです。

「決済としてのBTC」

まあ無理でしょう。ドル借りて使うというユースケースを想定しているなら最初からETHを持っておく方が楽です。

関連記事:

前回の続きです。 暗号資産の本質はトラストレスですね。 株のリスクヘッジというより、法定通貨のリスクヘッジでは。 — ミスターモナコイン@ミニ四駆 (@Mr_Monacoin) May 22, 2021 元ツイの「リスク」がボラティリティーの意味で使われていたのに対し、@Mr_M...
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2024年5月22日

『私が(まだ)ビットコインを買わない理由(Why I'm (Still) Not Buying Bitcoin in 2024)』を読んだ感想

The Motley Foolに『私が(まだ)ビットコインを買わない理由(Why I'm (Still) Not Buying Bitcoin in 2024)』なる記事があったのでご紹介。 ざっと理由を並べると、…
www.hyoshionnu.com

英文記事を要約していただいてありがとうございます。

いろいろ理由を列挙してますが、一つに絞るならここかなと思います。

また、筆者はこう言っています。

ビットコインが『デジタルゴールド』であることは理解していますが、そもそもゴールドやその他の貴金属にも投資しません。

その理由は『お金を生まないから』です。

これはその通りで、通貨の交換はゼロサムゲームだから確かにお金を生みません。お金を生まないはずのBTCやETHの過去のリターンが驚異的なのは、今の世界では圧倒的多数派である法定通貨ホルダーがインフレで広く薄く損した分の裏返しだからです。

「お金を生まない」ことを理由にゴールドを買わない人は、デジタルゴールドも買わなくて当然ですよね。首尾一貫しています。

でもゴールドを買う人たちは「お金を生まない」ことを承知の上でそうしてるわけで、じゃあ何のために買うのだろうか?もしかすると「お金を生む」以外の価値があるのかもしれない、と考えてみてはどうでしょうか。

株式投資の場合、まだ今は中央集権型の金融機関をトラストして株式を預託する必要があり、信用リスクを排除することはできないという短所があります。もし金融機関の中に悪人がいたり政府が資産課税を始めたりすると、持ち逃げや没収の憂き目に合う可能性があります。

それに対してゴールドや暗号通貨の場合、現物を手元に保管することによって信用リスクを排除することも可能です。お金を生まない代わりに信用リスクを取らずに済む、という確かな価値がそこにあります。この最大の長所に触れることなく暗号通貨の短所だけを列挙する言論には説得力が無いと感じます。

まだ資産形成期の個人投資家なら、お金がお金を生む株式投資に全振りして一刻も早いFIRE達成を目指すのも合理的ですが、いったんFIRE達成してしまうと「お金を生む」ことよりも「お金を守る」ことを強く意識するようになります。人生の残り時間とのバランスにもよりますが、全財産を誰かに預けるというリスクを取ってまで更にお金を殖やすことを優先して何になるのだろう、どうせ使い切れないのに…と今の私は思います。

関連記事:

前回の続きです。 暗号資産の本質はトラストレスですね。 株のリスクヘッジというより、法定通貨のリスクヘッジでは。 — ミスターモナコイン@ミニ四駆 (@Mr_Monacoin) May 22, 2021 元ツイの「リスク」がボラティリティーの意味で使われていたのに対し、@Mr_M...
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2020年末の資産残高推移 年末恒例の資産残高集計を済ませました。 まず最初にカミングアウトします。私たしか3年ほど前まで、暗号通貨は決済手段に過ぎないから投資対象ではない、的な趣旨の記事を何度か書いておきながら、今ではすっかり投資対象の一つと捉えており... yumin4.bl...
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今後、海外に庶民を逃さないようにするために、銀行口座とかからの海外送金は更に規制されると思うのね。本当に逃げる時には、日本の銀行口座に入れてるお金を捨てて来なければいけなくなると思う。そういう時に、ビットコインなら持って逃げれるよ。 #ビットコイン — Peppermint🇺...
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2024年2月4日

暗号通貨からVNDへ現金化する方法

面白い記事を見付けました。ベトナムの BitcoinVN というサービスを利用して、ビットコインから現地通貨への両替を実践した話。

個人的に興味があるのはビットコインではなくステーブルコインからの両替なのですが、同様の方法でできるようです。

本題に入る前にまず、比較の対象となる従来の現地通貨調達方法について誤解があるので、実際にはそこまで高コストではないことを指摘しておきます。

海外に行くと困ることの一つに現地通貨の入手があります。めんどくさいので金額が小さい時は空港で円と渡航先の通貨に両替することもありますが、空港でのレートはぼったくりに近いくらい高く、通常5〜10%くらいスプレッドで抜かれます。

私はATM派なので両替所のことはよくわからないですが、そんなに手数料が高いのは日本の空港だけで、ベトナムの空港なら1~2%という説もあります。

他の方法として一般的なのはクレジットカードのキャッシングなどを使ってATMから引き出すこと、もしくはクレジットカードを受け付けている店舗であれば直接Visaなどで払うことですね。大部分の人はこれでそこまで不便を感じてないかもしれないですが、ただクレジットカードを使うにしても結局大体3〜5%くらい手数料を抜かれていたり、他にも海外だとスキミングなどのリスクもあるので正直自分はクレカもあまり使いたくありません。

クレジットカードの海外キャッシングを海外ショッピングの手数料と混同しているようです。あるいは銀行系デビットカードの海外キャッシングと混同しているのかも? ATMに仕掛けられたDCCの罠に引っかからない限りクレカキャッシングに3%も手数料が乗ることはなく、繰り上げ返済で利息を抑えれば僅か0.5%前後で済みます。

参考記事:海外キャッシング比較ランキング│国際キャッシュカード&海外キャッシング比較

さて本題です。

まずこちらのBitcoinVNの取引ページのリンクからライトニング送金で売りたいビットコインの金額を指定します。

とありますが、ここは左側ではなく右側のVNDの方を、1,000未満の端数がでないように指定すべきかと思います。なぜなら、VNDは1,000ドン未満の現金がほとんど流通していないため、この例の場合は188ドンが切り捨てられてしまうからです。

たとえば右側に999万VNDを指定します。売る暗号通貨はステーブルコインのデファクトスタンダード、USDTを選択。チェーンは手数料の高いEthereum以外にも18種類ぐらいありました。正直言って知らないチェーンの方が多いです。実績があってわりと有名なPolygonチェーンの場合、送金手数料は1セント未満のようです。タダ同然ですね。

左側のUSDTの金額が小数点以下6桁の細かい数字になりますが、こちらは現金ではなく暗号通貨だからぴったりの金額を送金可能です。

先に暗号通貨を送金してから、現金受け取りのアポを取る形のようです。

ここから先は右のチャットボックスからBitcoinVNのサポートと連絡を取り、現金を受け取る日時を交渉するのですが、実がここが鬼門の一つです。

まず対応してくれるのは英語ができるサポートの人なので、Bitcoin VNの中の人が働いてる日中の時間ではないと反応してくれません。また、日中でもすぐに返事が来るとも限らないので画面を開いたまま少し気長に待つ必要があります。

たしかに、この待ち時間は精神的に疲れそうです。特に初めて利用する場合や金額が大きい場合は。

両替所の窓口と同じように、現金の受け渡しは同時履行にしてもらいたいところです。

自分が取引をした時の手数料を概算してみると、

Bitcoin VN上の換算レート:0.011BTC→ 10551188 VN

CoinGecko上の換算レート: 0.011BTC→ 10837844 VN

ということで、スプレッドによる手数料はだいたい2.7%です。

421USDTを999万VNDに替える場合の手数料も、2.7%と出ました。これでも十分お高いですが、試しに100USDT≒243万VND程度まで金額を下げると、手数料は9%と出ました。低額になればなるほど、手数料高すぎて使う気が起きませんね。ATMキャッシングで十分です。

逆に高額になるとどうなるかというと、取引上限に近い14,000USDTで手数料を計算すると0.8%まで下がります。手数料的には従来の両替方法といい勝負ができるものの、そんな大金をVNDの札束で受け取ってその後どーすんの、ってことになりそうですね。

ちなみに、現金の受け取り場所をハノイやフエに変えると、手数料が2.5倍に跳ね上がるようです。

この両替サービスを体験してみたい人は、サイゴン=ホーチミンシティを目指しましょう。

総括すると、手数料や現金受け渡しのタイミングの面ではまだまだ改善の余地が大きいサービス、という印象を持ちました。クレカキャッシングが使える平時に、敢えて高コストな方法を選択する意味は無さそうです。

ただし、日本政府の支配下にある銀行や取引所を一切介さずに法定通貨と暗号通貨の交換ができるという意味では、有事の際に役立つ可能性があります。日本国内に何億円分の証券や預金を持っていようと、資本移動規制されたら終わりですからね。日本のクレジットカードが海外では通用しなくなるシナリオもあり得なくはないです。いざという時に海外の両替所で現金化する手段も選べるのは、ポータビリティーのある暗号通貨ならではの特長だと思います。

参考ツイート:

関連記事:

2023年9月1日

資産のポータビリティー

確かに、保有資産のポータビリティーについては普段から意識しておいた方が良いかもしれません。

国民の資産を国外へ逃がさないための規制なら既にいろいろありまして、たとえば銀行口座からの海外送金なんて4年前の時点で実質禁止状態でした。→日本の金融鎖国化は着々と進行中

最近だと暗号通貨取引所にも送金規制の魔の手が及んでいます。→暗号通貨の国内取引所がオワコン化している

いよいよ金融版グレートファイヤーウォールの完成間近です。

「日本から逃げるならご勝手に(移動の自由を規制することは憲法上できないから仕方ない)、でも資産を逃がすのは許さないよ(マネロン対策を口実に規制できるからね)」という日本政府の強いメッセージが伝わってきます。

海外でも働けるスキルを持っている人なら、体一つで日本脱出することになってもまだ何とかなるかもしれません。しかし、私のような完全リタイア民の場合は、全財産が日本国内あってポータビリティーが無い状態で逃げると詰むおそれがあります。

資産がポータブルであることの重要性に気付かせてくれた、日本政府の金融鎖国政策には感謝しかありません!(嘘)

「ビットコインなら持って逃げれる」の補足。

  • ビットコイン限定ではなく他の暗号通貨でもよい。価格変動リスクを嫌うならステーブルコインという選択肢もある。
  • 持って逃げるためには必ず non-custodial ウォレットに入れておくこと。取引所などの custodial ウォレットにある暗号通貨は、前述の規制によって送金できないリスクがある。

関連記事:

2023年4月11日

法定通貨のインフレは止まらない

読みました。良記事です。

法定通貨は無リスクだとか、その価値を政府が保証しているとか思い込んでいる人に、是非読んで頂きたい内容です。

その通りですね。

今はほとんどすべての物、サービス、資産が値上がりしている状況です。一斉にすべての物の価値が上がったわけではなく、金融緩和政策によって法定通貨の価値が下がったと考える方が自然です。

結局のところ、インフレ政策とは政治家が大半の人々を犠牲にして票田にばら撒きを行うための政策であり、しかもインフレになれば積み上がった政府債務が戦後のドイツのように帳消しになるのだから、政治家にとっては良いことしかない。

これです。政治家が自発的にインフレ政策をやめるインセンティブはありません。したがって、政治的にインフレを止めることは不可能です。

ほとんどの人々は他に通貨の選択肢がないと思い込まされているため、政府による自国通貨の減価(これはインフレ政策と完全に同義である)によって資産を失ってしまう。日本でもアメリカでもインフレによって事実そうなっている。

まさに現在進行形で起こっている事ですね。特に日本では、稼いだ法定通貨を銀行に預けたままの人が多く、政府にとって大変都合の良いカモネギになっています。

元々紙幣とは、銀行にゴールドなどを預けていた預かり証だった。法定通貨もそうだった。だが政府が預かっていたゴールドを勝手に使ってしまい返せなくなった。それが金本位制の廃止である。アメリカではこの出来事はニクソンショックと呼ばれる。

やばい!預かったゴールド返せなくなってしもた ⇛ せや、兌換制度廃止したろ

って発想がもう無茶苦茶ですやん…。公権力が通貨発行権を独占すると、こういうジャイアニズムがまかり通る世界になるわけです。

様々な企業が通貨を発行するようになれば、その企業は自分の利益の源泉である自分の通貨の価値を守ろうとするだろうとハイエク氏は言う。(中略)

結論

こうした最近の試みは、言うまでもなく暗号通貨だろう。

ハイエクの時代には、あくまでも政治的な手続きを経て公権力による独占をやめさせ、自由化を勝ち取る必要がありました。そこが絶望的だったわけですが、今は違います。政治的な手続きを経ずに誕生した暗号通貨が既に流通しています。サトシ・ナカモトが発明した技術によって、立ちはだかっていた大きな障害を迂回できました。ハイエクが今の時代に生きていたらさぞ喜んだことでしょう。ジャイアニズムがまかり通る絶望的な世界に、僅かな希望の光が出現したのです。

関連記事:


2023年3月20日

中田敦彦の「仮想通貨とWeb3.0革命」シリーズを見た感想 その2

後半。

4:24「アメリカのエリートはGAFAに就職しない。仮想通貨の取引所に就職」

補足しておくと、就職する企業が変遷するのは過去にいくらでも事例があり、Web3革命でも何でもありません。やがて集権型の取引所さえも不要になり、エリートは企業に就職せず匿名でDAOに参加するようになる、という点が革命と言えるのです。ビジネスのあり方をここまで変える可能性を秘めた技術である、という説明がほしいところです。

7:41「アメリカは国を挙げてこのイノベーションをサポートする」

この発言を一例として、いまだに国単位で物事を捉えているの?Web3の時代に?と感じる場面が多々ありました。「中国は~」「アメリカは~」「イギリスは~」「日本は~」というふうに、国を主語にして語る癖が抜けていません。暗号通貨とWeb3は金融と情報の「民主化(*)」を推進する技術なのですから、主語は国でも企業でもなく、個人になるはずなんですが…。

(*)民主化という表現は誤用で、本当は「自由化」が正しい

13:50「頭の良い人たちは海外に出ている」

これも既存の「法人」という中央集権型の枠組みの中でビジネスやるなら、税制が劣悪な国に居ては何もできない、という話に過ぎません。DAOという非中央集権型の仕組みを使って匿名のままビジネスができるなら、その人の体がどの国に存在するかなんてどうでも良くなるのでは?

45:07「日本という非常に可哀想な選手を救うのは私達でありあなた達ですよ」「声を上げていくしかない」

ここでもやはり救済の対象は日本という「国」だと考えているようです。そして、「声を上げて」つまり政治的に解決すべき問題なのだそうです。

いや、何をどう考えても「国」なんて巨大なものを救うための技術ではないんですよ。逆です。巨大な国家権力の一部を無効化するために発明された技術です。権力が無効化できるからこそ、最小の存在である個人が救われるのです。この因果関係を正しく理解していないから、政治でどうにかしようという、全くWeb3らしくない発想になってしまうのではないでしょうか。

関連記事:

2023年3月19日

中田敦彦の「仮想通貨とWeb3.0革命」シリーズを見た感想 その1

前半。

久しぶりに彼の動画を見てみたところ、なかなか良かったので感想をシェアしたいと思います。

3年半ほど前の記事:

当時の動画ではFacebookのLibraがどうのこうのと熱く語っていましたが、今では影も形もありません。案の定、中央集権型の暗号通貨であるが故に、アメリカ政府に潰されてしまいました。

当時の彼はDeFiもWeb3も全く知らない様子でしたから、私は次のように書きました:
これらのテーマについては中田氏の動画ではまだ全く取り上げていないようなので、今後その可能性に気付いた彼がどのような動画を上げてくるのか楽しみです。

その楽しみが、今回の動画でやっと実現したことになります。暗号通貨について無知で誤解しまくっている多くの日本人が、このような動画を見て誤解を解く機会を得たのは良いことです。

前半32:21「日本人は仮想通貨の理解が遅れている」

同感です。

じゃあ他国の人は正しく理解してるのかと言えば、それも否ですけどね。普段日本語の情報を中心に見ているから、日本人の大半がそうであることだけは確信できます。少しでも心当たりのある方は、この動画を見ることをお勧めします。

(つづく)

2022年12月31日

2022年末の資産残高推移

年に一度の資産残高集計を済ませました。

前年比マイナス73%(USDベース)となり、自分史上ワーストの資産減少率を更新しました。ちょうど1年前の私はこれ以上増えたらどうすんだw的な天狗メンタルでしたが、そんなに甘くなかったです。見事に鼻を折られました。

最大の要因は、ポートフォリオの半分以上を占める暗号通貨ETHの下落です。この1年でETHのドル建て価格は1/3になりました。1年前のブログに「たとえば1年後に半額、いや1/4になっていたとしてもべつに驚きません」と書いたことが現実となったわけです。そして実際に1/3に下落したETHを見てもべつに驚いてない自分がここにいます。預言者か?


ETHの減価率よりもさらに多く資産が減っているのは支出の影響です。今年、人生で3番目と4番目に高額の買い物をしました。資産がみるみる減っていく中でも、さらに資産を減らす方向の意思決定を躊躇しなかった自分を褒めたいと思います。同様の資産激減を体験した2008年の私とは大違いです。当時より人生の残り時間が14年も少ないのだから、それに合わせて財布の紐も緩くなるのは当然と考えます。よくあるX%ルールのような支出の上限を設ける予定もありません。今後もメリハリの利いた支出を続けます。

関連記事:


2022年10月10日

「Web3が国家戦略」という矛盾

同意できるのは1行目だけですね。

国家とその支配下にある企業によって奪われていた個人の主権を取り戻す技術がWeb3であって、国家戦略としてそれを推進する=国家が自ら支配力を弱める、そんな動機なんて無い、という矛盾。

2行目以降の違和感はどこから来るのか考えてみました。

web3を活用できなかった国は滅ぶので、滅びたくない国や自治体は活用するしかない。

いまだに国単位で物事を捉えていることが、そもそもWeb3らしくないです。

コテコテの中央集権型組織である国や自治体が、Web3をどうやって「活用」できるのでしょうか。本当にそんなことができたとしたらもはや権力はそこには無く、国や自治体という権力の主体は滅んだのと同じことです。「Web3を活用できた国」という概念は矛盾しています。

支援するふりして足を引っ張るような動きには最大限警戒しつつ、一利害関係者として接するべき。

前述の通り国家にWeb3を支援するインセンティブなどありませんので、支援するふりをしながら足を引っ張る方法を編み出すのが国家戦略である、とみなすべきでしょう。

そうとわかれば話は単純で、政府との間に妙な利害関係を想定して役人たちの顔色を伺う必要すらなく、そんな連中とは最初から関わらなければよいのです。

起業家が常に政府役人の顔色ばかり気にして揉み手で規制当局に擦り寄る姿は、もう見たくありません。人々をそんな非生産的な仕事から解放するために発明された技術が、パブリックブロックチェーンでありWeb3であるはずなのに…。サトシ・ナカモトが泣いてますよ。既存金融や集権型の取引所と同じパターンを踏襲するなら、Web2のままで十分です。

参考ツイート:

関連記事:


2022年5月18日

JPYCを経由してオフランプすると5%お得

最初は意味がわからなかったのですが、脳内で情報を補完することによりやっと理解しました。

このルートの始点は$ではなくJPYです。具体的な金額と両替方法を当てはめるとこうなります。

136330JPY→(BinanceでRevolut決済)→1000USDT→(1inchでスワップ)→136880JPYC

最初に支払ったJPYと最後に受け取ったJPYCを比較すると、136880/136330=100.4%(の計算間違いと思われます)に増えているというわけです。

増えたJPYCをgifteebox→au PAY→Revolutへ戻せば錬金術の完成ですが、ルーピング行為はRevolutの規約違反に当たるので、発覚するとアカウント凍結されると思います。

ルート後半の「1000USDT→(1inchでスワップ)→136880JPYC」に着目すると、DEXでのUSDT/JPYCの交換レートは法定通貨ペアUSD/JPYよりも5%以上円安に振れていることがわかります。

つまり、暗号通貨から法定通貨へのオフランプの際、JPYCを経由することによって5%程度お金が増えるという不思議な現象が起こります。以前ならJPYCはJPYよりも用途が限られた不便な通貨でしたから、これぐらい増えて当たり前な気がしていましたが、今は違います。前述のgifteeboxとau PAYを使う方法によって1:1でRevolut内のJPY残高に変換できるようになったからです。

Revolutの残高は現金では無いものの、Revolutによる支払いは非常に広範囲で通用するので、生活に必要なお金の大半は暗号通貨からのオフランプでも賄えることになります。しかも今なら5%のボーナス付き! しばらくの間、このルートをありがたく使おうと思います。

因みに、元のルートで最終的に0.4%しか増えないのは、ルート前半のオンランプ部分「136330JPY→(BinanceでRevolut決済)→1000USDT」で、Binanceに5.5%もカード決済手数料を抜かれているからですね。1000USDT買うのに1055.3USD支払っています。そもそもカードって手数料高すぎませんか。暗号通貨を買うのにクレカやデビカを使うのは、あまり良い方法とは思えません。

参考ツイート:



2022年4月14日

暗号通貨で弁当が買える時代

素晴らしい!

たとえばBTC払いの場合、今のレートでたったの200円ですね。Lightning Networkの送金速度は数秒、手数料は1円未満とのことです。私が大いに期待しているETHのL2ではまだそこまでの性能は出ていませんので、BTCのことを過小評価していたかもしれません。これでLNにステーブルコインが載ったら最強だと思うのですが…。

JPY払いだと800円の弁当が1/4で買えるというのも凄いですね。もし私が首都圏に住んでいたら毎週せっせと通っていたでしょう。

東京だけでなく、日本中、いや世界中にこういう店がどんどん出てきてほしいと願っています。日常の決済で法定通貨を使わなくなる未来が楽しみです。

参考ツイート:

関連記事:

2022年3月31日

暗号通貨の国内取引所がオワコン化している

悪名高いbitFlyerだけじゃなく、GMOコインまでこんなことやってるとは…。海外取引所のアドレスや、なんとMetamaskのアドレスにも送金できないらしいので終わってますね。

藤巻健史氏がXデイに備えて口座だけでも開設しておくことをお勧めしていましたが、もはや国内取引所にon-rampの機能は無いも同然です。口座を持っていても何の役にも立ちません。資産を安全圏に逃がすためには、別の方法を考えたほうがよいでしょう。

私はoff-ramp用途に使えるかもと思って国内取引所の口座もいくつか持っているものの、この調子だとMetamaskや海外取引所から送られてきた資金は凍結されそうです。恐ろしくて使う気になれません。

on-ramp、off-rampの手段なら他にもいくつかあるので、オワコン化した国内取引所を使うことはもう無いでしょう。知っている人は知っているし、幹線道路が封鎖されても次から次へと抜け道が作られていきます。私は今年に入ってから新しい抜け道を3つほど見付けました。需要があるところに供給は生まれるものだと実感しています。

参考ツイート:

 関連記事:

2022年2月11日

通貨の匿名性は低いほうが良いのか?

彼はこのように、通貨の匿名性が高いことを問題視する発言を頻繁にしていますが、いつも違和感があります。

現金よりも匿名性が低く資金の流れを追いやすいことを、暗号通貨の利点だとかアピールしちゃって本当にいいんですか?

たとえばTornado cash等のミキシングサービスを使えば、暗号通貨のマネロンは簡単に実行できますよ。「マネロンに使われにくい」なんてことを根拠にしていたら簡単に反証されてしまいます。

アンチマネーロンダリング(AML)とは、既存金融の世界でも猛威を振るっている通り、規制したい側(例:金融庁)にとって都合の良い口実に過ぎません。規制されたくない側の人がそんなものを持ち出した時点で負けでは?

以前の記事にも書いた通り、相手の土俵に上がって無用な相撲を取らされている感があります。関連記事:「暗号通貨のX%が違法行為に関連」的なニュースを見るたびに思うこと

暗号通貨は便利な道具の一つなので当然、違法行為にも使われます。それが何か? インターネットや携帯電話でも同じことですよね。この姿勢を貫くだけで十分なのに、余計な言動で墓穴を掘っている気がしてなりません。

ほら、岡部氏のロジックに乗っかってこんなこと言い出す人もいるからゾッとするんですよ。こんなの完全に敵に塩を贈る行為です。

隠れてゴニョゴニョできなくなるから暗号通貨は素晴らしい!とか言ってしまった日には、じゃあ現在匿名で使われているnon-custodialウォレットにもKYCやマイナンバー紐付けしたって構いませんよね?あなたやましいこと無いんでしょ?という流れになりますよ。資産課税の足音が聞こえてきても資産を隠すことは許されない世界線。ああ素晴らしきディストピア。

私は「(政府が)資金の移動は追える」だけでも十分な脅威に感じるので、通貨の匿名性が低いことは逆に大きな欠点であると認識しています。

暗号通貨の匿名性を高める技術に期待したいと思います。

参考ツイート:


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