賛成
"お米も、価格は 2160円 (消費税 160円、米農家への利益転嫁額 1200円)って書いてあるとか。こうしたら皆、TPP に反対か賛成か判断しやすい"
利益移転についても開示したらいーんじゃないの?- Chikirinの日記 http://t.co/RL70vaaGZM
— 遊民 (@yumin4) 2014, 5月 28
我々が毎日消費している身近な食料品の価格の内訳が、実はこんなふうになっていることに気付いていない人が、まだ圧倒的に多いような気がします。そうとでも考えなければ、生産者と縁もゆかりもない一般消費者までもがどういうわけかTPP反対に回り、世論が真っ二つに割れる状況が説明できません。消費者の立場で、輸入品に課せられているバカ高い関税をそのまま維持しようとするなど、正気の沙汰とは思えませんので。
ちきりんさんが指摘するような、消費者から広く薄くお金を削り取って、少数の生産者、天下り団体、その他へ移転する構造が日本の至る所に存在しますが、これらは巧みに迷彩が施されているので、目を凝らしてしっかり見ないと気付かないのです。
これについて調べていたら面白いブログを見つけました。
ステルス税 | ガメ・オベールの日本語練習帳v_大庭亀夫の休日
良記事ですが大変長いので、リンクを踏むなら時間のあるときにゆっくりどうぞ。
社会保険料、不動産価格、高速道路、電気料金など、外国人の視点から見た日本の特異性がうまく表現できています。しかも日本語が完璧ときた。
日本の物価の特異性については、最後の50行ぐらいに書かれていることがまさに「あるある」なので部分引用すると、
日本の物価の特徴は、その全般的な高さよりも、「必要なものほど高い」ことにあると思う。呼吸代っていう表現が面白い。
びっくりするほど、どころか、正気が疑われるほど高い飲み物は別格として、生きるのに必要な食べ物がすげー高い。
(中略)
ふつー、生活必需品が嗜好品に較べて奇妙に高いというのは政治がバカタレであることを示している。
誰かが積極的にオカネを抜き取っていることを示している。
どこの国の歴史でも過去にはあったことだが21世紀になって、まだこんな野放図な無茶苦茶をしているのは日本だけではあるまいか。
(中略)
ニュージーランドでもあるいは連合王国ですら、家でごーろごーろしていて何もしないでいるとオカネはなくならない。
(中略)
すべての出費に実質が伴っておる。
使わなければ減らない。
日本では息をしても呼吸代が自動引き落としになっておって、人間でいるとみな自転車操業においつめられてゆくような不思議な経済システムになっていた。
家がボロイ(すまんすまん)ので、ひとびとは町へ出る。
町へ出れば地下鉄代を払い。紅茶代を払い。食事代を払い。
なにもかもオカネで時間と場所を買ってゆかねばならない。
うー、たまらん、窒息しそうな社会だ、と考えました。
phaさんのブログにも似たような記述があったことを思い出します。
『フルサトをつくる』目次と「はじめに」を公開します - phaの日記:
あと東京は何をするにもお金か゛かかる。毎日家て゛寝ているた゛けて゛も家賃の負担か゛大きくてお金か゛カ゛ンカ゛ン減っていく。ケ゛ームて゛言うと歩くた゛けて゛体力か゛減っていく毒の沼地にいるような感し゛た゛。東京は僕のような無職て゛怠惰な貧乏人にやさしくない。毒の沼地。これもドラクエ好きには非常に分かりやすい。
ガメさんのブログに戻ります。ここからが特に秀逸。
オカネの最大の効用はオカネについて考えなくてすむことだが、日本では「オカネを考えなくてすむ幸福」になかなか手が届かないもののよーである。「ステルス税金」(JST)とはよく言ったものです。まさにその通り!
バカガイジンども(わし含む)は、日本にいるとき、いろいろな物品の価格に含まれてしまったさまざまな規制コストやあるいは農業家本人たちが自信をもって述べるところによれば競争力がまったくない農業を救うための助成金、高速料金のようなバカげた言いがかりに似た公共料金とゆーよーなものを一括して「ステルス税金」(JST)と言い囃して喜んだが、本来、国がやらなければいけないことの放棄や税金という名前でない税金、雇用主や大企業に支払い義務を負わせることによって税金を現実の負担者であるひとりひとりの日本人から見えなくしたシステムは、それ自体が民主主義に対する欺瞞であって、国がひとりひとりの国民に対して慢性的に繰り返している犯罪であると思っています。
だめじゃん。
だめだめだと思うぞ。
庶民から搾取しているのは一体誰なのか? わかりやすく見えやすい身近な大企業や資本家ではなく、もっとわかりにくく見えにくい何かがあなたの財布から少しずつ確実にお金を抜き取っていることに、あなたが気付いていないだけかも…。