その3の続きです。
p.190
日本という国は、税金で集めた額のほぼ倍の金を使っている。たしかに政府は気が遠くなるほど分不相応な浪費をしていますね。
(中略)
こういう話をすると、「税金の無駄遣いをなくせ」という話になるが、倍ですよ、倍。無駄遣いとか節約どうこうという額ではない。公務員を減らすとか、そういう額では全然ないのだ。
ですが、どうしてこんなことになったのかを突き詰めていくと、やっぱりありとあらゆる無駄遣いの蓄積なんですよ。その中でも大ボス級の無駄遣いは社会保障費で、年金にしろ、健康保険にしろ、公金を注入する必然性が全く無いものに莫大な金を浪費し続けるという愚策。
p.191
(国民年金や税金の前納割引制度を指して)
そうやって、金を少しでも早く集めようとしているわけだ。年金や税金の前納分って、ほんとに納付した年の売り上げに計上されているのでしょうかね。もしそうだとしても、全員が一斉に前納しないと倍にはなりませんが…。
二年分を前払いで納めさせれば、今年の「売り上げ」が倍になる、という決算をするのである。国債を発行して、予算を倍にするのと同じ理屈だ。さきざきのことを考えたら、全然得ではないのに、今が良ければ良い。政治家はみんなご年配だから、自分が生きているうちは、金が回っていれば、それでやっていける、と考える。将来のことなんか知らないよ、というわけだ。それは、「今の若い者がまた考えろ」ということなのか。
「将来のことなんか知らないよ」という政治家の態度は、バラマキをこよなく愛する有権者たちの醜い姿が鏡に映っているだけです。多数派の政治的暴力によって闇に突き落とされた将来世代は、さらに厳しい受難の時代を迎えることでしょう。
年金などは、明らかに「ねずみ講」である。国がやっていることだし、国民がみんな参加しているし、利回りがそれほどでもないので、破綻するまでに時間がかかった、というだけだ。まあ、破綻したら、また国債を発行すれば良い、と考えているのだろう。年金はねずみ講に同意。
強制参加なら我慢するしかないですが、参加しなくてもいい状況なら参加しないに限ります。
「破綻したら国債発行」とか呑気に構えている段階ではなくて、既に実質破綻しているし既に借金で回しているのが現状です。
民主主義というか、資本主義というのか、つまりは、今の社会は、こんなふうに破綻するのかな、というイメージがだいぶ現実的になってきた。ギリシャやイタリアをよく見ておこう。民主主義はともかく、この文脈で資本主義を持ち出すのは筋違いでしょう。関連記事:
貧BPさんのブログより。 ギリシャ金融危機に関して | 貧BPの人生オワタ\(^o^)/旅 : 資本主義の矛盾のしわ寄せを一気に押し付けられ、庶民としてはまさに迷惑千万の事態と言ってよいでしょう。 ギリシャ政府の財政危機の話に、初っ端から「資本主義の矛盾」という言葉が出てきたので...
ギリシャの例を見るまでもなく、国債が頻繁にデフォルトしている国はいくらでも存在します。国家の財政って放っておくと自然に破綻に向かうものなんだな、という物理法則が学べます。
歴史に学ぶなら、財政破綻を防ぐためにどうすべきかを必死に考えるのではなく、もし政府が財政破綻したら生きていけなくなる、というような政府依存型の人生設計をしないことが肝要だと思います。