2014年6月20日

『未来の働き方を考えよう』 ちきりん(著) その2



『未来の働き方を考えよう』 ちきりん(著) その1の続きです。

■ミニマムに暮らすという選択
まったく別の形で、従来型の働き方に疑問を抱き、これまでの常識とはかけ離れた生き方を選ぶ若者もいます。それは、生きることにかかる費用を最小化することにより、人生において働かなければならない時間も、最小化しようという生き方です。
(中略)
こういう生活でいいのなら、正社員である必要もフルタイムで働く必要もありません。数年働いて数年遊んでいるといった生活さえ可能になり、しかもシェアハウスに暮らしているので、孤独でも寂しい毎日でもないのです。
節約系リタイアブログ界隈では最早こちらの生き方のほうが「常識」になりつつありますが、有名なちきりんさんの本で紹介されたことで広く一般に知られるようになりそうです。非正規労働者=経済的弱者=可哀想みたいな(NHKが好きそうな)刷り込みが少しでも無くなればいいなと思います。

1ヶ月8万円のアルバイト料で暮らすなんてありえないと思われるかもしれませんが、シェアハウスに住み、ネットで仲間とつながる彼らは、貨幣経済を介在させずに、様々な便益を交換しています。
(中略)
たくさん稼いでたくさん使うと、稼ぐ方にも使う方にも税金がかかりますが、仲間で助けあっている分には、税制は介入してこないのです。
今のように高所得者に厳しく低所得者に優しい日本で徹底して経済合理性を追求していくと、やっぱりこうなりますよね。実に効率的な暮らし方だと思います。何しろお金を稼いでも使っても罰を与えるのですから、できるだけお金を稼がない、使わない方向に向かうのは当然の流れかと。

不動産も子どもも要らない
私は、日本人の半分がミニマムな生活を選ぶだろうと言っているわけではありません。ただ、100人に数人が「不動産も子どもも要らない。その代わり、あまり長い期間、働きたくない」と言い出す社会を、不健全だとも思わないのです。そういう人が一定数、現れることはごく自然だし、それを望む人がそう生きられる社会は、豊かな社会だとさえ感じます。
同感です。

戦中に日本政府は、「産めよ増やせよ」と多くの子どもをもつことを国民に勧めました。その目的は、生まれた子どもを兵隊にするためでした。「少子化が続けば年金制度が破綻する」という意見も、それと全く同じです。私たちは兵隊にするために子どもを生むのでも、年金制度を支えるために働くのでもありません。
完全に同意します。
子どもを増やす目的は兵隊を増やすためだった、というのは恐ろしい話だと、誰もが感じることと思います。
しかしそれが「年金制度を支える」というような一見高尚な、社会福祉の目的に置き換わったとたんに、多くの人はなぜか子どもを増やすことが正しく、税金つぎ込んででも少子化を止めないといけないなどと言い出したりします。
どちらの目的でも、滅私奉公という点ではまったく同じだと思うのですが。

消費税増税のとき、全額を社会保障制度の維持にあてるという耳障りの良い言葉に釣られて、賛成に回ってしまった国民と同じような匂いがします。社会福祉や社会保障というのは政治家にとって非常に使い勝手の良い、魔法のような言葉なんですね。

そういう言葉に惑わされないようにしたいものです。
止めなければならないのは、少子化になると破綻するような出来損ないの年金制度の方です。少子化そのものは善でも悪でもありません。

支出マネジメントが引退可能年齢を決める!
私たちに必要なのは、お金に関する根本的な発想の転換です。実は早期引退の可否を左右するのは、収入ではなく支出の多寡なのです。
そうです。その通りなんです。
いやはや、生活レベルが高そうなちきりんさんとも意見が完全に一致してしまったのでちょっと驚きました。

早期リタイア志向の人にもお勧めの一冊です。

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