2015年1月25日

『臆病者のための億万長者入門』 橘 玲(著) その5



p.169
投資はギャンブルの一種で、合理的な投資家が常に勝者になるとは限らず、勘違いが大きな成功を生むこともある。だが最後には、不合理な投資家は淘汰され消えていく(たぶん)。
金融市場というのは、ようするにそういうところなのだ。
概ね同意。
金融市場がリターンの高さを競う競技場だとすると、誰よりも高いリターンを叩き出す優勝者は常に、不合理な投資家の中から出てくるはずです。
宝くじを買うような不合理な人の中からしか、3億円を当てるという最高のリターンをあげる優勝者が出てこないのと同じことです。合理的な人は宝くじを買わないので絶対に優勝できません。

投資家はアスリートとは違って、ナンバーワンになるという目標を持つ必要はありません。むしろ他者と競って勝つことを意識すればするほど、不合理な投資家になってゆくと思います。

p.190-192
資産運用本の多くは株式と不動産を同じような投資対象と説明しているが、この二つの「市場」はまったくの別物だ。
(中略)
思いつくままに挙げてみたが、これだけでも株式取引に比べて不動産取引がいかに不利かわかるだろう。
同意。
現物不動産は取引コスト以外にも管理コストが高すぎて割に合わないでしょう。不動産という資産クラスがどうしても必要なら市場でREITが買えますし。
「市場価格」が存在しないという意味では、ファンド化されていない生債券などにも手を出したくはないですね。

p.197-198
不動産投資のノウハウというのは、けっきょくのところ「いかにしてインサイダーになるか」ということに尽きるのだ。
不動産市場では情報の分布はインサイダーとアウトサイダーに二極化している。インサイダーが鼻もひっかけない物件だけがアウトサイダー、すなわち一般顧客に回されるのだ。こうした市場の構造から、素人が「掘り出し物」の物件を見つけるのは原理的に不可能だとわかる。自分が有利な取引をしたと思っても、それはただの勘違いだ。
同意。
現物不動産は株式よりも遥かに玄人向けの投資対象なのに、「不動産投資で不労所得を!」みたいな胡散臭い誘惑が巷に溢れているので気をつけましょう。

こういう話をきくたびに、投資のプロがサルに負けることもある株式市場って本当に素晴らしいところだなと思います。

(つづく)

1 件のコメント:

  1. 金融市場がリターンの高さを競う競技場だとすると、誰よりも高いリターンを叩き出す優勝者は常に、不合理な投資家の中から出てくるはずです。
    そんなことないですよ。
    誰よりも高いリターンを上げている投資家はバフェットだと思いますが、彼の投資理論は実に合理的です。
    不合理な投資家で勝ち続ける人はいないでしょ。長期的に見れば合理的な投資家がもっとも高いリターンを手にしていますね。

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