2015年12月31日

2015年末の資産残高推移

年に一度の残高集計の時期になりました。
去年の記事はこちら
一年前の記事。 2013年末の資産残高推移 今年の資産残高は+15.4%という結果になりました。 年間支出の方は5%ほど減少。消費税増税や円安インフレで体感的には支出増の一年だったのですが、やや意外な結果となりました。 リタイアした年である2007年からのデータを並べてみましょう...
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asset-graph-2015.png

今年の資産残高はJPYベース(青線)で-1.0%という結果になりました。
赤線はUSD換算した資産残高推移で、今年は-1.9%でした。

年間支出の方は去年より8%も減少。特に節約に励んだつもりは無いので、どうしてこうなったかというと、この記事で触れたように、支出のマイナス入力をするようになったからだと思います。

リタイアした年である2007年からのデータを並べてみましょう。
2007年: +6.8%
2008年: -37.4%
2009年: +17.3%
2010年: -4.7% 年齢+ACR=77
2011年: -13.7% 年齢+ACR=76
2012年: +19.2% 年齢+ACR=89
2013年: +31.5% 年齢+ACR=106
2014年: +15.4% 年齢+ACR=120
2015年: -1.0% 年齢+ACR=126

3年連続で名目資産プラスというボーナスステージが終わり、平常運転に戻りつつある感じですね。それでもまだ、想定していた資産減少率からすると上振れしていることになりますが。

余命の割に資産過多の状態になっていることは明らかです。そろそろ如何にして財布の紐を緩めていくかを考える時期に来ているのかもしれません。

2015年12月24日

1億総クレクレ社会へ向かう日本

東京都議会議員おときた氏の公式サイトにこんな記事がありました。

【メモ】3人目以降の保育無料←1人目から無料にした方がいいんじゃ… | 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト
保育士不足の解消策といい、どうにも政府がいま打ってくる手は
すべて的はずれなもののように思えてなりません。
その通りです。
保育士不足の件で言えば、問題の原因は政府の市場介入と規制なのだから、政府がそれをやめれば市場メカニズムによって需給が釣り合うのに、180度逆に政府がさらに「対策」とやらを上塗りして何かを改善したつもりになっているところとか。

バターの「緊急輸入」とまるで同じ構造のマッチポンプですよ。省庁が違っても日本政府のやることはワンパターンでわかりやすいですね。
関連記事:
こんなニュースを見かけました。 農水省 クリスマス前に家庭用バター供給要請 NHKニュース : スーパーの店頭などで家庭用のバターが品薄になっていることから、農林水産省は、28日、乳業メーカーに対して、クリスマスの需要期に向けバターを最大限供給するよう文書で要請しました。 ...
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さて、彼の記事で触れている毎日新聞の元記事を見てみましょう。
<子ども貧困対策>保育無料を拡大…3人目以降一律 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
今回の支援策では、子どもが3人以上いる年収約360万円未満の世帯は兄弟の年齢にかかわらず2人目は半額、3人目以降を無料とする。幼稚園にも同様に適用する。住民税非課税のひとり親家庭は保育料を第1子、第2子ともに無料化する。
なんだ、住民税非課税のひとり親なら1人目から無料って書いてるじゃないですか。
ということは、彼の主張は、その条件を満たさなくても年収360万円未満の世帯なら、ケチくさいこと言わずに1人目から無料にしろということなんでしょう。

おときた氏の記事に戻りますと、
それが財源がないから、という身も蓋もない理由だとすれば、
軽減税率やバラマキ政策を改めて見なおして欲しいと強く思います。
とのことですので、要するに「老年世代へのバラマキではなくて、子育て世代へのバラマキをやれ」という主張にしか見えないのですが…。

年収360円未満の世帯だけが対象だからバラマキではないと?
いや、年金世代向けの臨時福祉給付金だって住民税非課税世帯だけが対象ですけど、それをバラマキだと批判しているのではないのですか?

私に言わせれば両者とも完全にバラマキですよ。なぜか子育て世代へのバラマキなら許されると思っている人が多いようですが、所詮は同じ穴のムジナです。「少子化対策!」と書かれた錦の御旗を振りかざしている分だけ、なにやら社会正義の実現のために戦っているように錯覚しているだけのことで。やっていることは何の変哲もないクレクレ行為でしかありません。

結局、政府が税金を使って福祉を充実しようとすればするほど、こういう不毛なクレクレ合戦になるという典型を見ているように思います。
「そのカネをあいつらではなく俺たちによこせ!」「カネが足りない? 誰かから奪えばいいだろ!」
という風に、誰から奪って誰に与えるべきだという卑しい争いを際限なく続けることになるでしょう。

関連ツイート。


ほんとその通りですね。大多数の国民がたかり根性なので、たかり行為がどんどん正当化、合法化される国になってしまったわけです。民主主義の原理から、そうなるのは必然です。
そして、社会のシステムがたかり行為に最適化されればされるほど、個人の戦略としてもたかられる側ではなくたかる側に回るのが合理的になるという悪循環。これが急に逆回転を始めて、たかり行為が縮小していく日本の姿が全く想像できません、残念ながら。

日本の行く末は、1億総活躍どころか1億総クレクレ社会になるのではないかと危惧しています。

2015年12月19日

「ココマネ」サービス終了で家計簿をどうするか

半年前、家計簿の付け方で取り上げたばかりのオンライン家計簿「ココマネ」が、12月25日でサービス終了となります。

【重要】ココマネ サービス終了のお知らせ|ネット家計簿ココマネ

どうせなら31日まで使わせて欲しかったなあ。年の途中で家計簿切り替えると、年末の集計の手間が増えてしまいます。

類似のオンライン家計簿に乗り換えようかと色々試してはみたものの、どれも今いちしっくりこないんですよね。せっかく乗り換えても、いずれまたサービス終了になったら面倒だということもあり、GoogleフォームとGoogleスプレッドシートを使ってシンプルな家計簿を自作してしまいました。

参考記事:
家計簿をつけています。簡単なやつです。 「いつ」「どこで」「何に」「いくら」お金を使ったかをメモしておくくらいのライフログのようなものです。 あんまり面倒なことはしたくなくて、プラットフォームに縛られない形で検討した結果、Googleドライブのスプレッドシートを使うことにしました。 専用のフォームを作成し、htmlが開けるオンライン環境でフォームを開いて、いくつかの項目を入力して送信することでスプレッドシートに書き込まれていくという流れです。 スプレッドシートはMicrosoft OfficeのExcelのようなもので、オンラインストレージであるGoogleドライブ上に保存されており、以下の形…
azuma006.hatenablog.com

Googleスプレッドシート(Excel互換)やGoogleドキュメント(Word互換)は今までも利用していましたが、Googleフォームなるものがあって、自作フォームがこんなに簡単に作れるとは知りませんでした。

自作した支出データ入力用のフォームはこんな感じに。

家計簿入力フォーム.jpg

必須入力はたったの3つだけ。私にはこれぐらいシンプルなもので十分です。

自作したフォームで収支データを入力していくと、指定したGoogleスプレッドシートにデータが蓄積されていきます。同じファイルの別シートに、そのデータを集計する仕組みを作り込んでおけば、リアルタイムで自動集計してくれます。集計はピボットテーブルを使う方法もあるようですが、私はよりシンプルにsumifs関数を使いました。

参考記事:
さて、あと半月もしたら2015年ですよ!というわけで、2015年用の家計簿をGoogleドライブを使って作りました。 Googleドライブには「Googleフォーム」という機能が用意されていて、アンケートフォームのような画面を簡単に作ることができます。フォームから入力したデータは、関連付けられた表計算ファイルへ自動的に蓄積されていきます。
risa.hatenablog.com

たとえば支出項目別の合計金額を出したいセルは次のようになります。
=sumifs('フォームの回答 1'!F:F,'フォームの回答 1'!C:C,A5,'フォームの回答 1'!B:B,">="&$B$1,'フォームの回答 1'!B:B,"<="&$B$2)

'フォームの回答 1'は支出データが書き込まれているシートの名前で、F列に金額、C列に支出項目名、B列に日付が入っています。
集計シートのB1に集計開始日、B2に集計終了日を入力しておきます。このセルの値を変えることによって、任意の期間の集計結果が得られる仕組みです。

さっそく12月の収支から新家計簿を使い始めました。

2015年11月29日

『20代で隠居 週休5日の快適生活』 大原扁理 (著) その9



p.198
 ある程度の貯金があってこそ、隠居も屈託なく楽しめるってもんです。
基本的には明日死んでもいいように生きるけど、死ななかったときのためにもしっかり蓄えておきたいところ。
「ある程度の貯金」とは、半年分の生活費のようです。(p.197より)
私の場合のそれは半世紀分の生活費なので程度の差は大きいものの、人生の長短両面に備えようとする基本スタンスは同じです。

 では、将来の不安とどう向き合うか。
向き合いません。
これは、やるべきこともやらないという意味ではなく、必要以上に心配してもしょうがない、ということです。
分かります。
不安という感情と真正面から向き合ってしまうと、不安の原因を解消することを際限なく要求されます。そんな要求を全部聞いていたらきりがないんですよね。あらゆる不安を解消することが人生の目的みたいな、奇妙な生き方になってしまいます。

では、まともに向き合わずにどうするのかと言えば、私はこんな風に考えています。
老後不安をどう考えるか
『未来の働き方を考えよう』 ちきりん(著) その1

p.202
 寝るも起きるも、遊ぶのも働くのも、全部の決定権が自分にある生活です。
これほどおもしろいことはありません。
同感です。
まさに自由そのもの。理想的な状態と言えるでしょう。

たまに、全てが自由だとかえって困惑する、みたいなことを言う人がいるのですが、そういう人は自分にとって不要だと思う決定権を手放すなり他者に委ねるなり、それこそ自由に処分すればいいだけかと。個人が不自由を求めるのもまた自由ですから。

つまり、自由という概念は、自由を求める人々だけでなく、自由を求めない人々にとっても使い道がある最強のカード、オールマイティーです。なので、自分が自由を求めているのかそうではないのか、まだはっきりわかっていない段階でも、とりあえず自由の獲得を目標にライフプランを考えるのは悪くない戦略だと思います。

2015年11月27日

『20代で隠居 週休5日の快適生活』 大原扁理 (著) その8



p.188
 介護事業所に支払われる介護報酬が約3%引き下げになるそうで、ただでさえ介護者たちは労働に見合わない薄給で働いているのに、さらに給料が減らされる可能性がある、という内容でした。
あのー、介護って実際はほんとに重労働なんですけど、介護に対する社会の評価ってそんなもんなのか……と思うとやるせないです。
介護報酬なんて政府が懐具合に応じてテキトーに決めてるだけですから。決して、「介護報酬=社会の評価」では無いと思います。

介護業界で賃金が労働に見合わなかったり、常に需要過多で供給が追いつかなかったりするのは、政府の価格統制や参入規制によって市場メカニズムが破壊されているから、ということに尽きます。医療や保育の問題もすべてそれが原因です。要は、日本は資本主義の外見をしているけれども、その中に決して小さくない規模の社会主義経済圏を内包する不思議な国なんです。

政府が価格統制をやめ、介護サービスの売り手と買い手が自由な価格で取引できるようになって初めて、その価格が「社会の評価」と言えるのではないでしょうか。

p.190
 私は定年っていう考え方にも無理があると思います。
十把一絡げに65歳で定年といったって、健康状態も能力も希望も人それぞれですよね。
同感です。
他人が決めた一定の年齢に達するまで働くというのは、自分の人生を生きている気がしません。
関連記事:
オールドマンさんのブログにこんな記事がありました。 リタイアする理由をもう一度考える - 毎日が日曜(^^)   セミリタイアメント : いろいろ、理由つけたが、リタイアしたいのは、「仕事がいやなだけだ」、それだけで十分理由になる。 確かに、それで十分ですよね。 ・理由などないの...
yumin4.blogspot.jp


p.190-191
 私だったら、今のペースで死ぬまで現役で働かせていただきたいです。
(中略)
そんなわけで、私の場合は、毎日働くとしんどいし、かといってまったく働かず社会との関わりがなくなるのも不安なので、週2日ぐらい働くのがちょうどいいみたいです。
ここは私のライフプランとの明確な相違点ですね。労働を細く長くやるのか、太く短くやるのかの違いです。
私の場合は、週2日労働と言えども、それが一生続くとなると「しんどい」と感じますね。肉体的な疲労や拘束時間は問題ないかもしれませんが、労務提供義務を負うことの精神的な負担は、週5日でも週2日でも大差無いように思います。

p.195
 思うに、隠居者というのは、意識的に社会との懸け橋を最低限に抑えて生きていくことを心がけている人のこと、ではないでしょうか。
世のしがらみを自ずから断ち切り、自分の世界へとひきこもること。
つまり、過剰に建設された世間との懸け橋を封鎖しつつ、自分との懸け橋を建設するわけです。
破壊ではなく封鎖、というところがミソです。
なるほど、これがただのフリーターとは異なる点だそうです。
私にもほぼ当てはまっているので、ネガティブなイメージを刷り込まれた「無職」ではなく「隠居者」を名乗ればいいかもしれませんね。「早期リタイア」も一般的には今いちピンと来ない言葉みたいなので。

(つづく?)