仕事中心の人生を歩んできた人が、失業や退職によって自由時間をたっぷり手に入れたとき、どう過ごしたらよいのかわからなくて困惑するという話をよく耳にします。
この本では、そのような贅沢な悩みをもつ人々が、どう考え、どう行動すれば幸せになれるかを説いています。
その中には、確かにそうだと思えるところもあれば、いやそれは違うんじゃない?と突っ込みたくなるところもありました。
やはり幸福の形は人それぞれであり、この本に書いてある通りに考え、行動することが、自分の幸福につながるかどうかは自分以外の誰にもわかりません。それ故、本書の論調が、
「こんな心構えで、こんな目標に向かって、こう行動すべきだ」
と断定しすぎていると感じました。自分の行動がこういう基準に縛られると、本来自由であるはずの時間が自由ではなくなるという矛盾が生じると思います。
自由時間とは、何をするもしないも本人の自由であり、それ自体に価値があるものだと思います。「何か価値のあることをやらなければいけない」と思い込んでいるとすれば、それは強迫観念以外の何者でもないでしょう。
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