2011年2月8日

『勝間さん、努力で幸せになれますか』 勝間 和代 (著), 香山 リカ (著)



お二人ともいわゆる「成功者」の側にいる点では共通ですが、その考え方は対照的です。ここまで価値観が違うと、対談がかみ合わないのは仕方ないですね。
香山 ラクをすること、緊張しないこと、「やらなきゃ」と自分で自分を縛らないこと自体が楽しいんですよ。
勝間 ラクをしている本人が、何をもって楽しいと思えるのか、要素分解してみたいですね。
香山 要素分解なんてできないでしょう。楽しいという感覚なんて、最も主観的で漠然としたものだから。
香山氏が楽しいと感じることは、私もまったく同感なのですが、勝間氏にはそれが理解できないようです。
価値観が違う者同士、どんなに話し合っても分かり合えるわけではありません。

次のように、逆に香山氏にも勝間氏の感覚が理解できないわけですが。
勝間 香山さん、努力という言葉を間違って使われていると思います。努力というのは、別に苦しいものではないんですよ。私は無理なく続けられるということをずっと言ってきていますから。うまく言えませんが、努力そのものが幸せなんですよね。
香山 私にはその感覚がまったく理解できないんですよね。私の人生は、勝間さんに空費や浪費とか言われる時間だけで成り立っているようなものなので、そこを減らすなんて全然「無理なく」じゃないですよ。意味のないコレクション、仕事に役立たないプロレス、スポーツ新聞の購読、十分寝たのにさらに寝る、そんな欲望をずっと抑え続けてスキルアップだなんて、私には苦行そのものです。
努力主義が嫌いな私は言うまでもなく、ここに出てくるような香山氏の感性とのシンクロ率が非常に高く、とても親近感がわきました。

逆に、勝間氏の発言には本当に謎が多いと感じました。たとえば、大金を手にしても働き続ける理由が、
人間、暇だとロクなことを考えない。
からだそうです…。
そんなことはないでしょう。人間、いろいろなことを考える暇な時間があるのは良いことです。それがロクなことであろうとなかろうと。

参考記事: 勝間和代、香山リカ『勝間さん、努力で幸せになれますか』 - 黄金虫で大金持ちになってみよ

0 件のコメント:

コメントを投稿