政府が70歳雇用延長をうちだしたら、企業は45歳リストラをおこなうし、政府が派遣の5年後正社員をうちだしたら、企業は5年直前に派遣を打ち切るし。政府と企業って内戦やってるの? 対立しない改善策ってないの? お互いは利益がぜったいに重ならない敵でしかないの?
— うえしん (@ueshinzz) January 16, 2020
内戦と言うよりは、政府による一方的な企業いじめですね。なので、企業から見て政府は敵ですが、政府から見て企業は奴隷か、良くて召使いでしょう。
雇用延長や派遣の5年ルールなどは政府が一方的に企業の自由を奪い、雇用契約を強制するものです。企業にとってのメリットは何一つありません。企業側にもメリットがある雇用延長や正社員化なら、いちいち政府が干渉しなくても、雇いたい企業と雇われたい労働者の間で任意の契約が成立するはずだからです。
本来なら契約当事者同士の合意に任せていればよいものを、なぜ政府が横からしゃしゃり出て権力で雇用を強制してくるのか、その理由は一つしかありません。一人でも多くの人に、年金受給開始を遅らせてほしいからです。そうしないと制度がもたないからです。無事65歳を迎えた会社員たちに、どうにかしてあと5年は会社員のままでいてもらいたい。年金ではなく会社の金で生活してもらいたい。これが政府の狙いです。
そうして多くの会社員が70歳まで働く社会にした後に、年金支給開始年齢をしれっと65歳から70歳へ引き上げるつもりなのでしょう。今まで通り65歳から年金を受給したい人は繰り上げ受給となり、盛大に減額されることになるでしょう。
雇われる側が希望すれば(雇う側が嫌がっていても)70歳まで働ける制度とは結局、「政府が年金制度の失敗によって生み出した莫大な負債を企業に押し付ける」ために作られているのです。押し付けられる企業からすると、65歳でも十分きついのに70歳まで雇用を義務付けられたのでは堪りません。そりゃ、リストラや派遣切りなどあらゆる手を使って全力で逃げようとするのは、営利企業として当然の話です。
これと同じ構図の利害対立を観察したときに、強制されている側が素直に従わずに抵抗するからそうなるんだ、みたいなことを言う人が跡を絶ちませんが、そういう物の見方は倒錯しています。対立の原因は常に、誰かに何かを強制する側が作っていることを忘れてはなりません。
「対立しない改善策」は唯一、政府が企業に課しているあらゆる縛りをやめること、それ以外には無いと思います。
参考ツイート:
政治の表現:本人が希望すれば65歳以降も働ける制度
— yukinoshibari (@yukinoshibari) May 17, 2018
本当の意味:会社が必要と認めなくても強制的に雇用契約を継続させる制度
実際の効果:65才以降の雇用延長で生じうる損失を給与水準に織り込む制度
役人の意図:約束していた年金はごまかして、困窮は経営者のせいにしよう! https://t.co/e9qgRyLuES
70歳までの雇用を義務付けられるかもしれないのだから、賃上げが低迷するのは当然なのでは。
— 戯画蛙 (@giga_frog) March 13, 2019
この方も勘違いしてるけど、もともと雇う自由はあったのだから、雇っても利益にならない人材をむりやり雇わせる法律なんだよね。
— yukinoshibari (@yukinoshibari) February 19, 2019
もちろん、若い人の人件費で帳尻合わせされるから、事実上70まで働かないと同じ生涯賃金が得られなくなっていく話になるだろうね。 https://t.co/S0B4MIGj5t
自由な社会では「終身雇用」を約束する雇用主がいてもべつに構いません。それを強制だ差別だと難癖をつけて禁止に追い込もうとするのが、「リベラル」が社会主義思想と言われる所以です。
— 遊民 (@yumin4) June 13, 2019
関連記事:
ツイッターより。 独身層が「知らん奴の子供のために出産育児の負担を独身者も背負うなんて冗談じゃない!」って思ってるのと同じようにファミリー層が「知らん独身の奴の老後のためにうちの子が未来に負担を背負うなんて冗談じゃない!」という考えがあるらしく、これはもう戦争ですよ。 — ピン...
ツイッターより。 彼らが年金保険の世代間格差の指標としてきた給付負担倍率って、公的年金が私的な親の扶養を公的に切り替えていった歴史や、年金が保険であることを知らなかった人たちが計算しては、世代間格差だと騒いでいたバカバカしい指標ですよ。彼らのキーワードは、いつも「対立」。なんか...
60歳から十分生活できる金額の年金を貰っている連中を養うために70歳まで働かされる。
返信削除しかも、70歳から支給される年金も生活できるだけの額ではないので貯蓄が必要。
やってられないですね。