2010年1月28日

『知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語』 その1



2004年に出版された『雨の降る日曜は幸福について考えよう Think Happy Thoughts on Rainy Sundays』を改題、注釈を追加して、文庫本にしたものです。

橘氏の本を読んだことがない人にまず1冊紹介するならこの本が最適だと思いました。わずか200ページ余りの文庫本の中に、幸福な人生設計に役立つ知識が満載されたお得な1冊です。

目次はこちら。
AIC:海外投資を楽しむ会:知的幸福の技術:目次

あとがきもウェブで読めます。
AIC:海外投資を楽しむ会:知的幸福の技術:あとがき
本書の親本『雨の降る日曜は幸福について考えよう』のあとがきを、ちょうど5年前に書いた。今回、書名を『知的幸福の技術』と変えて文庫化されるにあたって、データが古くなっている箇所や、状況が変わっているところを註で補った。だがその作業は、当初思っていたよりもずっと楽なものだった。
 5年の歳月を経ても、この国の仕組みはほとんど何も変わっていない。私たちはまだ、同じ場所に留まっている。ただ、声高に正義を叫ぶひとが増えただけだ。

(009年8月 「日本を変える政権選択の選挙」の最中に
橘 玲
確かに何も変わってないようです。読んでいて古さを感じることはありませんでした。

共感した部分を抜き出していくとほとんど全文引用になりそうな程、自分は橘氏のファンなのだなあと、あらためて認識しました。その中から肝と思われる部分を厳選して抜粋してみます。
5 正義のために生きていますか?

 世界は、哀しみに満ちている。
 中東では、凄惨な殺し合いが続いている。アフリカでは、何万という人々が飢餓とエイズで死んでいく。「あなたはこの現実から目をそむけるのですか?」と青年は訊ねた。今から10年ほど前のことだ。
 私はその問いに、生真面目に答えた。
 世界じゅうで今も、罪のない命が失われていることは知っている。しかしそれは、私の人生とは関わりのない出来事だ、と。
(中略)
 私も含めほとんどの人は正義のために生きてなどいない。自分と家族の幸福を守るために生きている。
実に潔く、単純明快な答ですね。
自分や家族の幸福が最優先なのは当然だと思うのですが、特に日本では「利己主義=悪」という価値観が幅をきかせているため、橘氏のような考えを明確に述べる人は非常に少ない気がします。
5年前より増えたという「声高に正義を叫ぶひと」に騙されないためにも、この大原則を正しく認識しておく必要があると思います。

長くなりそうなのでテーマごとに記事を分けます。

(つづく)

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