2010年2月1日

『知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語』 その5

『知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語』 その4 の続きです。

今回のテーマは資産運用。当ブログ的にはメインディッシュです。
 日本の宝くじは、売上の半分が経費として召し上げられる世界でもっとも割の悪いギャンブルの一つだ。儲かるのは胴元だけで、ゲームに参加したほとんどの人が損をする。売上の半分しか分配されないのだから、宝くじで儲ける最良の方法は宝くじを買わないことだ。
 楽して億万長者になる夢を見たければそれに最適な商品が提供される。だが夢はあくまでも夢でしかなく、宝くじに当たる望みは交通事故で死ぬ確率よりずっと小さい。
一攫千金を夢見て宝くじを買うことの愚かさについては、当ブログでも何度か触れてきたのでしつこいと思われるかもしれませんが、念には念を入れて引用してみました。
関連記事:
宝くじの季節ですね。 世の中で最も不利なギャンブルにもかかわらず、見果てぬ夢を見てしまう人たちが後を絶ちません。売り場へ向かう前に是非これを試してみてください。 web宝くじシミュレーター for ジャンボ宝くじ【Trial版】 本来の還元率は45%程度で、これでも十分なぼったく...
yumin4.blogspot.jp


 資本主義経済は、好、不況の波を繰り返しながら成長する。株で大きな果実を手にしようと思えば目先の損得にとらわれてはならない。1929年の「暗黒の木曜日」直前に株を買った投資家も30年後には十分な利益を手にした。人類の経験は長期投資こそ素晴らしいと教えている。
ここまでの理屈に非の打ち所はない。たった一つ問題があるとすれば、ほとんどの投資家がこの教えに従わないことだ。
ほとんどの投資家とは違って、非の打ち所がない理屈には素直に従うのが私のポリシーです。
あと30年もすれば、「2008年の『サブプライムショック』直前に株を買った投資家も30年後には・・・」とか本に書いてあるに違いないと、そう信じて持ち続けるのみです。
29 投資家の仕事は損をすること
投資とはリスクを購入し、それに見合った報酬を受け取ることだ。損をしても誰も助けてくれないばかりか、裸のまま路上に放り出されても文句は言えない。そんな冷たいルールが貫徹しているからこそ、投資は大きな富を生むのだ。
その通りだと思います。自ら進んでリスクを取った投資家を甘やかしてはいけません。
消費者保護の名目で自由なリスク購入を妨げる法律が作られるような国では、それだけ富を生む機会が奪われているのです。
31 投資助言は黒魔術によく似ている
分散投資で知られるモダンポートフォリオ理論は、株式市場全体に投資することがもっとも効率的であると主張する。
(中略)
日経平均やTOPIX型のETFを購入し、あとは何もしないのがもっとも賢明な投資法だ――こんな身も蓋もないアドバイスが現代投資理論のエッセンスである。
(中略)
市場の効率性を前提にすれば現代投資理論の正しさは数学的に証明されており、反論は困難だ。だからといって”科学”に従えば、自らの存在意義を否定することになる。そこで投資業界はこの理不尽な真理を無視することにした。
事実から目をそむけ非科学的な前提に固執することをオカルトという。
はい。特に投資という分野にはオカルトが多すぎます。
少なくとも以上のような「現代投資理論のエッセンス」を知っておかないと、投資業界の専門家と呼ばれる人たちにもっともらしい黒魔術を教え込まれたりします。
黒魔術と科学、どちらを信じるほうが幸せになれそうか、よく考えてみてください。
32 老後は誰もが一人の投資家
好むと好まざるとにかかわらず私たちはいずれ現役を引退し、第二の人生を歩むことになる。老後とは生活の糧を労働から得るのではなく、年金と資産運用のみに依存することだ。
(中略)
老後は誰もが一人の投資家になる。成功の方程式はもはや役に立たない。その時、金融市場について何の知識もなければ、どうやって自分と家族の生活を守れるというのだろう。
私たちが投資を学ぶ理由はここにある。
もっと詳しく投資を学ぶための本:
2年ほど前に読んだので今更な気もしますが、これだけの良書のレビューを書かないわけにはいかないのでもう一度借りてきました。 資産運用の初期段階で、情報の洪水の中から本書のような良書に出会えるか出会えないかで、その後の運命がまったく違ってくると言っても過言ではないと思います。 『 ウ...
yumin4.blogspot.jp

0 件のコメント:

コメントを投稿