2010年8月20日

『サラリーマンのためのお金サバイバル術 家・車・保険、「人並み」な買い物が破滅を招く』 岡本 吏郎 (著)



冒頭に出てくる誰でもわかる解答。
収入よりも少ない支出で生活すればいい。
これは当たり前すぎて何も言ってないに等しいですね。

もっと具体的には、
年収の50%の生活。これが、死ぬまでの自分の人生を計算した場合の安全な答えです。
という記述があります。60歳まで働く前提なら、この基準は概ね妥当だと感じます。

ただ、早期リタイアを目指すなら、生活費だけで年収の50%を占めてしまうのは、まだ生活レベルが高すぎるか、年収が低すぎるかのどちらか(または両方)だと思います。私の場合、リタイア直前の生活費が年収に占める割合は30%程度でした。これぐらいの生活レベルだと、年収の半分を貯蓄に回すことができます。

 いくら住居費を一生懸命節約し我慢の生活を続けても、社会保険料が私たちの今の幸せな生活を阻んでいます。制度は明らかにどこかおかしく、それを誰もがわかっていながら変えられない。困ったことです。
同感です。
節約が「我慢」だと感じるようならやりすぎだと思いますけどね。

結論:生命保険の基本的入り方
(中略)
適正な保障額を時期に応じて計算し、掛け捨て保険を契約する。これが保険の王道です。
(中略)
私たちが、自分の死亡をリスクヘッジすべきなのは、小さな子どもがいる働き盛りの一時だけです。「一時」なんて言いましたが、過ぎてみると本当に「一時」です。そして、子どもはこっちの気持ちも知らずに親離れをしていきます。また、この最もリスクヘッジが必要なときは、厚生年金の掛け金でもリスクヘッジができています。したがって、厚生遺族年金でカバーできない分をリスクヘッジすればいいのです。
厚生年金強制加入のサラリーマンの生命保険についてはこれがファイナルアンサーだと思います。この少子化時代ですから、まったく生命保険に入る必要のない人も少なくないでしょう。子供がいる人の場合でも、必要保障額を見積もるときに厚生遺族年金を計算に入れておかないと、過大な保険料を負担することになりかねません。

医療保険は、どう考えても最初から加入者が勝つ余地はありません。医療保険は、保険ではなく、人々の不安をついた単なる「不安商品」なのです。
同感です。

時間のないサラリーマンが株式を運用しようと考えるならば、ETFの運用以外に選択肢はありません。
やや言い過ぎな気もしますが、外れてはいないでしょう。

 なお、世界市場を買うと言うと、為替リスクを心配する人もいると思いますが、外貨預金に預けるのとは違い、世界市場を買うという行為は理論的には為替に対してニュートラルです。仮に、ドルが値下がりしたとしても、世界市場に組み込まれた企業の価値が変わるわけではありませんから、ドルが下がればその企業の企業価値はドルに対して高くなるはずです。
誤解されやすいポイントですが、これはその通りですね。

ただ、為替に対してニュートラル=為替リスクがない という意味ではないと思います。海外ETFも最終的に円という通貨に換金して使う前提なら、為替リスクを包含していることは事実です。

にもかかわらず、株式という資産を長期保有する場合は、為替リスクをあえてヘッジする必要がない理由は、次の本に書いてありました。
『株式投資 ~長期投資で成功するための完全ガイド』 読書録 その2

 運用をしているといろいろなことが起こるでしょう。しかし、一度決めた方針は変えてはいけません。淡々と続ける。マラソンのように。それが正解です。
正解というより最善手でしょうね。最善手を尽くしたからといって最終的に勝てるとは限らないのが、資産運用の厳しいところでもあり、面白いところでもあると思います。

サラリーマンに大人気の自己啓発系のセミナーについて。
 参加しても何の能力もつかない。むしろ、病的な躁状態になる人もいるセミナーに、高いお金を払う行為というのは、この本を書いてきた私のような立場の者には、「能力をつけて、お金も貯める」というテーゼから一番遠い行動です。
同感です。

参考記事:
岡本吏郎(2009.11)『サラリーマンのためのお金サバイバル術』(朝日新書)朝日新聞出版: 乙川乙彦の投資日記
のらブログ: サラリーマンのためのお金サバイバル術 家・車・保険、「人並み」な買い物が破滅を招く
[ 【読書】岡本吏郎さんの「サラリーマンのためのお金サバイバル術」] by 矢向町のインデックス投資家
活かす読書 サラリーマンのためのお金サバイバル術
サラリーマンのためのお金サバイバル術 家・車・保険、「人並み」な買い物が破滅を招く (朝日新書) | rennyの備忘録
サラリーマンのためのお金サバイバル術 | 思いつきブログ

1 件のコメント:

  1. トラックバックありがとうございます。
    なんとなく本誌は、稼いだお金を余計なものに回さないということをかなり噛み砕いて説明されていたように感じます。
    それは、資産運用以外でもという感じかなと思います。

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