2011年4月23日

『投資の大原則』 バートン マルキール (著), チャールズ エリス (著)



投資という頭が痛くなるような問題について、重要なことのすべてが、片手で数えられるほどの原則に集約できるということは、私たちにとっても大変な驚きである。複雑な税制に惑わされて頭が混乱していなければ、投資はそのくらい簡単なものなのだ。この原則を知っていると知らないとでは、人生が大きく違ってくる。
私もまだ何も知らなかった頃に、もしトレーディング系の変な本を掴んでしまったり、証券会社の無料セミナーなんかに出たりしていたら、今とは全く違った人生になっていたかもしれません。

本書に書かれている投資の原則は、インデックス投資家にとっては特に目新しいものではありません。ですが、非常にシンプルで分かりやすい原則である割に、世間一般にはまだ広く知られていないような気がしています。(特に日本では)

第5章に出てくる九つの基本ルールは次のとおりです。
1 お金は若いうちから定期的に貯めよう
2 会社と国に資産形成を手伝ってもらおう
3 不時の出費に備えて、現金は用意しておこう
4 保険をかけているか確認する
5 分散投資をすれば心配の種が減る
6 クレジットカードのローンは使わない――これに尽きる
7 短期運用への衝動を無視しよう
8 低コストのインデックス・ファンドを使う
9 オーソドックスな分野に注目。ベンチャー・キャピタルやプライベート・エクイティ、ヘッジファンドのような「目新しい」商品は避けたほうがよい
たったこれだけです。
ただし、アメリカの税制や社会保険制度を前提としているため、細かく見ていくと日本ではほとんど当てはまらないようなものもあるように思います。たとえば2や4など。

資産運用に携わる人は市場予測に振り回されてはならない。世間で「専門家」と思われている人たちの予想であっても、あてずっぽうと大して変わらない。JPモルガンの創業者、モルガンは「株は今後どうなるのか?」と尋ねられたとき、「変動するだろう」と答えている。まったくそのとおりだ。
シンプルですが、これほど正しい答もないですね。
要するに未来のことはわからないので答えようがなく、この質問自体が無意味とも言えますが、このように切り返すとはスマートだなあと思いました。

参考記事:
[ 投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント(バートンマルキール・チャールズエリス共著) ] by 矢向町のインデックス投資家
投資の大原則 | rennyの備忘録
投資の大原則: NightWalker's Investment Blog

1 件のコメント:

  1. 良書のひとつだと思っています。
    なんとなく支持されないというか読む人が少なそうですが、お金に対する教育と考えると、良い本だと思いました。

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