2017年5月23日

資産を減らさず「少し増やす」方法?

週刊現代の記事より。
足踏みしていた日経平均がまた上がり始めた。欧州の地政学的リスクが去り、この相場はしばらく続きそうだ。資産を1割増やそう、というのは欲張りすぎ。少しだけなら確実に増やせる方法がある。
gendai.ismedia.jp
うーむ、これは酷い。

ここまで酷いと逆に反面教師としての利用価値が高そうですが、ツイッターの反応を見る限りでは否定的なコメントはまだ非常に少なく、悪影響の方が遥かに大きいみたいですね。トホホ…。

「普通預金がいちばん損!」などと煽ってますが、この記事で紹介しているようなリスク資産と銀行預金はそれぞれ取っているリスクの種類が異なるため、単純に損得を比較することはできません。損得を語るなら同じ種類の商品同士でコストやリターン/リスク比などを比較する以外にないと思います。

せっかく色々とボケてくれているので一応ツッコミを入れていくとしますか。

日経平均株価はついに2万円を突破する勢い。今後、「増やし方」を知っている人と知らない人では、どんどん差が開いてゆく。まさに「いま動かないで、いつ動く?」という絶好のチャンスが到来している。
株を買う理由の中でも「株価が上昇しているから」というのは最悪の部類に入ると思います。「いま動かないで、いつ動く?」なんて煽り文句に騙されず、こんなになるまで動かなかったのに今になって動く理由がどこにあるのか、じっくり考えたほうがいいでしょう。

投資に詳しい知人に聞いたところ、日本株のみで運用する投資信託で、パフォーマンスがいいと評判のひふみプラスと、米国株に連動する投資信託netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンドをすすめられ、計1000万円の資金で昨年末に買いました。
本当に投資に詳しくて投資家の利益を第一に考えられる知人さんならば、こんな投信は絶対に勧めませんよ。前者の運用管理費用(信託報酬)は1.0584%、後者は2.052%です。平均1.5%とすると年間15万円ものコストを払っていることを自覚しているのでしょうか? さらに販売手数料も30万円ほど払っているはずです。

半年足らずで含み益が100万円だと喜んでいるようですが、手数料が安い投信を選んでいればそれが130万円だったかもしれないのに…。

老後資金確保のために、2倍、3倍の大勝ちでなくてもいいから、元本割れのリスクは回避し、何とか少しでも増やせないものか――。

絆アセットマネジメント社長の小沼正則氏は、近年そうした相談が急増しているとしたうえで、こうアドバイスする。
「元本割れのリスクは回避」するなら、銀行預金や個人向け国債以外の選択肢は無いのでは? 投資にフリーランチはなく、元本割れのリスクを取らないのであれば実質リターンは期待できない、という鉄則を淡々と伝えるのが正しいアドバイスというものでしょう。ところがどっこい、

例えば、インド株に連動するイーストスプリング・インド株式オープンなどが有望です。
販売手数料3.78%、運用管理費用1.92516%。こんな投信が「有望」とは…。

不動産関連で注目されている変わり種の投資法が、みんなで大家さんだ。

これは、一口100万円から全国各地の店舗やオフィスビルなどの「共同大家」になり、その賃貸利益から5~7%程度の分配金を得るというもの。'07年の開始以来「一度も想定利回りを下回ったことがない」という超安定運用が売り文句である。

自分でマンションやアパートのオーナーにならずとも、不動産投資の「おいしいとこ取り」ができ、さらにリスクも小さいという密かな有望株だ。
そんなうまい話はない、これに尽きます。
本当にうまい話があるなら、いちいち個人投資家を募らなくても、運用先がなくて困っている銀行などの機関投資家が既に投資しているはずだからです。そして市場原理によって裁定が働き、うまみは消失してリスクに見合った期待リターンに落ち着きます。

「みんなで大家さん」の場合、リターンを過大に見せているか、リスクを過小に見せているかのどちらか(または両方)だと思われます。

投資に興味はあるけれど、虎の子の老後資産は傷つけたくない――そんな読者は、今回紹介した「減らさず、少し増やす」堅実な投資法を参考にしてほしい。
「減らさず」と言いつつ資産が減るリスクがあるもんばっかり紹介してるやないかい!(裏手で小突く)

ほとんど漫才のネタのような記事だと思いました。

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