2009年10月23日

『しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』



幸せのハードルが高めの人、マイナス思考をしがちな人、成功法則本が大好きな人にとっては、考え方を変えるきっかけになる本かもしれません。

10のルールのうち、私が共感した部分を挙げてみます。

第1章 恋愛にすべてを捧げない
たとえ恋愛がうまくいかなくても、それで「ほかのことはすべて意味がない」とか「私は無価値な人間だ」と考えてしまうような思考のスタイルから、自分を解放することだ。
ここは「恋愛」を仕事など他の言葉に置き換えても同じで、対象が何であれ「すべてを捧げる」という行為自体がとても危険なものだと思います。

第3章 すぐに白黒つけない
「まあ、いまのところはそう思っているのだけれど、もうちょっと様子を見てみないと何とも言えないね」といったあいまいさを認めるゆとりが、社会にも人々にも必要なのではないだろうか。そしてこの「あいまいなまま様子を見る」という姿勢はまた、自分と違う考え方、生き方をしている人を排除せずに受け入れるゆとりにも、どこかでつながるものだと思われる。
同感です。

第6章 仕事に夢をもとめない
「私は何のために働いているのか」と深く意味をつきつめないほうがよい。どうしても意味がほしければ、「生きるため、パンのために働いている」というのでも、十分なのではないだろうか。
完全に同意します。

第8章 お金にしがみつかない
たとえば本の場合、本当に『売れればよい」のだろうか。また、「売れる本が必ず良い本」なのだろうか。
ここは、書くことより売ることに重きを置く勝間氏への痛烈な批判に聞こえました。確かに最近の勝間本は内容の割には売れすぎている傾向が顕著だと思います。

第9章 生まれた意味を問わない
どう考えても「なぜ生まれたか」などという問いにはあまり深く立ち入らないほうが身のためだ
(中略)
「本当に答えが出ることはない。逆に、これだ、という答えが出たときは危険なのだ」ということは、頭の片隅にとどめながら悩むべきだ
これは本当に意味のない問いだといつも思っています。悩むことさえ時間の無駄でしょう。もし真剣にこれを問いたいのであれば哲学の道を志すべきじゃないのかなと。

第10章 <勝間和代>を目指さない
努力したくても、そもそもそうできない状況の人がいる。あるいは、努力をしても、すべての人が思った通りの結果にたどり着くわけではない。これはとても素朴でシンプルな事実であるはずなのだが、まわりを見わたしてみるととくに最近、そのことを気にかける人がどんどん減っているように思える。
いくら成功者でも、というより成功者であればあるほど、「私がいまあるのは幸運と偶然の結果であって、一歩間違えれば、私も病気になったり家族に虐待されたりしていま頃孤独な失敗者だったかもしれない」と思えなくなるのだ。
普通の人から見れば香山氏だって十分に成功者だという意見がありますが、成功者自身がこのような事実を直視し、努力主義を否定する例は珍しく、貴重なことだと思います。

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