2011年8月19日

『35歳からのお金のリアル』 人生戦略会議 (著)  その1



著者の人生戦略会議とは、20代~40代の男女11名からなる匿名集団のようです。
前作の『35歳からのリアル』の方は、まだ読んでいません。

最後のページにとても良いことが書いてあります。
私たちはお金を稼ぐために生きているのではありません。生きるためにお金を稼ぐのです。お金はあくまでも生きるための手段。目的と手段を取り違えてはいけません。

どうか、お金に踊らされない人生を。
賛成です。

ただ、各論を見ていくと腑に落ちない点もけっこうあります。
貯金とは「収入-支出」の副産物なのですが、「給与をもらい、必要な分を支出して、残ったお金を貯めていこう」という意識では、絶対にお金は貯まりません。
天引きとか積立てなどの「仕組み」に従わないと貯まらない人の方が多いのだろうとは思いますが、「絶対に」貯まらないなんてことはありません。私はまさに、ここに書いてある通りの意識で現役時代を過ごしましたが、ちゃんとお金が貯まりました。

要は、「必要な分を支出」する段階で、たまたま持っているお金が多いか少ないかによって、必要なものの範囲が広くなったり狭くなったりして一貫性がないのが、貯まらない人の特徴ではないかと。関連記事:
けっこうな人気本のようですが、 資産がマイナスかもしくはゼロに近い状況にあり、このままではいけないと感じている「お金の問題児」である(かもしれない)あなたといっしょになって家計を立て直し、貯金をするための実践的なアドバイスをお伝えしたいのです。 と書かれているように、「お金の...
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お金という点からみて、健康な人は、不健康な人より得をします。早死は損をし、長生きは得です。
主な理由は以下の3つ。
□健康な人は、不健康な人に比べて、医療費がかからない
□心身ともに健康であれば、老後、働いて収入を得ることができる
□健康な人は、不健康な人よりも長生きでき、年金を多くもらえる
まあその通りなんですけど、2番目の理由って「得」なんだろうかという疑問が…。
老後でなくても働きたくないのに、心身共に衰える老後に働くなんて想像したくないです。

介護状態になってからの期間を差し引いた寿命を「健康寿命」といいますが、長生きして得をするためには、この「健康寿命」を伸ばすことが重要になってくるわけです。
日本人の健康寿命は男性72.3歳、女性77.7歳だそうです。
男性が60歳まで仕事をしていたら、健康な余生を送れるのは平均12年しかありません。とんでもなく短く感じるのは私だけでしょうか。

老後は遊んで暮らしたい?
それはそれで、ぜいたくな人生です。しかし、遊ぶにしても、ある程度の健康が必要です。また、おそらく飽きます。かなりニートな強者でも、健康な身体をもちながら、それでいて6万5000時間、27年分相当もの時間を遊び倒すのはむずかしいのです。
まず、老後であろうとなかろうと、そもそも遊んで暮らすのがなぜ贅沢なんだろうかという疑問がひとつ。むしろ、老後に残されたわずかな時間をお金に替えてしまうことのほうが、贅沢な生き方のように思えます。

さらに、たった27年の時間を「持て余す」のではないかという、一種の恐れにも似た感覚も、私にとっては理解しがたいものがあります。(
関連記事:
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(つづく)

1 件のコメント:

  1. このブログを見つけて間もない者ですが、遊民さんのご意見はいちいちごもっともだと感じます。
    よく早期リタイヤして好きなことをしても、すぐに飽きると言われる方がいますが、本当にそうだろうかと思います。百歩譲って飽きた(慣れた)としても「いい環境」に飽きる(慣れる)分には問題ありません、というか幸せです。「美人は3日で飽きるけど、ブスは3日で慣れる」といいますが、どうせなら美人の方がいいですよね。

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