2011年8月22日

『減税論―「増税やむなし」のデタラメ』 河村 たかし (著)



わしはずっと総理大臣になってこの国を変えたいと思って政治に携わってきた。名古屋で革命を起こし、次は日本の革命につなげようという思いは、いまでも変わっていない。そうなったときの初めの政策は消費税率の1%引き下げだ。
日本に限らず、世界中でいま、時代の変わり目が来ている。日本は「庶民の手による民主主義の時代」へ向けて動き出した、とわしは思う。減税を突破口にし、そこから規制撤廃、地方行財政改革を進め、強い地域をつくる。国から独立し、本当の意味ではこれまで存在しなかった日本の「民主主義」を、名古屋から、減税政策から、実現させたいとわしは本気で考えている。増税やむなしという大本営発表を流し続ける議員、役人、マスコミに騙されちゃいかん。増税と言っとるのは、今のしくみの中で税金や既得権益にどっぷりつかった勝ち組の人々なのだ。この人たちがいくらもっともらしい理屈をこねても、庶民・納税者の暮らしを苦しめる増税で国民が幸せになれるはずがない。
もっと日本をよくするための戦いは、いま始まったばかりなのだ。
素晴らしい理念を持った政治家だと思います。名古屋市民が羨ましい。
小さな政府路線を支持する有権者にとって、減税日本は注目に値する政党です。今まで総理大臣なんて誰がなっても日本は変わらないと思っていましたが、もし減税日本が政権政党となって河村氏が総理大臣になる日が来るのなら、本当に革命が起こるのではないかという期待が膨らみます。

本書で残念なのは、第1章:
国債は「借金」ではなく「財産」である
なんだかよく分からないタイトルですが、要は、最近声の大きい「財政危機なのだから増税は不可避」という主張を否定したいがために、
日本は貯蓄過剰であって財政危機ではない。
などという妙な理論を展開している点です。

たしかに国債は債権者から見れば「財産」でも、国からみればやっぱり「借金」以外の何ものでもなく、その借金がこれだけ膨れ上がっていればやっぱり日本国政府が「財政危機」であることは間違いないでしょう。この前提を素直に認めたとしても、べつに増税不可避論を肯定することにはならないわけで。

ここはシンプルかつ堂々と、
「日本は財政危機だが、増税ではなく歳出削減によって危機を回避できる」
という、ごく当たり前のことを主張するだけで十分だったのではないでしょうか。

いきなり第1章で長々と意味不明な理論を展開されたので、私は危うくトンデモ本だと勘違いして途中で投げ出すところでした。諦めずに最後まで読んで本当に良かったです。

参考記事: 『減税論』河村たかし: hard workers portfolio

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