2018年1月5日

もし資本主義が「崩壊」するとリタイア生活はどうなる?

内山さんのブログより。

この記事で引用されている榊原英資氏の本の内容は、私には理解するのが困難でした。16世紀のヨーロッパで経済成長が長期停滞した原因は農業の生産性が頭打ちになってしまったことだと述べる一方で、今後AIなどの技術革新で生産性が上がることについては、既存の世界を効率化するだけなので経済成長にはつながらない、って矛盾してません?

たとえ「経済のパイ」が大きくならなくても、既存の世界を効率化して生産性が上がると物価が下がって実質では豊かになるのが資本主義だと思うのですが…。経済のパイが右肩上がりに増え続けないと立ち行かなくなるのは資本主義ではなくて、その分け前をぶん取ることで成り立っている社会主義的な制度の方ではないでしょうか。

次の引用部分について。
その場合、タイミング売買など行わず、株式は保有し続けた方が結果として大きな利益をもたらすという、今までは多くの経済学者たちに支持されてきた論理はもはや通用しません。株を保有し続けても、評価額が大きく上下するだけで、実質的にはさっぱり増えていかなくなってしまうわけです。
持ち続けてもさっぱり増えていかないような株式市場において、持ち続けるのをやめてタイミング売買戦略に切り替えたとしてもリターンの期待値は上がりません。むしろ売買手数料の分だけ下がります。

もちろん、タイミング売買のリターンは市場平均を挟んで上にも下にも分散しますから、平均に勝つ投資家が存在することは否定しません。しかし、株価が右肩上がりのときにタイミング売買で市場平均に勝つ方法を知らなかった(故にバイ&ホールドを採用した)一人の個人投資家が、株価が低迷すると急にトレーダーの才能を開花させ継続的に市場平均をアウトパフォームするようになる、などという都合の良い事は起こりません。よって、株価がどうなろうと素直にそれまでの方針を継続するのが賢明だと思います。

世の中のほとんどの人は、「資本主義が崩壊なんてするわけがない」と決めつけているのかもしれない。
でも僕は、「この世に不変のものなんてあるわけがない」という思想をもっているので、「資本主義が不滅だなんて、逆にありえない」と考えている。

決めつけていると言うよりは、そうなったらどうしようもないと割り切っていると言いましょうか、私の場合。

その前に、そもそも資本主義の「崩壊」とは、具体的にどうなることなのでしょうか?

今後一切の経済成長が止まる(実質経済成長率が0%に張り付く)だけなら、それを「崩壊」と呼ぶのは大げさすぎやしませんか。ゼロ成長下でも株式会社が利益を生み出すことに変わりは無く、それに見合った株価を形成することでしょう。成長が止まった会社の株価は上昇しなくなるだけで、無価値になるわけではありません。たとえ株式投資の実質リターンが未来永劫0%、あるいは幾分マイナスになったとしても、資産の購買力が今後の人生の総コストを上回っている限り、リタイア生活は維持できます。

「崩壊」と言うからには、たとえば世界中に共産主義革命の嵐が吹き荒れ、資本主義の必須条件である私有財産権が国家によって剥奪された世界になるみたいな、ゲームのルールが根本から覆される出来事を想像していたのですが…。

そうなってしまったら最後、株式会社は廃止、国有化され、保有している株式ETFも無価値になることでしょう。従って、資産の購買力がそれなりに維持されることを前提としたリタイア生活も終わることになります。そうなる可能性もゼロではないだろうと言われると返す言葉が見つかりません。

そのようなリスクまで含めてヘッジしようとすると、それこそ橘玲氏が最近やたら強調している「生涯現役」以外に有効な手段は無いんじゃないですかね。彼が言うところの人的資本をドブに捨てる(という表現には違和感がありますけど)のが早期リタイアなのですから、その分だけ経済的リスクが高くなるのは仕方がないと思います。

従って、私は資本主義が「崩壊」するリスクには一切備えておりません。少なくとも私が死ぬまで(高々50年)の間に資本主義が崩壊することはない、という未来予想に賭けるギャンブルであることは自覚しています。

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yumin4.blogspot.jp

1 件のコメント:

  1. いっしゅう2018年1月6日 0:04

    はじめまして。
    私も近々アーリーリタイアを計画しており、遊民さんのブログは以前から参考にさせていただいております。
    こちらの記事にあるとおり、私も暫くは(人類の人口が増える、人口ボーナスが続く限り)資本主義は続くと思っているのでリタイアは投資は継続していくつもりです。
    株価が上がらなくても企業が利益を上げれば配当として還元されるはずですし、収益自体がゼロになることはないとも思います(投資信託やETFは配当を含んだ再投資によって増益しているはず)。
    たしか遊民さんは年金も免除されていたかと記憶しています。私もそれを参考にして免除するつもりだったのですが、投資一本だと大幅な下落や景気の長期停滞によって想定している運用益より低い場合、加速度的に資産の目減りが早まってしまうので長生きリスクも含めて年金は払おうかなと考え始めています。
    仮に資本主義が停滞しても(想定している運用益よりも下がっても)、最悪働けばいいのだし、「働く」選択肢を残しているのがアーリーリタイアの強みとも思うので、私も特に不安は無いですね。
    初の投稿で長文失礼しました。

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