フランス人と結婚した人の話として「昼休みは2時間、有給は2ヶ月、バカンスの国の国民はいいね」と配偶者に言ったら「我々はその権利を勝ち取るために不断の努力をして来た。ただ口を開けてお上が施しをくれるのを待っている国民に言われたくないね」と返されたらしい
— Amelie💔 (@chochouAmelie) December 13, 2018
権利は勝ち取るもの
このような労働条件と比べてしまうと遥かに劣悪な労働条件で働いている日本の雇われ労働者の皆さんが、諸手を挙げていいねや賛同RTしたくなる気持ちも分からなくはありません。私も現役会社員時代にこの手の権利意識なんて少しも持っていなかったと言えばウソになります。
でもやっぱり、何かがおかしいんです。被雇用者vs雇用者の文脈で出てくる「権利」の概念って。
自分の中でモヤモヤしていたことを見事に言語化してくれた人がいました。難破船(@tttnnnggg)さんです。
「権利は勝ち取るもの」としばしば言われるが、それは本来ひとに備わってるはずの権利を政府権力は不当に侵害しがちだから不断の努力で政府に対抗しなければならない、という意味であり、「政府権力を利用して他人の権利を侵害することを勝ち取ろう」という意味じゃないですよ。 https://t.co/Mq7ZjrlWMj
— 難破船 (@tttnnnggg) December 23, 2018
「ただ口を開けてお上が施しをくれるのを待っている」のはたしかに情けないが、「お上と一体化して他人に自分の言い分を強制し、そのことを恥とも思わず、それどころか誇らしげに語り正当化するフランス人」よりははるかにましである。 https://t.co/Mq7ZjrlWMj
— 難破船 (@tttnnnggg) December 23, 2018
そう、これですよこれ。
雇われ労働者の権利が語られる文脈においては、ほぼ例外なく「他人の権利を侵害すること」についてはまるで気にしていないばかりか、むしろ積極的に他人の権利を侵害することによって自己の利益を実現しようと主張する人しかいないように見えます。
フランスの例に当てはめると、元ツイートにあるような雇用条件は当事者同士の合意の有無とは関係なく、雇用契約の当事者ではないフランス政府が横からしゃしゃり出てきて労働法で強制しているわけです。法律の基準に満たない雇用条件で合意して契約しようとしても、法律で禁じられているのでできません。つまり、政府は契約の自由という権利を侵害しています。
自由主義の観点からは、誰かの(消極的)自由権を侵害しなければ獲得できないようなものを「権利」と呼ぶことがそもそも間違いなのです。「権利は勝ち取るもの」と言われましても、あなたが勝ち取った・勝ち取ろうとしているものは権利でもなんでもなくて、他人の自由を奪ってでも自己の利益さえ得られればよいという「ジコチュー」そのものの考え方にすぎないことに早く気付いてほしいものです。
参考ツイート:
最低賃金1000円というのは1000円以上で働く権利を実現してるんじゃなく、1000円未満で働く権利を侵害してるだけなんだよ。私的契約への公的介入ってそういうものだよ。
— 故郷求めて (@furusatochan) November 24, 2018
しかし、「権利は勝ち取るもの」をこういう意味で使い出したらヤバい、とチラッとも考えんのだろうか。フランスやらドイツやらが相手だとコロッと参ってしまう権威主義がわたしは大嫌いである。
— 難破船 (@tttnnnggg) December 23, 2018
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