2023年3月20日

中田敦彦の「仮想通貨とWeb3.0革命」シリーズを見た感想 その2

後半。

4:24「アメリカのエリートはGAFAに就職しない。仮想通貨の取引所に就職」

補足しておくと、就職する企業が変遷するのは過去にいくらでも事例があり、Web3革命でも何でもありません。やがて集権型の取引所さえも不要になり、エリートは企業に就職せず匿名でDAOに参加するようになる、という点が革命と言えるのです。ビジネスのあり方をここまで変える可能性を秘めた技術である、という説明がほしいところです。

7:41「アメリカは国を挙げてこのイノベーションをサポートする」

この発言を一例として、いまだに国単位で物事を捉えているの?Web3の時代に?と感じる場面が多々ありました。「中国は~」「アメリカは~」「イギリスは~」「日本は~」というふうに、国を主語にして語る癖が抜けていません。暗号通貨とWeb3は金融と情報の「民主化(*)」を推進する技術なのですから、主語は国でも企業でもなく、個人になるはずなんですが…。

(*)民主化という表現は誤用で、本当は「自由化」が正しい

13:50「頭の良い人たちは海外に出ている」

これも既存の「法人」という中央集権型の枠組みの中でビジネスやるなら、税制が劣悪な国に居ては何もできない、という話に過ぎません。DAOという非中央集権型の仕組みを使って匿名のままビジネスができるなら、その人の体がどの国に存在するかなんてどうでも良くなるのでは?

45:07「日本という非常に可哀想な選手を救うのは私達でありあなた達ですよ」「声を上げていくしかない」

ここでもやはり救済の対象は日本という「国」だと考えているようです。そして、「声を上げて」つまり政治的に解決すべき問題なのだそうです。

いや、何をどう考えても「国」なんて巨大なものを救うための技術ではないんですよ。逆です。巨大な国家権力の一部を無効化するために発明された技術です。権力が無効化できるからこそ、最小の存在である個人が救われるのです。この因果関係を正しく理解していないから、政治でどうにかしようという、全くWeb3らしくない発想になってしまうのではないでしょうか。

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