2011年5月20日

『自由に至る旅 ―オートバイの魅力・野宿の愉しみ』 花村 萬月 (著)  その2



昨日の記事の続きです。

たとえば俺は食い物などにまったく興味がありません。ひたすら野宿しながらの自炊であり、徹底した粗食ですから。
(中略)
俺の場合、ただ走っていればいいのです。できうる限り長い期間、旅を続けたい。そのためには徹底的に倹約する。美味しい食事よりもガソリン代です。
自分にとって興味がないことには徹底的にお金を使わない、というポリシーに共感しました。実は倹約の方法を考えることが、旅そのものと同じぐらい面白かったりします。
これは旅に限らず、人生におけるお金の使い方にも通じるポリシーだと思います。
たっぷり金をかけてファーストクラスですか、そして快適なホテルに泊まり、美味いものを食い、のんびり惰眠を貪る。そんな萎びた旅行は、歳をとってからでも充分に可能です。
まあそれだけのお金があればの話ですけどね。
私も60過ぎてお金に余裕があったら、こういう旅をする可能性はあります。興味の対象は年齢によっても変わっていきますから、将来食べることに興味が出てこないとも限りません。
オートバイによる旅の醍醐味は、他人まかせにしない、ということに尽きる。
他人まかせにしないということの本質は、金銭で解決しない、ということに他なりません。
そう、金銭で解決しないとしたらどんな方法があるか? これを自分の頭で考え、オリジナルのプランを組むのが面白いのです。
バイク旅に限らず、どんな旅でも言えることだと思います。
かく言う私はあまり野宿したことがなく、寝る場所は金銭で解決することが多いのですけどね。
それでもカニが食べたいか? では、いいことを教えてあげよう。地元の人が行くスーパーマーケットで買いなさい。安いし、裏切られることもあまりない。観光客とはだまされる人という意味です。名所でなにかを買うのは愚かです。
ほんと、わざわざ観光地価格で買い物する意味がわかりません。特に土産物などは最悪で、無意味に高いし荷物が増えて邪魔なので絶対に買いません。
もし旅行で訪れたのではなく、そこに住んでいたとしたらどこで何を買うか? という観点で行動します。暮らすように旅するのが私のスタイルです。

(つづく)

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