著者本人の紹介記事はこちら。
「ゆるく考えよう」 - Chikirinの日記
本書の一番最後に出てくるちきりんさんの考え方のまとめ。
ちきりんの考え方の根底には、このふたつの原則があります。この原則にたいへん共感しました。
1. 自由に生きる、ということ。誰かと比べられるのでも、社会に評価されるためでもなく、自分のために生きよう、ということです。
そして、
2. モノは考えよう。世の中はいうほど暗くない。楽観的に生きよう、ということです。
自由に、そして、楽観的に、人生を楽しみましょう!
自由についてはもっと詳しく、こう書いてあります。
多くの場合、本当に自由に生きている人は「火宅の人」であったり「破綻した人格」といわれていたり、のたれ死にに近い形で人生を終えていたりします。もちろん、そうなりたいといっているわけではありません。なるほど、深いですね。
しかし、そうやって生きた人たちがおそらく経験したであろう「精神の自由」というものがあまりにもまばゆく、尊く、貴重なものに思え、そういうものを一度も経験しないまま人生が終わってしまうと想像すると一種の焦燥感に襲われるのです。
自由に生きないことと引き替えに、ちきりんは「それなりの人生」を手に入れました。それでも、一生に一度も自由に生きられないというのなら、私が私に生まれてきた意味はどこにあるのでしょう?
自由の価値を重視している点では私も同じですが、ここまで突き詰めて考えたことはありませんでした。「生まれてきた意味」まで考え始めると、哲学の世界にずっぽりと足を踏み入れそうで恐い気もします。私が自由を求める理由は単純に、不自由に生きるよりも自由に生きるほうが相対的に楽しいからに過ぎません。
昨年、長年勤めた会社をやめ、現在は「働かない生活」に入っています。そして今は、もう一度、自由に生きるということに挑戦してみたいと思っています。自由に生きるために早期リタイアを決断されたことには、心から拍手を送りたいと思います。
私も同じ目的で早期リタイアしたつもりなのですが、ちきりんさんが求める自由のレベルは私よりも随分高いように感じました。さらにこちらの記事によると、生活レベルの方も高そうに見えます。
この本には過去5年間にブログに書いてきたことの中から、ちきりんの考え方が強くでているようなものをピックアップし、大幅な加筆・修正のうえ、新しい原稿も加えたものです。自分を含め多くの人が捕らわれがちな規範(といわれているもの)の滑稽さ、バカバカしさを表現してみました。読者の方だけでなく、自分に向けても「つまらない規範から逃れて自由になろう!」というメッセージを送りたかったのかもしれません。ブログの読者であれば読んだことのある内容が多いのですが、表現が上手だし、自由に生きることの素晴らしさがよく伝わってきました。
特に共感した部分をメモしておきます。対応するブログ記事が見つかったものはリンクも付けています。
すべての人は、いつか人生を諦めなければなりません。なぜなら人はみんないつか死ぬからです。その時点では誰もが人生を諦めることになります。人生は早めに諦めよう!
(中略)
ちきりんは、日本人は他の国の人より全体的に「諦めるのが遅いのではないか?」と感じています。そしてそれが不幸の元だと思っています。多くの人は、もっと早めにいろいろ諦めたほうが楽に生きられるはずです。
なぜそんなに忙しい生活が楽しいのだろう?退屈な時間を楽しもう
やたらと忙しい休日を過している人を見ると、そんな疑問が浮かんできます。
(中略)
退屈すること、予定が入ってないことが怖くなると一種の現代病です。ちきりんは時間さえあれば3日くらいボーッとして、「何一つ有意義なことをしなかった3日間」を過ごすこともできます。
世の中で多くの人がやっていることをやらないと、「なぜ?」と聞かれます。定職についてないと「なぜ?」、40歳で結婚していないと「なぜ?」、結婚5年目で子供がいなくて「なぜ?」と問われる人も多いでしょう。
この「なぜ?」は、正確にいえば「なぜ多くの人がやっていることを、あなたはやらないのか?」という質問です。ですが質問者はたいてい思考停止状態なので、その質問の裏側に、「なぜみんなと同じことをする必要があるのか?」という問いも成り立ちうると気がついていません。
(中略)
働いている人へ:世の中の大半の人が働いていない世の中でも、あなたは働きますか?
どんなに事前に計画しても結果はやってみないとわかりません。これはビジネスも人生も同じです。「違っていた」とわかったら速やかにやめることです。人生の時間を無駄にする必要はありません。
個人的には、10年以上のローンが必要になる価格のものは、それが家であれ車であれ教育投資であれ、自分には分不相応なものだと考えています。そのあたりが、常識的でまっとうな経済感覚だと思うのです。10年以上のローンはだめです
分相応に暮らしましょう。
民間の保険に入る必要があるのは、大半の保険は不要
・扶養家族がいる自営業、中小企業勤務等の人
・ 育児・介護の主担当の人
この2パターンの人たちだけです。
自分の持っているものに、維持費が蝕む自由
自分が苦労してやっと手に入れたものに、
縛られて生きる私たち。
固定費を下げましょう!
自分の分を知り、その範囲で生きることは、気楽に楽しく生きる途であり、自然で無理のない生き方なのです。
結婚するもしないも個人の自由だし、するべき・しないべきなどという議論自体がバカげています。
(中略)
一度きりの人生、自分の好きなスタイルで生きていけばよいのです。
旅することのメリットは、自分もまた地球上の生物の一個体に過ぎないということを体感できることです。地球上にはあまりに多くの人が存在していて、自分ひとりいようがいまいが何の影響もありません。特別な存在でも特別な人生でもないのです。
物事にはよい面と悪い面があるのです。どうせならよい面をより多く見て生きていけば楽しく暮らせます。わざわざ悲観的に考える必要など、どこにもないのです。
参考記事:
おちゃらけ社会派ブロガー・ちきりん初の出版 | ホンネの資産運用セミナー
ちきりん著「ゆるく考えよう」を読んだ - phaのニート日記
[書評] ゆるく考えよう - GkEc's Something
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