2014年10月1日

『学校では教えてくれないお金の授業』 山崎 元 (著) その5



その4の続きです。

03 株の「売り時」を考える
◎自分の買値にこだわらない
(中略)
自分がその株をいくらで買ったという事実は、将来のその株のリターンに影響を与えるファクターではありません。このようなものを判断基準にするような考え方はピント外れですし、投資家を判断力のない愚か者扱いしているようにさえ感じます。
利確、損切りルールを決めるタイプの売り手法への批判ですが、全く同感です。
関連記事: 「損切り」の不合理

多くの投資家が、自分の買値と現在の株価との関係を、勝ち負けのように捉えて、これにこだわることで判断をゆがめてしまっています。
(中略)
持ち株が値下がりしたときには、それを直視して、認める勇気が大切です。
(中略)
損を直視せずに、自分で判断することを放棄して、買値を基準に非合理的な売り買いをするということは、愚かだというしかありません。
「愚かだ」などと偉そうに書きましたが、正直にいうと、私も自分の買値は「かなり」気になります。しかし、この辺をやせ我慢して自分をコントロールすることも投資の楽しみの一つだ、と考えるようにしましょう。
読者の皆さんにあっては、早く「自分の買値」を気にしない投資家になっていただきたいと思います。
私は買値を気にしない!と言ってしまえば嘘になりそうですが、今の私は特にやせ我慢などする必要もなく、自分の買値を気にすることができない状況にいます。
というのは、どんな買い物でもそうですが、買ってから1年も経つと買値がいくらだったのか覚えていないことがほとんどで、私が最後にETFを買ったのはいつだったのか、何を買ったのか、いくらで買ったのかは既に忘却の彼方だからです。(もちろん証券口座にログインしていちいち調べればわかりますが。)
記憶力の弱さが思わぬところで幸いすることもあるものです。

◎一番重要な「売り」の理由
それは、「お金が必要になったとき」です。
(中略)
「お金の授業」らしく理論的にいうと、持ち株の期待リターンがもたらす効用よりも、現金の効用の方が高くなったのだから、株を現金に換えることが合理的です。気持よく使いましょう!
ほんとこれ、重要です。売る理由はこれ一つでも十分なぐらい。なのに投資の本に書いてあることは稀のような気がします。


p.301の図9山崎式経済時計では、下げ相場と上げ相場のサイクルを8分割して、それぞれの時間帯別に適切な「お金の置き場」が書かれています。下げ相場では現金と国債、上げ相場では株式と不動産、というような。
前著にもこれと似たようなことが書いてあり、まったく同じ感想を抱いた記憶がありますが、今回もこの章は「蛇足」と言うしかありません。

景気変動がこんなに都合よくきれいなサイクルで回るものだとは思えませんし、ある程度の周期があるにしてもそれは事後的に判明するもので、今どのサイクルにいるかはわからないでしょう。
現実には、自分が今どこの時間帯にいるのかを正確に判断するのは難事です。「今はここだ!」と決めつけて、極端に資金を動かしたりしない方がいいと付け加えておきます。
という補足を読んで少しほっとしましたが、それでも景気動向を読んで株式から債券へ、債券から株式へとせわしなく売買を繰り返すなんて、もはや運用ではなくて趣味の世界だと思います。

あくまでも運用をしたいだけの個人投資家は、下手に景気動向など読もうとせずに淡々と市場平均に乗り続けるのが良いでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿