資産取り崩し型のリタイアについて│ひとり配当金生活(予定):
リタイア後の資産残高推移について、年々減少していく資産取り崩し型、配当金や年金、節約などで収支が釣り合う資産均衡型、減るどころか資産運用によって増えていく専業投資家型の3タイプがあると思う。この分類に当てはめれば、私は資産取り崩し型のリタイアということになりそうです。
当ブログで年末年始に記録している通り、実際には持っている資産の評価額は毎年変動するので、「年々減少」するとは限らず、たまに増えることもあったり、その逆に2008年のように大幅減の年もあったりしますけど、平均的には資産が減っていくのが当たり前という前提でプランを立てていることは確かです。
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私が疑問に思ったのは、もし資産が減らない、または増えるタイプのリタイアの型があるとすれば、いったい何のためにその型を選択するのかという点です。
人間には寿命があります。言い換えれば、一人ひとりが持っている時間というリソースは有限で、毎年「確実に」減っていきます。資産と違って、たまに増えたりはしません。たとえば40歳の人の持ち時間は、平均寿命を80歳とすれば、1年で2.5%減少します。50歳ならマイナス3.3%、60歳ならマイナス5%。
リタイア後に資産を減らさない努力を続けたとしたら、資産は維持されるけれども人生の時間は容赦なく減り続け、やがて残り時間の少なさと比較して不相応に過大な資産を持つ状態に至るのではないかと。死ぬ間際に過大な資産が残るのはもちろんのこと、高齢になってから慌てて財布の紐を緩めて過大な消費を始めるというのもまた、色んな意味でもったいない話だと思います。
今までは定期収入があり資産は増える一方だったので、確実に資産が減っていく取り崩し型のストレスに耐性がない。気持ちは分かります。どういう場面でストレスや恐怖を感じやすいかは人類の脳に共通する特性ですから。資産が目減りする恐怖との付き合い方に書いた通り、私の脳にも同じような恐怖は確かに存在します。
投資経験があると種銭の有るありがたさは身にしみてくるし、それが減っていくというのは恐怖なのだ。
しかし私にはストレスや恐怖に耐えているという自覚はありません。意識しているのは、頭の中にそういった感情が湧き起こったときに、それを冷めた目で時間をかけて評価して、間違っていたら淡々と却下するもう一人の自分の存在です。この本でシステム・ツーと呼ぶ脳の機能です。この人は誰の脳にも存在する有能な怠け者で、バンバン尻を叩かないと全く仕事をしません。この人が怠けている間は、もう一人のシステム・ワン(原始人)のやりたい放題です。
お金が足りるかどうかじっくり考えた結果として足りないことが判明したからではなく、ただお金が減ること自体に恐怖や不安を覚えるのであれば、それはもう原始人の直感そのものです。予想どおりに不合理と言うしかありません。そういう直感の命ずるままに動けば判断を誤ることになりかねないと思います。
参考記事:
人間には寿命があるのですが、その寿命がいつ尽きるのかは誰にも分からないのが問題なのでしょう。
返信削除自分はいつ死ぬか分からない。
しかし、資産は確実に減っていく。
寿命が尽きる前に資産が尽きてしまったら、その時点で生きていけなくなる。
この不安というか恐怖に、大概の人は耐えられないのだと思います。
もし資産より寿命が長くなってしまえば、
返信削除1.人にたかる
2.野垂れ死にする
最後にこの2つの覚悟が
できれば何とかなるでしょう。