2014年9月23日

『学校では教えてくれないお金の授業』 山崎 元 (著) その4



その3の続きです。

外貨預金で運用をしようという考え方は、今すぐ止めましょう。外貨預金は、はっきりと「ダメな商品」です。
(中略)
外貨預金については、どの通貨であっても、「最悪の商品ではないかもしれないが、ダメなことが最もはっきりしている商品だ」と認識して距離を置くのが正解です。
その理由はまず第一に、類似の金融商品(外貨MMFやFX)と比べて為替手数料や金利が不利だから、ということのようです。

それともう一つ重要なのが、
外国為替取引の基本は、同じ大きさで逆方向のリスクを持った参加者同士が戦うゼロサム・ゲームであり、その本質は「投機」です。リスクを取ることが、追加的なリターンで報われるような「投資」の世界とは根本的に異なります。
この理由だと思います。
つまり、為替取引によって得られる追加リターンの平均がゼロということは、高金利通貨の外貨預金で運用しても、低金利通貨の円預金で運用しても、円換算の期待リターンは同じになるということです。平均的には高金利通貨の為替レートが下落して金利差が相殺されるからです。

もちろん、為替レートは平均値を中心として上下にばらつきますから、運良く円安に振れれば為替差益と金利差益のダブルの恩恵を受ける場合もあれば、その逆に平均よりも大きく円高に振れた場合は金利差益が吹っ飛んだ上に為替差損で大損する場合もあるでしょう。

期待リターンが円預金と同じなのに、外貨預金には円預金には無いリスクとコストがもれなく付いてきます。報われないリスクなら取る意味がありません。この考え方は、
現代ポートフォリオ理論 - Wikipedia
の効率的フロンティアの考え方に似ていると思います。

(つづく)

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