2014年9月14日

『学校では教えてくれないお金の授業』 山崎 元 (著) その1



お金を合理的に扱って、お金の悩みを持たずに、爽やかに暮らそう、というのが本書全体を通じた目的意識です。
賛成です。
山崎氏の合理的な目的意識は、過去に読んだ二冊(『超簡単 お金の運用術』『お金とつきあう7つの原則』)にも共通していたように思います。

 お金を有利に扱うには、また、有利不利以上に、気持よくお金と関わるためには、明らかで無駄な「損」を避けることが大切です。お金の世界では、銀行・証券会社・保険会社などの金融ビジネスに関わる人々に判断を頼ると、ほぼ間違いなく「損」をします。
普遍の真理ですね。
投資家と金融機関の「利益相反」の構造に気付くかどうかが、まず最初の運命の分かれ道と言って良いでしょう。それに気付いた人は店舗の窓口で投資の相談をするなどというカモネギ行為はもちろんのこと、証券会社の無料セミナーなんかにも行かなくなるはずです。

次の分岐点は、何が「損」なのか判断できるかどうか。
たとえばETFを選ぶ際に私は真っ先にExpense Ratioをチェックします。ただ持っているだけで継続的に引かれるコストが高いのは明らかで無駄な損だからです。
人を介さないネット証券でさえも、コストが異様に高い毎月分配型投信ばかりが売れ筋上位にランキングされているのは、そもそも何が損なのかわかっていない人の方が多い証拠です。

 お金が大切なものであることに違いはありません。ですが、もともとある絶対的なものとして私たちの社会を支配するほど、たいそうなものではありません。私たちが「これはお金である」と信用して初めてお金として存在し得る、どちらかというと、お金は「頼りない」存在なのです。
お金に対しては、永続的に価値を持った絶対的なものである、という思い込みをやめ、一歩引いて客観的に考えられるような、少々ドライな距離感を持つことこそが、長い人生をお金と冷静に付き合っていくために必要なのではないでしょうか。
同意します。
そもそもお金というツールは人間が発明したものですからね。実際に、発明されてから現在までの間に、お金の形態も、お金の価値も目まぐるしく変化してきました。信頼を失えば紙切れ同然にもなり得ることは歴史が証明しています。


このツイートの通り、お金の価値というのはモノやサービスと交換するときのレートで決まります。お金の価値を計る際には、お金の額面に囚われて増えた減ったと一喜一憂するのではなく、その交換価値がどうなっているかを見る必要があります。

 おそらく、私たち現代人が「幸せ」を感じるためには、健康、知識、人間関係、さらに経済力のそれぞれが必要なのでしょう。
(中略)
経済力も含めて、幸せに関わる主な要素は、一つが完全に欠けると、A×B×C×D×……の掛け算の結果がゼロになるような要領で、幸福感をゼロにしてしまう影響力があります。
幸福感は4要素の掛け算ですかー。さすがにそれは違う気がしますね。
この4つだけでなく、人それぞれが持つ幸福の要素にそれぞれの重み付けがあって、ただの掛け算よりも遥かに複雑な関数になっているような感じがします。たとえば人間関係などは欠けても幸福感に影響のないタイプの人は確実に存在するでしょう(ここに少なくとも一人います)。

(つづく)

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