2014年9月15日

『学校では教えてくれないお金の授業』 山崎 元 (著) その2



その1の続きです。

◎「現金主義」のススメ
(中略)
クレジット・カードでの支払いを避け、できるだけ現金で支払うという、それだけのことですが、手っ取り早くお金の流れを実感するためには、これが有効です。
(中略)
「カードのポイントを使わないと損だ」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、毎日家計簿を付けて収入・支出を管理しているのでなければ、お勧めできません。収入・支出のバランス感覚を養うまでは、少々の得よりも、お金の実態を大切にすべきでしょう。
う~む、ここは意見が一致しませんね。
やっぱり当ブログでは初志に忠実に、「クレジットカードが使える場面で現金決済は損」。このスタンスを貫きたいと思います。

「毎日家計簿を付けて収入・支出を管理しているのでなければ」と、何か特別な条件のように書かれてますが、毎日欠かさずとは言わないまでも、きっちり家計簿を付けて年間収支を把握するのは家計管理の基本中の基本で、やろうと思えば誰でもできると思うんです。どうせ君たちは家計簿なんか付けないでしょという先入観と言いますか、ちょっと残念な諦めが入ってる感じですね。それと、山崎氏自身がたぶん家計簿を付けない人なのではないかと、今まで読んだ本やブログの断片的なイメージから勝手に想像してます。違っていたらゴメンナサイ。

今はスマホでも簡単に家計簿が付けられる良い時代なので、支払手段をどうするか考えるよりもまず家計簿の習慣化を教えるのが先じゃないかと思います。

 リボルビング払いとは、つまるところ、借金をすることであり、借金生活への入り口であるという認識を持ってください。小さい借金とはいえ、年率で15%前後にもなる、合理的とは程遠い金利です。
(中略)
世の中には、このように、気軽に借金へと誘う巧妙な罠があちこちに仕掛けられています。金持ちからは手数料を、貧乏人からは金利を取るのが、昨今のリテール向け金融ビジネスのビジネスモデルです。
彼氏であれ彼女であれ、リボルビング払いをするような恋人とは、今後の付き合いを考え直す方がよいでしょう。少なくとも、結婚はしない方がいい。
仰る通りです。
リボ払いのような明確な損を避けることができるかどうかは、人生のパートナー選びの際に有効な基準の一つだと思います。
クレジットカード払い自体が借金だと言う人もいますが、法的には負債でも金利がかからないのであれば問題ありません。無駄な金利や手数料を負担しているのかどうかが判断のポイントです。中にはリボ払いを選択しているのに毎月全額返済して金利を払わない上級者もたまにいるので、誤解して振ってしまうと勿体無いです。注意しましょう。

金融機関というのは、その利益構造からみても、「あなたから儲ける組織」であって「あなたを儲けさせる組織」ではありません。この点は、シビアに考えなければなりませんし、こうしたお金に関わる利害関係の意味を正しく理解することこそが、「お金の常識」の第一歩でもあるのです。
その1でも書いた「利益相反」の構造です。まずはこれに気付かないことには話になりません。
海外発だと「顧客のヨットはどこにある?」のエピソードが有名ですね。
投資家のヨットはどこにある? (ウィザードブックシリーズ)
この本の初版は何と1940年発行だそうです。顧客と金融機関の利益相反関係は何十年も昔からまったく変わっていないことがよくわかります。

FPについても銀行や証券会社との付き合い方とほぼ同じ注意が必要です。
(中略)
お金の運用に関していうと、FPが持つ知識は、一般の金融マンより劣っていることが多いというのが、残念ながら一般的な傾向です。
(中略)
彼らの著書には、堂々と誤りが書かれていることを見つけることが度々あることを付け加えておきます。
日本人は資格とか肩書きに弱いところがあるので、FPと聞くだけでお金の専門家という先入観を持ってしまっていて、彼らに相談すれば有益なアドバイスが得られると信じている人も少なくないようです。

しかし現実はそんなに甘くありません。彼らの主な収益源も金融商品の販売手数料や仲介手数料だったりするわけで、そういうFPは実質的には金融機関の代理店にすぎません。彼らが勧める金融商品がろくでもないものであることは容易に想像できます。

FPの著書に誤りがあるというのも思い当たるフシがあります。
昨日の記事 の続きです。 2 不動産投資で一番大切なこと (中略) インカムゲインを重視し、極端なキャピタルゲインは望まないことが賢い不動産投資の秘訣です。 まあこれは当たり前というか、土地はともかく建物は時間の経過と共に減価していきますから、キャピタルゲインよりもむしろキャピタ...
yumin4.blogspot.jp
この本を読んだときは頭の中が?マークだらけになりました。

(つづく)

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